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武田薬品 血液疾患の3新薬が承認/アステラス、ゾルベツキシマブが世界初承認 など|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年3月26日)

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AnswersNews編集部

 

武田薬品「アジンマ」など血液疾患3新薬が承認

武田薬品工業は3月26日、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)治療薬「アジンマ静注用」(一般名・アパダムターゼ アルファ/シナキサダムターゼ アルファ)など3つの新薬が承認されたと発表した。いずれも稀な血液疾患を対象とした薬剤で、ほかに承認されたのは、乾燥濃縮人プロテインC製剤「セプーロチン静注用」とブタ血液凝固第VIII因子製剤「オビザー静注用」(スソクトコグ アルファ)。セプーロチンは「先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制」、オビザーは「後天性血友病A患者における出血抑制」を適応としている。アジンマはヒトADAMTS13製剤。cTTPは、遺伝子異常によってADAMTS13活性が著しく減少し、全身の微小血管に異常な血栓が生じる疾患。アジンマはADAMTS13を補充する初の治療薬となる。

 

アステラス、抗CLDN18.2抗体「ビロイ」が世界初承認

アステラス製薬は3月26日、抗CLDN18.2抗体「ビロイ点滴静注用」(ゾルベツキシマブ)の承認を取得したと発表した。適応は「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」。抗CLDN18.2抗体の承認は世界初となる。承認の根拠となった2つの臨床第3相(P3)試験では、ビロイと化学療法を併用した群は、プラセボと化学療法の併用群と比較して主要評価項目の無増悪生存期間を有意に延長。全生存期間も有意に延長した。アステラスは欧米などでも申請しているが、米国では今年1月、製造委託先の問題で承認が先送りとなった。

 

ファイザー、多発性骨髄腫薬「エルレフィオ」など3新薬・2適応拡大の承認取得

ファイザーは3月26日、多発性骨髄腫治療薬の抗BCMA/CD3二重特異性抗体「エルレフィオ皮下注」(エルラナタマブ)など5つの承認(適応拡大を含む)を取得したと発表した。ほかに承認されたのは、▽ダニ媒介性脳炎ワクチン「タイコバック水性懸濁筋注/同小児用水性懸濁筋注」▽20価肺炎球菌ワクチン「プレベナー20水性懸濁注」▽RSウイルスワクチン「アブリスボ筋注用」の60歳以上の適応追加▽急性リンパ性白血病治療薬「べスポンサ点滴静注用」(イノツズマブ オゾガマイシン)の小児適応の追加――。エルレフィオは多発性骨髄腫治療薬としては初の二重特異性抗体。タイコバックは国内初のダニ媒介性脳炎ワクチンとなる。プレベナー20は小児が対象で、高齢者やハイリスク者への対象拡大も申請中。

 

中外、PNH治療薬「ピアスカイ」承認

中外製薬は3月26日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬「ピアスカイ注」(クロバリマブ)の承認を取得したと発表した。同薬は自社創製の抗補体(C5)抗体。抗原に繰り返し結合できるリサイクリング抗体技術を適用しており、維持期には4週ごとの投与を実現した。同薬は今年2月に中国で世界初の承認を取得。米国や欧州でも申請中。

 

ヴィアトリス、初の新薬「シスタドロップス点眼液」が承認

ヴィアトリス製薬は3月26日、シスチン症治療薬「シスタドロップス点眼液」(システアミン塩酸塩点眼液)の承認を取得したと発表した。適応は「シスチン症における角膜シスチン結晶の減少」。2020年の設立後、ヴィアトリスが先発医薬品の承認を取得するのは初めて。シスチン症は稀な常染色体劣性遺伝形式の先天代謝異常症で、全身の組織にシスチンが蓄積することで細胞傷害が生じる。シスチン症における角膜シスチン結晶の減少の適応を持つ薬剤は国内初。

 

Meiji、GVHD治療薬「レズロック」の承認取得

MeijiSeikaファルマは3月26日、慢性移植片対宿主病(GVHD)治療薬「レズロック錠」(ベルモスジルメシル酸塩)の承認を取得したと発表した。同薬はROCK2阻害薬で、炎症と線維化を抑制することで効果を示す。米国では2021年から販売されており、日本とアジア12カ国ではMeijiと仏サノフィ傘下のカドモン・コーポレーションが出資するロメック・ファーマが開発・販売の権利を持っている。

