協和キリン、米国にバイオ医薬品工場/田辺三菱のパーキンソン病薬、FDAが承認見送り など|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年6月11日)
更新日
AnswersNews編集部
協和キリン、米国にバイオ医薬品工場…投資額最大833億円
協和キリンは6月10日、米ノースカロライナ州サンフォードにバイオ医薬品工場を建設すると発表した。投資額は最大5億3000万ドル(約833億円)。延床面積1万5951平方メートルの建屋にバイオリアクター2基を備える。今年第3四半期(7~9月)に着工し、2027年の完成を予定。新工場では治験薬の製造も行い、バイオ医薬品の開発を加速させる。
田辺三菱、パーキンソン病薬「ND0612」米FDAが承認見送り
田辺三菱製薬は6月11日、子会社ニューロダーム(イスラエル)が開発しているパーキンソン病治療薬「ND0612」(レボドパ/カルビドパ持続皮下注製剤)について、米国での承認が見送られたと発表した。FDA(食品医薬品局)から審査完了報告通知を受領した。田辺三菱は「通知の内容を精査しており、FDAと連携しながら次のステップを決める」としている。ND0612は、レボドパとカルビドパを液剤化し、注入ポンプを使って24時間持続皮下投与する薬剤。
マルホ「ミチーガ」30mg製剤発売…小児のアトピー性皮膚炎など対象
マルホは6月11日、抗IL-31受容体A抗体「ミチーガ皮下注」(一般名・ネモリズマブ)の30mgバイアル製剤を発売したと発表した。適応は、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(6歳以上13歳未満の小児)と結節性痒疹(成人および13歳以上の小児)。従来の60mgシリンジ製剤は13歳以上のアトピー性皮膚炎に伴うそう痒が対象だった。薬価は30mg1瓶6万7112円で、ピーク時に44億円の販売を見込む。
中外 電カルデータのEDC連携、共同研究で成果
中外製薬は6月11日、国立がん研究センター東病院、NTTデータと、電子カルテに記載された臨床データのEDCへの連携に関する共同研究を行い、成果を得たと発表した。研究では、NTTデータの治験総合プラットフォーム「PhambieLINQ」を利用し、がん研東病院の電子カルテから有害事象や併用薬を含む臨床データを中外のEDCに連携できることを確認。医療機関では電子カルテからEDCへの転記作業時間や製薬企業からの問い合わせが減少し、製薬企業側でもSDV作業時間が削減できた。3者は今後、実試験でのデータ連携を目指す。
大日本印刷、iPS細胞由来心筋細胞で韓国企業と技術提携…創薬支援に活用
大日本印刷は6月11日、韓国のバイオ企業ネクセルとヒトiPS細胞由来の心筋細胞の培養で技術提携すると発表した。新薬の研究開発に使用される細胞の大量製造法を確立し、ヒトの臓器をチップ上に模擬的に再現した生体模倣システムの開発を目指す。大日本印刷は国立成育医療研究センターとヒトのES細胞やiPS細胞から「ミニ腸」を試験管内で生成することに世界で初めて成功し、現在、試験販売を行っている。