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24年度改定、薬価0.97%引き下げ…長期収載品、自己負担は差額の4分の1|製薬業界きょうのニュースまとめ(2023年12月20日)

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24年度薬価改定、0.97%引き下げ…長期収載品自己負担は差額の「4分の1」

政府は12月20日、2024年度薬価改定の改定率を医療費ベースでマイナス0.97%とすることを決めた。1200億円程度の国費削減となる。今年度の薬価調査で平均乖離率が6.0%と過去30年で最小となったことに加え、イノベーション評価の充実や不採算品再算定の特例適用(対象は約2000品目)によって2年前の改定率(マイナス1.35%)を大きく下回った。長期収載品の保険給付見直しでは、来年10月から長期収載品を選定療養に位置付けた上で、最も高い後発医薬品との差額の4分の1を自己負担とする。対象は、後発品発売後5年以上経過または後発品への置き換え率が50%以上となった長期収載品。

 

中医協、薬価制度改革の骨子決定…ラグ/ロス解消へイノベーション評価に重点

中央社会保険医療協議会(中医協)は12月20日、2024年度薬価制度改革の骨子を決定した。「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消」と「安定供給の確保」が大きなテーマで、▽革新的新薬を欧米に遅れることなく日本に迅速に導入したことを評価する「迅速導入加算」の新設▽新薬創出・適応外薬解消等促進加算の見直し(企業指標に基づく加算額調整の廃止など)▽有用性系加算の評価項目拡充――などイノベーション評価に重点を置いた。安定供給の確保に向けては、後発医薬品メーカーの安定供給体制を評価し、その結果を薬価に反映する仕組みを試行的に導入。基礎的医薬品の適用要件を緩和するとともに、不採算品再算定を企業が希望する品目に特例的に適用し、薬価を下支えする。

 

「新薬の早期導入に大きな意義」薬価制度改革で日薬連

日本製薬団体連合会は12月20日、同日の中医協で決まった薬価制度改革の骨子について「今後の日本への革新的新薬の早期導入において極めて大きな意義を持つ」とする岡田安史会長名のコメントを発表した。骨子に盛り込まれた迅速導入加算の導入や新薬創出加算の企業指標の廃止といった見直しは「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消に資するもの」と指摘。後発医薬品の企業指標導入については「産業構造上の課題や安定供給不安の抜本的解決に向けた大きな一歩」とした。日本製薬工業協会と米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会も同日、共同声明を発表し、「ラグ/ロス解消の重要な一歩を踏み出した。イノベーション重視の国に変貌を遂げる始まり」と評価した。

 

塩野義、抗菌薬「フェトロージャ」発売

塩野義製薬は12月20日、新規シデロフォアセファロスポリン系抗生物質製剤「フェトロージャ点滴静注用」(一般名・セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物)を発売したと発表した。自社創製のグラム陰性菌感染症治療薬。薬価は1バイアル2万203円で、ピーク時に15億円の販売を見込む。適正使用を推進するため、同薬への感受性を測定するための検査用試薬も22日から販売する。

 

JCR、アレクシオンと核酸医薬の共同研究…武田との遺伝子治療開発は終了

JCRファーマは12月20日、米アレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズと、血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を使った核酸医薬の創出に向けた共同研究、選択権、ライセンス契約を結んだと発表した。アレクシオンは希少疾病に対する標的を3つまで選択でき、前臨床開発後、候補物質を開発・商業化するオプション権を保有する。JCRファーマはアレクシオンから一時金を受け取るほか、マイルストンとロイヤリティを受領する権利を有する。一方、2022年3月のライセンス契約に基づいて行っていた武田薬品工業との遺伝子治療薬の共同研究開発は終了。武田の研究開発戦略の変更によるもので、関連する成果や特許はJCRに移管された。同社は他社との提携も視野に研究開発を続ける。

 

丸石製薬、米アレイから術後疼痛治療薬を導入

丸石製薬は12月19日、米アレイ・セラピューティクスから同社が開発中の術後疼痛治療薬「ATX101」と後続プログラムを導入するライセンス契約を結んだと発表した。丸石は日本での開発・販売に関する独占的ライセンスを取得し、契約一時金と開発・販売マイルストン、販売ロイヤリティを支払う。アレイの株式を引き受ける資本提携も行う。ATX101は、局所麻酔薬ブピバカイン塩酸塩水和物を有効成分とする留置型長期徐放性製剤。海外で行われた後期臨床第1相(P1b)/P2aオープンラベル試験では、術後2週間にわたって持続的に疼痛を緩和し、高い安全性を持つことが示唆されており、アレイはP2bのランダム化比較試験を行っている。

 

オンコリス テロメライシン、併用療法開発でメルクと連携

オンコリスバイオファーマは12月20日、腫瘍溶解性ウイルス製剤「テロメライシン」(開発番号・OBP-301)と免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(製品名・キイトルーダ)の併用療法の開発で米メルクと連携すると発表した。米コーネル大を含む3者で共同開発体制を構築し、来年から胃がん・胃食道接合部がんの2次治療を対象とした医師主導P2試験を実施。オンコリスとメルクが薬剤を提供し、治験費用を両社で折半する。

 

小野薬品、認知症の標的分子同定で英機関と共同研究

小野薬品工業は12月20日、英国の国立研究機関UK Dementia Research Institute(UK DRI)と、認知症領域で新規治療標的分子の同定を目的とする共同研究契約を結んだと発表した。UK DRIの研究者から研究テーマを募集し、採択されたテーマについて共同研究を実施。同定された新規治療標的分子に対して小野薬品が化合物を創製し、認知症治療薬を開発、商業化につなげる。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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