中外、米ボストンエリアにCVC…年内に設立へ
中外製薬は6月27日、2023年中にコーポレートベンチャーキャピタルを米ボストンエリアに設立すると発表した。創薬標的、創薬技術、デジタル技術など、創薬基盤の拡充につながる技術を持つスタートアップを対象に、総額2億ドルの枠内で投資を行う。日米欧の優秀な起業家や高いポテンシャルを持つ技術へのアクセスを強化することで、イノベーション機会の加速を狙う。
メルクバイオとファイザー「バベンチオ」のコ・プロを今月で終了
メルクバイオファーマとファイザーは6月27日、抗PD-L1抗体「バベンチオ点滴静注」(一般名・アベルマブ)のグローバル戦略提携終了に伴い、同薬のコ・プロモーションを今月末で終了すると発表した。両社は2014年にグローバルで共同開発・製品化に関する戦略的提携を結び、日本では17年の発売時から共同で適正使用推進活動を行ってきた。7月1日以降は製造販売元のメルクバイオが単独で製造・流通・販売を担い、情報提供・収集活動を行う。
Meiji ROCK2阻害薬ベルモスジル、慢性GVHDの適応で申請
MeijiSeikaファルマは6月27日、ROCK2阻害薬「ME3208」(ベルモスジルメシル酸塩)を国内で申請したと発表した。適応は「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」。申請は、国内の慢性移植片対宿主病(GVHD)患者を対象に行った臨床第3相(P3)試験の結果に基づく。ME3208は、免疫細胞の分化と組織の線維化に関与するリン酸化酵素ROCK2を選択的に阻害する世界初の薬剤で、免疫調整作用と抗線維化作用を持つ。米国では開発元の米カドモン・コーポレーション(仏サノフィが買収)が「Rezurock」の製品名で21年に発売した。日本とアジア12カ国では、Meijiとカドモンの合弁会社が開発・販売権を持っており、韓国でも今年3月に申請した。
「フィンテプラ」レノックス・ガストー症候群への適応拡大申請
日本新薬は6月27日、抗てんかん薬「フィンテプラ」(フェンフルラミン塩酸塩)について、製造販売元のユーシービージャパンがレノックス・ガストー症候群への適応追加を申請したと発表した。同薬はドラベ症候群治療薬として昨年11月に発売。日本新薬はユーシービーと国内で独占販売契約を結んでおり、情報提供活動と販売を担当している。レノックス・ガストー症候群は難治性てんかんで、日本には約4300人の患者がいると推定される。
サワイ米子会社、片頭痛治療薬2製品を米社に売却
サワイグループホールディングス(HD)は6月27日、米子会社アップシャー・スミス・ラボラトリーズが米国で販売する片頭痛急性期治療薬2製品を、米製薬会社トニックス・ファーマシューティカルズの子会社に売却すると発表した。売却するのは点鼻薬の「Tosymra」と注射薬の「Zembrace SymTouch」。サワイは譲渡完了時に一時金1200万ドルと在庫譲渡の対価約1000万ドルを受け取るとともに、2024年3月または製品移管終了時のいずれか早い時点で300万ドルを受領する。譲渡完了は今年6月30日の予定。
大塚「レキサルティ」ADアジテーション、今年後半に国内申請へ
大塚HDは6月27日、子会社・大塚製薬の抗精神病薬「レキサルティ」(ブレクスピプラゾール)について、「アルツハイマー型認知症(AD)に伴う行動障害(アジテーション)」を対象に行った国内P3試験で主要評価項目を達成したと発表した。今年後半に日本で適応拡大の申請を行う予定。同適応では今年5月に米国で承認を取得した。
再生医療ベンチャー・クオリプス、東証グロースに上場
再生医療ベンチャーのクオリプスは6月27日、東証グロース市場に上場した。初値は公開価格を約7%上回る1680円をつけたが、その後値を下げ、1312円でこの日の取引を終えた。同社は、大阪大とともにヒトiPS細胞由来の心筋細胞シートの開発を進めているほか、商業用細胞培養加工施設を活用したCDMO事業を行っている。上場に伴って開示した2024年3月期の業績予想は、売上高2億1500万円(前期比461.7%増)、営業利益12億1000万円の赤字(前期は4億5000万円の赤字)。
