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協和キリン、社長に常務執行役員のアブドゥル・マリック氏/小野薬品、今期純利益予想330億円引き下げ など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年10月31日)

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AnswersNews編集部

 

協和キリン、社長に常務執行役員のマリック氏昇格

協和キリンは10月31日、代表取締役社長COO(最高執行責任者)に常務執行役員Chief International Business Officer(CIBO)のアブドゥル・マリック氏が昇格する人事を発表した。宮本昌志社長は代表取締役会長に就任し、引き続きCEO(最高経営責任者)を兼ねる。 海外事業を担当するマリック氏を社長COOに据え、グローバル経営を強化する。マリック氏は英国出身の57歳。仏サノフィやスイス・ノバルティスを経て2018年に協和キリンに入社。英国法人社長を務めたあと、23年から東京を拠点に海外事業を統括している。人事は来年3月の株主総会とその後の取締役会を経て正式に決定する。

 

大塚HD、社長に井上氏…樋口氏は相談役

大塚ホールディングス(HD)は10月31日、代表取締役兼COOの井上眞氏が来年1月1日付で代表取締役社長兼CEOに就任すると発表した。樋口達夫社長兼CEOは取締役相談役に退く。井上氏は1983年に大塚製薬に入社し、2020年3月に同社社長に就任。今年1月から大塚HD代表取締役兼COOを務めている。同社は「今まで積み上げてきた事業基盤をもとに、独自のトータルヘルスケア企業として一層の飛躍を求めて新たなステージに移行する今が体制変更の適切な時期と判断した」としている。

 

小野薬品、純利益予想330億円引き下げ…デジフェラ買収で費用増

小野薬品工業は10月31日、2025年3月期業績予想の修正を発表し、純利益予想を従来予想比330億円減の580億円に引き下げた。6月の米デシフェラ・ファーマシューティカルズ買収で研究開発費などが膨らむほか、韓国LigaChem Biosciencesとの創薬提携に関連する費用を織り込む。営業利益は820億円(従来予想比400億円減)、税引き前利益は815億円(415億円減)に下方修正。前期比では営業利益が48.7%減、純利益は54.7%減となる。売上収益予想は4850億円(前期比3.5%減)で、従来予想から350億円引き上げ。デシフェラ買収で獲得した抗がん剤の売り上げを織り込むなどした。

 

持田「トレプロスト」粉末吸入剤の販売権取得

持田製薬は10月31日、米ユナイテッド・セラピューティクスと、肺動脈性肺高血圧症・間質性肺疾患に伴う肺高血圧症治療薬「TYVASO DPI」の国内販売権に関する契約を結んだと発表した。同薬はトレプロスチニルを有効成分とする粉末吸入剤。契約に基づき、持田は日本での承認取得に必要な臨床試験を実施する。持田はユナイテッドとの提携を通じて、国内でトレプロスチニルの注射液と吸入液を「トレプロスト」の製品名で販売している。

 

中外「テセントリク」希少リンパ腫への適応拡大申請

中外製薬は10月31日、抗PD-L1抗体「テセントリク点滴静注」(一般名・アテゾリズマブ)について、「再発または難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型」(ENKL)への適応拡大を申請したと発表した。申請は、国立がん研究センター中央病院などで行われた医師主導臨床第2相(P2)試験の結果に基づく。ENKLは、鼻腔に多く発症する悪性リンパ腫の1つ。国内で年間約3万6000人が発症する悪性リンパ腫の中で、ENKLは0.68%と稀な疾患。再発・難治性のENKLは予後不良で、標準治療は確立されていない。

 

帝人、再生医療CDMOでシンガポールのバイオテックと提携

帝人は10月31日、シンガポールのバイオテクノロジー企業ヒルマン・ラボラトリーズと、再生医療CDMO事業で提携すると発表した。顧客を紹介し合うことで相互に市場機会を提供するとともに、ヒルマンがシンガポールで計画している細胞加工センターの構築を帝人が支援。両社は今回の提携をもとに、アジア太平洋地域で有用な開発製造支援サービスを提供するため協力体制を構築する。

 

中外、CVCが初の投資

中外製薬のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)中外ベンチャーファンド(米国)は10月30日、初の投資契約を結んだと発表した。投資先は、中枢神経系疾患に対する精密医薬品の開発に取り組むバイオテクノロジー企業Leal Therapeutics。中外ベンチャーファンドは米ボストンに昨年設立。新薬創出につながる創薬ターゲット、創薬技術、デジタル技術などに総額2億ドルを投資する。

 

決算

武田薬品工業(24年4~9月期、10月31日発表)

▽売上収益2兆3840億2800万円(前年同期比13.4%増)▽営業利益3505億7600万円(194.0%増)▽税引き前利益2559億7600万円(555.5%増)▽当期利益1872億9400万円(352.8%増)――。主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンタイビオ」が売上収益4732億円(20.8%増)と好調で、血漿分画製剤も24.5%増の5357億円と伸びた。円安の影響も受けた。25年3月期は売上収益4兆4800億円(5.1%増)、営業利益2650億円(23.8%増)を予想。ADHD治療薬「VYVANSE」の後発医薬品の市場浸透が想定よりも緩やかで、その他の製品も好調に推移していることから売上収益を従来から1300億円、営業利益を400億円引き上げた。

 

第一三共(24年4~9月期、10月31日発表)

▽売上収益8827億2700万円(前年同期比21.5%増)▽営業利益1869億円(96.6%増)▽税引き前利益1925億8600万円(88.6%増)▽中間利益1466億7500万円(51.2%増)――。抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」は関連するマイルストン収入などを含めて2717億円(48.4%増)の売り上げを計上。抗凝固薬エドキサバンも26.5%増の1741億円と好調だった。25年3月期は売上収益1兆8300億円(14.3%増)、営業利益2800億円(32.3%増)に上方修正。リクシアナやエンハーツの好調な推移と円安を踏まえ、売上収益で800億円、営業利益で500億円、従来予想を上回る。

 

小野薬品工業(24年4~9月期、10月31日発表)

▽売上収益2403億3900万円(前年同期比7.1%減)▽営業利益558億8100万円(42.4%減)▽税引き前利益546億3700万円(45.0%減)▽中間利益416億4100万円(44.1%減)――。SGLT-2阻害薬「フォシーガ」の売上収益が21.7%増と好調だったものの、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」が薬価改定の影響で16.5%の売り上げ減。米デシフェラ・ファーマシューティカルズ買収で研究開発費などが膨らんだ。25年3月期の業績予想は、売上収益4850億円(従来予想比350億円増)、営業利益820億円(400億円減)に修正。デシフェラ買収で獲得した抗がん剤の売り上げを織り込む一方、買収に伴う費用増などが利益を押し下げる。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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