第一三共の新型コロナワクチン、追加接種で最終治験開始
第一三共は5月26日、開発中の新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン「DS-5670」について、追加接種の効果と安全性を評価する実薬対照の臨床試験を開始したと発表した。追加接種では今年1月から臨床第1/2/3相(P1/2/3)試験を行っており、その中で健康成人と高齢者約500人を対象に実施した用量確認試験で良好な結果を得た。実薬対照の臨床試験は、健康成人と高齢者約4500人を対象に行い、既承認のmRNAワクチンとの非劣性を検討する。昨年11月から行っているワクチン未接種者を対象としたP2試験でも良好な結果を得ており、今年度上半期中のP3試験開始に向けて準備を進める。
ノボ「オゼンピック皮下注」複数回投与製剤を発売
ノボノルディスクファーマは5月25日、週1回投与のGLP-1受容体作動薬「オゼンピック皮下注2mg」(一般名・セマグルチド)を発売したと発表した。用量調節が可能な複数回投与のペン型注入器製剤。2018年に承認を取得したが、新薬の14日間処方制限ルールに抵触するため、発売を先送りしていた。2mg製剤に先駆けて20年6月から販売している単回投与製剤は、提携先のGMPの問題で今年3月から出荷を停止している。2mg製剤の発売により、代替薬に切り替えていた患者もオゼンピックによる治療を再開できるようになる。
ステラファーマ「ステボロニン」先駆け指定の悪性神経膠腫、開発計画見直し
ステラファーマは5月26日、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に使用するホウ素薬剤「ステボロニン」(ボロファラン〈10B〉)について、先駆け審査指定制度の対象に指定されている再発悪性神経膠腫への適応拡大に向けた開発計画を見直すと発表した。終了したP2試験では、主要評価項目(1年後の生存割合)を達成したが、主要評価項目が背景因子の影響を受ける可能性があることや、症例数の少ない単群試験だったことから、P2試験の結果だけでは申請が難しいと判断した。PMDA(医薬品医療機器総合機構)とも協議し、新たな試験の実施を視野に検討を進める。
「テセントリク」非小細胞肺がん術後補助療法に適応拡大
中外製薬は5月26日、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体「テセントリク点滴静注」(アテゾリズマブ)について、「PD-L1陽性の非小細胞肺がんの術後補助療法」への適応拡大が承認されたと発表した。同適応に対するがん免疫療法は国内初。コンパニオン診断として、ロシュ・ダイアグノスティックスの病理検査用キット「ベンタナ OptiView PD-L1」も23日付で承認を取得した。
「オプジーボ」食道がんに対する併用療法が承認
小野薬品工業は5月26日、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体「オプジーボ点滴静注」(ニボルマブ)について、切除不能な進行・再発の食道がんに対するほかの抗がん剤との併用療法が承認されたと発表した。承認されたのは、抗CTLA-4抗体「ヤーボイ点滴静注液」(イピリムマブ)との併用療法と、化学療法との併用療法。治療歴のない患者を対象に併用療法と化学療法を比較したP3試験で全生存期間を有意に延長した。食道がんに対してはすでに、単剤療法と単剤での術後補助療法が承認されていた。
「リンヴォック」強直性脊椎炎に適応拡大
アッヴィは5月26日、JAK阻害薬「リンヴォック錠」(ウパダシチニブ水和物)について、強直性脊椎炎への適応拡大が承認されたと発表した。既存治療で効果不十分な患者が対象。リンヴォックとしては4つ目の適応となる。国内では、潰瘍性大腸炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎でも申請中。
「アドセトリス」小児のホジキンリンパ腫1次治療に適応拡大、AVD併用療法で
武田薬品工業は5月26日、血液がん治療薬「アドセトリス点滴静注用」(ブレンツキシマブ ベドチン)について、小児のCD30陽性ホジキンリンパ腫の1次治療に適応拡大したと発表した。AVD(ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)と併用する。承認は、未治療の進行期古典的ホジキンリンパ腫の小児患者を対象に行った国際共同P1/2試験の結果に基づく。成人では2018年に承認を取得している。
マルホ「ロゼックスゲル」酒さへの適応拡大が承認
マルホは5月26日、「ロゼックスゲル」(メトロニダゾール)が酒さに適応拡大したと発表した。抗炎症作用や免疫抑制作用を持つ同薬は、世界各国で酒さの標準治療薬として使用されており、厚生労働省からの開発要請を受けて開発した。同薬は国内で2014年に「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」の適応で承認。マルホは18年にガルデルマから製造販売承認を承継した。
キッズウェルとカイオム、がん領域の抗体医薬開発で共同研究
キッズウェル・バイオは5月26日、カイオム・バイオサイエンスとがん領域での抗体医薬品開発に関する共同研究契約を結んだと発表した。両社の経営資源やノウハウを組み合わせることで開発を加速させる。共同研究によって開発候補品のパイプライン化が見込めるようになった場合の協業スキームについては協議を続ける。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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