そーせいG 提携先のファイザーがGLP-1受容体作動薬lotiglipronの開発を中止
そーせいグループは6月27日、提携先の米ファイザーが糖尿病・肥満症を対象にP2試験を行っていたGLP-1受容体作動薬lotiglipronについて、同社が開発中止を決めたと発表した。同じくP2段階にある同作用機序のdanuglipronの開発を優先するため。lotiglipronはそーせいGの独自技術を活用した研究開発提携でファイザーが見出した化合物。そーせいGは、ファイザーと今後の開発の可能性を含めた検討を行うとしている。
日本セルヴィエ、急性リンパ性白血病治療薬「オンキャスパー」が承認
日本セルヴィエは6月26日、抗がん剤「オンキャスパー点滴静注用」(ペグアスパルガーゼ)の承認を取得したと発表した。適応は「急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫」。同薬は大腸菌由来L-アスパラギナーゼをペグ化し、半減期を延長した酵素製剤。世界70カ国で承認されており、多くの国で急性リンパ性白血病の標準治療として使用されている。国内では、従来のアスパラギナーゼ製剤に過敏症を示す患者の救済などを目的に、厚生労働省の「未承認薬・適応外薬検討会議」から開発要請が行われた。
ユーシービー「イーケプラ」生後1カ月~4歳未満の適応追加
ユーシービージャパンは6月26日、抗てんかん薬「イーケプラ」(レベチラセタム)について、生後1カ月から4歳未満の小児の適応の追加が承認されたと発表した。対象はドライシロップ製剤と点滴静注製剤。てんかんの発症年齢は3歳以下が最も多いものの、これまで部分発作を有する2歳未満の小児に使用できる抗てんかん薬はなかった。
ノボの週1回投与成長ホルモン製剤「ソグルーヤ」、小児の低身長症に適応拡大
ノボノルディスクファーマは6月26日、長時間作用型ヒト成長ホルモン製剤「ソグルーヤ皮下注」(ソマプシタン)について、「骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症」への適応追加が承認されたと発表した。従来の1日1回投与製剤に比べ注射回数を大幅に減少できるため、アドヒアランス向上につながると期待される。成人の成長ホルモン分泌不全症の適応では21年1月に承認された。
JCRファーマ「グロウジェクト」SHOX異常症による低身長に適応拡大
JCRファーマは6月26日、ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト皮下注」(ソマトロピン)について、「骨端線閉鎖を伴わないSHOX異常症における低身長」への適応拡大が承認されたと発表した。SHOX異常症は、性染色体上に存在する成長遺伝子SHOXの機能損失で起こる遺伝性疾患。同疾患による低身長の治療薬は国内初となる。
興和、高脂血症治療薬「パルモディア」徐放性製剤が承認
興和は6月26日、高脂血症治療薬「パルモディア錠」(ペマフィブラート)について、徐放性製剤「同XR錠」の承認を取得したと発表した。従来製剤は1日2回投与だが、徐放性製剤は1日1回投与のため、服薬アドヒアランスの向上が期待できる。同薬は興和が創製した選択的PPARαモジュレーター。従来製剤は2018年に発売された。
SCARDAとCEPIがワクチン開発支援で連携強化
日本医療研究開発機構(AMED)の先進的研究開発戦略センター(SCARDA)は6月26日、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と、次のパンデミックへの準備と対応を加速するため、連携を強化するための覚書を結んだと発表した。両者はともにワクチン開発への資金提供を行っているが、開発の対象となる病原体や開発分野の関心事項を共有し、それぞれの開発支援の選択と集中を進める。