アルツハイマー病薬「ケサンラ」ピーク時販売予測796億円/「ゾコーバ」費用対効果評価で薬価4.3%引き下げ など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年11月13日)
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AnswersNews編集部
(写真:ロイター)
「ケサンラ」ピーク時販売予測796億円…新薬17成分、20日薬価収載
中央社会保険医療協議会(中医協)総会は11月13日、日本イーライリリーのアルツハイマー病治療薬「ケサンラ点滴静注液」やアムジェンの活動性甲状腺眼症治療薬「テッペーザ点滴静注用」など新薬17成分19品目の薬価収載を了承した。収載は20日。ケサンラはピーク時に796億円の販売を見込む。詳しくはトピックス
「ゾコーバ」費用対効果評価で薬価4.3%引き下げ
中央社会保険医療協議会(中医協)総会は11月13日、塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ錠」(一般名・エンシトレルビル フマル酸)と、ファーマエッセンシアジャパンの真性多血症治療薬「ベスレミ皮下注」(ロペグインターフェロン アルファ-2b)について、費用対効果評価の結果に基づいて薬価を引き下げることを了承した。ゾコーバの薬価は1錠7407.40円から7090.0円へと4.3%引き下げ。ベスレミは8.3%下げる。新薬価は来年2月1日付で適用する。
日本新薬、米社と網膜疾患向け遺伝子治療のライセンス契約
日本新薬は11月13日、米Atsena Therapeuticsと、同社が開発中の遺伝性網膜ジストロフィーに対する遺伝子治療薬「ATSN-101」に関するライセンス契約を締結したと発表した。日本新薬は米国での商業化の権利と日本での開発・商業化の権利を取得。契約一時金、マイルストン、売上高に応じたロイヤリティを支払うとともに、今後の開発費用を負担する。同薬はアデノ随伴ウイルス(AAV)5遺伝子治療薬で、米国でレーバー先天性黒内障1 型を対象に臨床1/2相試験が行われている。
国内医療用医薬品市場、14四半期ぶり前年割れ―24年7~9月
IQVIAは11月13日、2024年7~9月の国内医療用医薬品市場が前年同期比0.3%減の2兆8845億円だったと発表した。四半期ベースで前年を下回ったのは21年1~3月以来、14四半期ぶり。再算定による大型品の薬価引き下げで抗がん剤の成長が鈍化したことなどが響いた。製品別売上高では、MSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」が11.9%増の454億円でトップ。2位は第一三共の抗凝固薬「リクシアナ」(374億円、12.3%増)で、再算定を受けた小野薬品工業の「オプジーボ」は15.8%減の350億円だった。詳しくはトピックス
大塚製薬工場、米国に合弁会社…北米で輸液事業強化
大塚製薬工場は11月13日、米国子会社オオツカ・ファーマシューティカル・ファクトリー・アメリカが、米国のICUメディカルと輸液事業の合弁会社を設立すると発表した。ICUメディカルは輸液療法、血管アクセス、バイタルケアアプリケーションに使用される製品の開発・製造・販売を行う企業。同社は新会社に輸液事業を譲渡し、大塚は新会社の株式の60%を取得して子会社化する。新会社の事業開始は2025年第2四半期の初頭を予定。大塚は北米で輸液事業を強化する。
アレクシオン、社長に武田薬品出身の濱村氏
アレクシオンファーマは11月13日、来年1月1日付で濵村美砂子氏が社長に就任すると発表した。濱村氏は、武田薬品工業で日本事業を所管するジャパンファーマビジネスユニットの事業開発部長、神戸支店長、希少疾患事業部長などを歴任。今年7月にアレクシオンに入社した。
決算
日本新薬(24年4~9月期、11月13日発表)
▽売上収益793億3200万円(前年同期比8.2%増)▽営業利益178億6700万円(14.4%減)▽税引き前利益181億9800万円(13.9%減)▽中間利益163億7300万円(1.2%増)――。デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」は売上高110億円で前年同期比31.6%増。肺動脈性肺高血圧症・慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ」(75億円、15.6%増)も伸びた。一方、研究開発費や販売費および一般管理費の増加によって営業利益は2桁の減少となった。25年3月期の業績予想は売上収益1570億円(従来予想比30億円増)、営業利益330億円(10億円増)に上方修正。ビルテプソなどが予想を上回って推移していることを反映した。