 

マルホ「ミチーガ」アトピー性皮膚炎の小児適応など承認

マルホは3月26日、抗IL-31受容体A抗体「ミチーガ皮下注」(ネモリズマブ)について、小児のアトピー性皮膚炎に伴うそう痒と結節性痒疹を適応とする30mgバイアル製剤の承認を取得したと発表した。アトピー性皮膚炎の小児適応は6歳以上13歳未満が対象。結節性痒疹は成人と13歳以上の小児が対象となる。同薬は中外製薬からの導入品。2022年8月に60mgシリンジ製剤を成人と13歳以上の小児に対するアトピー性皮膚炎治療薬として発売した。

 

リリー「オルミエント」アトピー性皮膚炎の小児適応など承認

日本イーライリリーは3月26日、JAK阻害薬「オルミエント錠」(バリシチニブ)について、アトピー性皮膚炎の小児適応と、若年性特発性関節炎への適応拡大の承認を取得したと発表した。アトピー性皮膚炎の適応は2020年12月に取得していたが、今回の小児適応の追加により2歳以上の患者に使用できるようになる。同日付で小児用の1mg錠も承認された。

 

アストラゼネカ「シナジス」「ファセンラ」の適応拡大が承認

アストラゼネカは3月26日、抗RSウイルス抗体「シナジス」(パリビズマブ)について、重症化リスクの高い疾患を持つ乳幼児への投与対象の拡大が承認されたと発表した。肺低形成、気道狭窄、先天性食道閉鎖症、先天代謝異常症、神経筋疾患を持つ乳幼児が新たに投与対象に加わる。同日付では、抗IL-5受容体α抗体「ファセンラ」(ベンラリズマブ)も6歳以上の小児の難治の気管支喘息への適応拡大も承認された。

 

参天「アレジオン眼瞼クリーム」が承認

参天製薬は3月26日、アレルギー性結膜炎治療薬「アレジオン眼瞼クリーム」(エピナスチン塩酸塩)の承認を取得したと発表した。眼周囲に塗布するクリーム剤で、アレルギー性結膜炎治療薬としては世界初の剤形となる。点眼薬の場合、1日2回または4回の投与が必要だが、同薬は1日1回、眼瞼皮膚に塗布することで効果が持続する。

 

ノバルティス「エンレスト」の小児用製剤が承認

ノバルティスファーマは3月26日、心不全治療薬「エンレスト」(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)の小児用製剤となる粒状錠の承認を取得したと発表した。既存の錠剤は今年2月に小児慢性心不全の適応を取得したが、体重あたりの用量で投与する場合、錠剤を粉砕懸濁するケースがあった。粒状錠は12.5mgと31.25mgの2用量を用意し、これらを組み合わせることでさまざまな体重に対応できるようになる。

 

あすか製薬「リフキシマ」小児適応が承認

あすか製薬は3月26日、難吸収性リファマイシン系抗菌薬「リフキシマ錠」(リファキシミン)の小児適応が承認されたと発表した。同薬は2016年に「肝性脳症における高アンモニア血症の改善」の適応で承認を取得。小児への適応拡大をめぐっては、日本小児栄養消化器肝臓学会が厚生労働省に承認を求める要望書を提出していた。

 

サンバイオ、継続審議のSB623「追加データを提出」

サンバイオは3月26日、前日の厚生労働省薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会で継続審議とされた再生医療等製品「SB623」(予定製品名・アクーゴ脳内移植用注)について、「今後、当局と協議し、品質に関する追加のデータ等を提出する」と発表した。部会では「現時点で得られたデータでは治験製品との同等性/同質性は判断できない」とし、サンバイオから追加データが提出されれば、PMDA(医薬品医療機器総合機構)での審査を経て、あらためて承認の可否を審議することとされた。サンバイオは「目標としていた3月承認が達成できなかったことを残念に思う。臨床現場に提供する意義は評価されたため、承認取得に向けては品質に関する論点に絞られたと認識している」とコメントした。

 

ニプロ、月額10%超の賃上げ

ニプロは3月25日、管理職を含めた従業員の月給を平均約3万円引き上げると発表した。10%超の賃上げとなる。定期給与改定に加えて物価高騰に対する賃金の改善を行うとともに、業績連動型賞与制度を変更して賞与の一部を月給に組み換える。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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