製薬業界 きょうのニュースまとめ読み（2023年3月20日）

アンジェス、NF-κBデコイオリゴDNAの開発に塩野義が協力…P2試験費用の一部を負担

アンジェスは3月20日、慢性椎間板性腰痛を対象としたNF-κBデコイオリゴDNAの国内臨床第2相（P2）試験に塩野義製薬が協力すると発表した。塩野義が臨床試験費用の一部（金額は未確定）を負担し、P2試験の結果をもとにP3試験の実施について両社で協議する。NF-κBは、活性酸素などによる酸化ストレスなどの刺激が外部から与えられた時、細胞が炎症反応や免疫反応を引き起こすため活性化する主要な転写因子。NF-κBデコイオリゴDNAは、NF-κB転写因子に結合して炎症性サイトカインの放出を抑制し、鎮痛効果を発揮すると期待される。アンジェスは米国で行った後期P1試験の結果をもとに国内P2試験の実施を決めた。

ソレイジア「ダルビアス」欧州などで供給…NPP制度通じ

ソレイジア・ファーマは3月20日、抗がん剤「ダルビアス点滴静注用」（一般名・ダリナパルシン）について、欧州を中心とした地域でNPP（Named Patient Program）制度を通じた製品供給を開始したと発表した。NPP制度は、未承認の国・地域で薬剤の使用を求める医師に対し、必要な手続きを行った上で製造販売業者が個別に提供する制度。ソレイジアは、NPPサービスを手掛ける米WEP Clinicalと提携して供給を行う。ダルビアスは、ミトコンドリアの機能障害や細胞内活性酸素種の産生促進などを引き起こすことで細胞死や細胞周期停止を誘導し、がんの増殖を抑える新規の作用機序を持つ薬剤。再発・難治性の末梢性T細胞リンパ腫を対象に日本で昨年8月に発売された。

田辺三菱「カナグル」OD錠を申請

田辺三菱製薬は3月20日、自社創製のSGLT2阻害薬「カナグル錠」（カナグリフロジン水和物）について、口腔内崩壊錠（OD錠）の剤形追加を申請したと発表した。カナグルは2014年に2型糖尿病治療薬として発売され、22年には2型糖尿病を合併する慢性腎臓病に適応拡大。OD錠の追加により利便性向上と服薬継続を期待する。

久光、湘南アイパークに研究拠点新設

久光製薬は3月20日、湘南ヘルスイノベーションパーク（神奈川県藤沢市）に新たな研究拠点を設置したと発表した。湘南アイパーク入居者とのネットワークを構築し、コア技術のTDDS（経皮薬物送達システム）技術を生かした協業機会を模索する。