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ニュース解説

海外新薬承認情報(2022年3月分)

更新日

亀田真由

2022年3月に米FDA(食品医薬品局)が承認した主な新薬と適応拡大をまとめました。

 

【新薬】悪性黒色腫治療薬「Opdualag」や放射性医薬品「Pluvicto」など

【2022年3月に米FDAが承認した主な新薬】(*=優先審査、★=ブレークスルーセラピー)<製品名(一般名)/社名/適応>Adlarity(donepezil)/米Corium/アルツハイマー型認知症(経皮製剤)/Ztalmy(ganaxolone)*/米マリナス/CDKL5欠損症に伴う発作(2歳以上)/Opdualag(nivolumab/relatlimab)*/米ブリストル/切除不能または転移性悪性黒色腫/Hyftor(sirolimus)*/ノーベルファーマ/結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫(6歳以上の患者、ゲル製剤)/Xelstrym(dextroamphetamine)/米ノーベン/ADHD(6歳以上の患者、経皮製剤)/Pluvicto(177Lu/vipivotide/tetraxetan)*★/スイス・ノバルティス/PSMA陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がん|※米FDA(食品医薬品局)や各社の発表資料をもとに作成

 

「Adlarity」米Corium

「Adlarity」は、アルツハイマー型認知症治療薬donepezil(製品名・Aricept)の経皮吸収型製剤。週1回の投与で効果が見込めるのに加え、消化器系の副作用の可能性を低く抑えることにも成功しています。

 

「Ztalmy」米マリナス

神経活性ステロイドGABAA受容体ポジティブモジュレーター「Ztalmy」(一般名・ganaxolone)は、CDKL5欠損症に伴う発作の治療薬。経口懸濁液で、2歳以上の患者に使用します。CDKL5欠損症は、脳の発達に必要なCDKL5遺伝子が変異することで起こるまれな遺伝性疾患で、コントロールの難しい発作や重度の神経発達障害を伴うのが特徴。米国では初めての治療薬となります。欧州でも申請済みです。

 

「Opdualag」米ブリストル

「Opdualag」は、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体「Opdivo」(nivolumab)と抗LAG-3抗体relatlimabの固定用量配合剤。12歳以上の切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として承認されました。PD-1とLAG-3は腫瘍浸潤リンパ球上に同時に発現することが多く、これらを阻害することでT細胞の活性化を促します。臨床試験では、Opdivo単剤療法と比べて無増悪生存期間の中央値を2倍以上に延長。オーストラリアやブラジルでも申請中で、日本では臨床第1/2相(P1/2)試験が行われています。

 

「Hyftor」ノーベルファーマ

「Hyftor」は、mTOR阻害薬sirolimusの局所ゲル製剤。結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫の治療に使用されます。日本では2018年に「ラパリムスゲル」の製品名で承認されました。

 

「Xelstrym」米ノーベン

「Xelstrym」(dextroamphetamine)は1日1回投与の経皮吸収型のADHD治療薬。久光製薬の米子会社ノーベン・ファーマシューティカルが承認を取得しました。対象は6歳以上の患者で、効果が必要となるタイミングの2時間前に貼付し、その後9時間以内に剥がします。ノーベンは、早ければ今年後半には販売開始に向けた最終準備が整うとしています。

 

「Pluvicto」スイス・ノバルティス

「Pluvicto」(177Lu vipivotide tetraxetan)は、PSMA陽性の進行・転移性去勢抵抗性前立腺がん治療薬。PSMA陽性病変の同定に使用する画像診断用補完薬「Locametz」もあわせて承認されました。ノバルティスにとっては、膵消化管神経内分泌腫瘍治療薬「Lutathera」に続く放射性医薬品です。P3試験では、標準治療との併用で死亡リスクの減少が確認されています。欧州でも申請済み。現在は初期治療ラインを対象とした2つのP3試験を実施中で、日本ではP2試験段階にあります。

 

