チルゼパチド、肥満症でも販売提携…リリーと田辺三菱/中外、がん治療薬P1試験でDCT など|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年5月8日)
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AnswersNews編集部
チルゼパチド、肥満症でも販売提携…リリーと田辺三菱
日本イーライリリーは5月8日、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドについて、肥満症の適応でも田辺三菱製薬と販売提携すると発表した。同じ成分の2型糖尿病治療薬「マンジャロ」と同様に、リリーが承認を取得したあと、田辺三菱が流通・販売を担当。情報提供活動は両社共同で行う。リリーは同日、すでに肥満症を対象にチルゼパチドを日本で申請したことも明らかにした。肥満症治療薬としては昨年11月に米国で承認され、「ゼップバウンド」の製品名で販売されている。
中外 がん治療薬P1試験でDCT
中外製薬、国立がん研究センター中央病院、大阪医科薬科大病院、MICIN(東京都千代田区)は5月8日、中外が行うがん治療薬の臨床第1相(P1)試験で分散型臨床試験(DCT)を開始したと発表した。国がん中央病院を治験実施医療機関、大阪医科薬科大病院をサテライト医療機関とし、患者はサテライト医療機関からオンライン診療を使って治験に参加する。オンライン診療には、MICINのDCTプラットフォームを使っており、eConsentを活用した遠隔再同意も行う予定。
第一三共、Fitbitで乳がん患者の身体活動量評価…臨床試験を開始
第一三共は5月8日、米グーグルのウェアラブルデバイス「Fitbit」を使い、術前化学療法を受ける早期乳がん患者の身体活動量を評価する臨床研究を日本で始めたと発表した。患者情報を記録するスマートフォンアプリを組み合わせ、化学療法に伴う身体活動量の変化を明らかにし、身体活動量の変化と健康状態の変化の関連性を評価する。10施設で100人の患者を登録する予定。研究で取得したデータは、異業種と連携して構築を進める「トータルケアエコシステム」で利活用できるようにし、診断技術やサービスの開発につなげる。
オルガノン、片頭痛薬「マクサルト」を承継
オルガノンは5月8日、片頭痛治療薬「マクサルト錠/同RPD(口腔内崩壊)錠」(一般名・リザトリプタン安息香酸塩)を承継すると発表した。同薬は米メルクが開発し、日本では2003年の発売以来、杏林製薬が製造販売元、エーザイが販売元として販売・プロモーションを行ってきた。オルガノンは7月16日付で製造販売元、販売元を引き継ぐ。
日本リリー、23年は10%増収
日本イーライリリーは5月8日、2023年度の売上高が前年比10%増の2232億円となったと発表した。SGLT2阻害薬「ジャディアンス」や抗がん剤「ベージニオ」などが伸び、新製品・成長製品が23%増収。売上高全体に占める新製品・成長製品の割合は85%(前年は76%)に達した。昨年4月に発売した糖尿病治療薬「マンジャロ」の売上高は薬価ベースで54億8400万円だった。