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製薬業界 きょうのニュースまとめ読み(2021年10月29日)

更新日

 

バイオベンチャー「アキュリスファーマ」始動…仏社から睡眠障害治療薬を導入

バイオベンチャーのアキュリスファーマは10月29日、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが主導するシリーズAラウンドで総額68億円を調達するとともに、仏Bioprojet Pharmaから睡眠障害治療薬として欧米で承認されているヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬pitolisantの日本での独占的開発・商業化に関するライセンス契約を結んだと発表した。調達した資金は同薬の臨床開発や発売に向けた活動に充てる。アキュリスファーマは神経・精神疾患領域に特化したバイオベンチャーとして今年1月に設立。海外で承認されている医薬品の導入を中心に事業を展開する。湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)に拠点を置き、元ノバルティスファーマ社長の綱場一成氏が社長CEOを務める。ソフトバンク・ビジョン・ファンドが日本企業に投資するのは今回が初めて。

 

大塚 HIF-PH阻害薬バダデュスタットを欧州で申請

大塚ホールディングス(HD)は10月29日、子会社の大塚製薬が米アケビア・セラピューティクスと共同開発している腎性貧血治療薬のHIF-PH阻害薬バダデュスタットについて、欧州で承認申請を行ったと発表した。適応は「成人の慢性腎臓病に伴う貧血」。大塚は欧州で同薬を共同開発して単独で販売する権利と、日本と中南米を除く地域で独占的に開発・販売する権利を持つ。日本とアジアでは田辺三菱製薬が権利を持っており、日本では昨年8月から「バフセオ」の製品名で販売されている。

 

帝人、大塚グループの脊椎・外傷事業を買収

帝人は10月29日、大塚グループの脊椎・外傷事業を買収すると発表した。来年2月1日をめどに、子会社の帝人ナカシマメディカルが大塚メディカルデバイスの子会社KiSCO(キスコ)から当該事業を承継する。キスコは、脊椎固定材料や骨接合材料などのインプラント製品を手掛けている。帝人は買収によって埋め込み型医療機器事業の拡大を目指す。

 

日水製薬、千葉大発細胞医薬ベンチャーに出資

日水製薬は10月28日、細胞医薬品の研究開発を手掛ける千葉大発バイオベンチャーのセルジェンテックに出資すると発表した。同社が行う第三者割当増資で約1億3000万円を引き受ける。セルジェンテックは脂肪細胞を使った遺伝子治療用細胞医薬品を開発中で、家族性LCAT欠損症を対象に千葉大で医師主導治験が行われている。両社は細胞医薬品の製造・検査技術などについて共同研究を行っており、日水製薬は出資を通じて再生医療への取り組みを強化する。

 

ツムラ、業績予想を上方修正

ツムラは10月29日、2021年4~9月期と22年3月期通期の業績予想を上方修正したと発表した。通期業績の修正後の予想は、売上高1275億円(従来予想比50億円増)、営業利益211億円(16億円増)。国内での製品販売が計画を上回って推移していることや、中国で原料生薬や飲片などの販売が好調なことを反映した。

 

メディセオ、医薬品流通の最適化でマツキヨココカラと取り組み

メディパルHDは10月29日、子会社メディセオが、医薬品流通モデル構築に向けた取り組みをマツキヨココカラ&カンパニーと共同で開始したと発表した。適正な在庫管理と受注・納品業務の削減によるCO2削減や、発注や検品といった作業の効率化を通じた生産性の向上などに取り組み、持続可能な社会の実現を目指す。

 

決算

アステラス製薬(2021年4~9月期、10月29日発表)

売上収益6516億6600万円(前年同期比5.9%増)、営業利益901億6900万円(3.8%増)。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」(18.7%増)や抗がん剤「ゾスパタ」(50.3%増)、同「パドセブ」(51.5%増)などが伸びた。日本の売上高は9.5%減の1305億円。22年3月期のコアベースの業績予想(売上収益1兆3230億円、営業利益2700億円)は据え置いた。

 

第一三共(2021年4~9月期、10月29日発表)

売上収益5299億6500万円(前年同期比10.4%増)、営業利益847億4200万円(44.9%増)。主力の抗凝固薬エドキサバン(25.4%増)や抗がん剤「エンハーツ」(117.2%増)などが伸びたほか、新型コロナウイルス感染症の影響で前期落ち込んだ鉄欠乏性貧血治療薬「インジェクタファー」の販売が回復したことなどが寄与した。22年3月期の業績予想は、売上収益1兆300億円(従来予想比400億円増)、営業利益920億円(220億円増)に上方修正。主要製品の好調な推移を反映した。

 

日本ケミファ(2021年4~9月期、10月29日発表)

売上高155億7500万円、営業利益2億600万円。会計基準の変更によって前年同期からの増減は開示していないが、単純比較すると売上高5.0%増、営業利益は1億8900万円の赤字から黒字に転換した。他社の供給停止による代替需要もあって後発医薬品事業が好調だった。22年3月期の業績予想(売上高310億円、営業利益3億5000万円)に変更はない。

 

メディパルHD(2021年4~9月期、10月29日発表)

売上高1兆6432億4400万円、営業利益242億7800万円。会計基準変更前の前年同期と単純比較すると、売上高3.5%増、営業利益34.9%増となった。新型コロナウイルスによる受診抑制が回復したことで販売が伸びた。22年3月期の業績予想(売上高3兆2290億円、営業利益430億円)は据え置く。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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