【適応拡大】「Opdivo」の非小細胞肺がん術前補助療法、「Rinvoq」の潰瘍性大腸炎など

【2022年3月に米FDAが承認した主な適応拡大】(*=優先審査)<製品名(一般名)/社名/適応>Opdivo(nivolumab)*/米ブリストル/切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法(+化学療法)/Lynparza(olaparib)/英アストラゼネカ/BRCA遺伝子変異陽性・HER2陰性の高リスク早期乳がん(術後補助療法)/Rinvoq(upadacitinib)/米アッヴィ/潰瘍性大腸炎(中等症から重症、TNF阻害薬に不耐容または抵抗性の患者)/Keytruda(pembrolizumab)/米メルク/全身療法後に進行した子宮内膜がん(MSI-HighまたはdMMR)/Fintepla(fenfluramine)/ベルギーUCB/レノックス・ガストー症候群(2歳以上)/Cabenuva/KIT(cabotegravir/rilpivirine)/英ヴィーブヘルスケア/HIV感染症(経口剤による導入治療のオプション化)/Triumeq(abacavir/dolutegravir/lamivudine)*/英ヴィーブヘルスケア/HIV感染症(体重10~40kgの小児)|※米FDA(食品医薬品局)や各社の発表資料をもとに作成

 

「Opdivo」米ブリストル

抗PD-1抗体「Opdivo」(nivolumab)は、プラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用で、切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法として承認されました。PD-L1の発現レベルにかかわらず使用できます。化学療法への上乗せ効果を検証した臨床試験では、無イベント生存期間と病理学的完全奏効を有意に改善。欧州でも今年3月に申請を済ませており、日本ではP3試験の段階にあります。

 

「Lynparza」英アストラゼネカ

PARP阻害薬「Lynparza」(olaparib)は、BRCA遺伝子変異陽性・HER2陰性の高リスク早期乳がんに対する術後薬物療法に適応拡大。術前または術後のいずれかに化学療法を受けた患者が対象です。承認の根拠となったP3試験では、プラセボと比べて浸潤性乳がんの再発、二次がんまたは死亡のリスクを42%低下させました。日本でも申請中です。

 

「Rinvoq」米アッヴィ

1日1回投与のJAK阻害薬「Rinvoq」(upadacitinib)は、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎に適応拡大しました。対象はTNF阻害薬に不耐容または効果不十分の患者。臨床試験では、プラセボと比べて多くの患者で臨床的寛解を達成しました。同薬としては4つ目の適応。欧州や日本でも潰瘍性大腸炎の適応で申請中です。

 

「Keytruda」米メルク

免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体「Keytruda」(pembrolizumab)は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)のある進行子宮内膜がんに対する単剤療法が新たに承認されました。全身療法後に進行し、手術や放射線治療を受けられない患者が対象です。臨床試験での全奏効率は46%でした。子宮内膜がんに対しては、MSI-HighやdMMRのない患者を対象に抗がん剤「レンビマ」との併用療法も承認されています。

 

「Fintepla」ベルギーUCB

「Fintepla」(fenfluramine)は、2歳以上のレノックス・ガストー症候群(LGS)の発作に適応拡大。LGSは難治性てんかん症候群で、小児期に発症します。同薬はUCBが22年3月に買収したゾジェニックスが開発。ドラベ症候群治療薬として20年に承認されています。日本ではドラベ症候群の適応で申請を行っており、LGSに対してもP3試験を実施中です。

 

「Cabenuva KIT」英ヴィーブヘルスケア

長時間作用型の抗HIV薬「Cabenuva KIT」(cabotegravir/rilpivirine)は、経口薬2剤による導入治療がオプション化され、注射投与から治療が開始できるようになりました。従来は英ヴィーブヘルスケアの経口cabotegravir(製品名・Vocabria)と米ヤンセンの経口rilpivirine(Edurant)による約1カ月の導入治療が必要でしたが、臨床試験により、導入療法を行わなくても有効性や安全性に変わりはないことが確認されました。

 

「Triumeq」英ヴィーブヘルスケア

抗HIV薬「Triumeq」(abacavir/dolutegravir/lamivudine)は、対象患者に体重10~40kgの小児を加えました。口腔内で懸濁し、体重10~25kgの患者に使用できる分散型錠剤が承認されたほか、従来の錠剤が体重25~40kgの患者に使用を拡大。小児から成人まで幅広い患者層にdolutegravirを含む単剤レジメンで治療できるようになります。

 

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