大日本住友 糖尿病治療薬「ツイミーグ」が承認
大日本住友製薬は6月23日、2型糖尿病治療薬「ツイミーグ錠」(一般名・イメグリミン塩酸塩)の承認を取得したと発表した。仏ポクセルからの導入品で、同薬の承認は世界初。ミトコンドリアへの作用を介してグルコース濃度依存的にインスリン分泌を促す作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する作用により、血糖降下作用を示すと考えられている。同社は「単剤および併用による血糖降下療法で、幅広く使用される治療薬となる可能性がある」としている。
中外、「エブリスディ」の承認取得…初の経口SMA治療薬
中外製薬は6月23日、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬「エブリスディドライシロップ」(リスジプラム)の承認を取得したと発表した。SMA治療薬としては初の経口薬。SMN2遺伝子のスプライシングを修飾することで、SMNタンパクの産生を増やし、運動機能を維持・改善する。
エーザイ、濾胞性リンパ腫治療薬「タズベリク」の承認取得
エーザイは6月23日、EZH2阻害薬「タズベリク錠」(タゼメトスタット臭化水素酸塩)が「再発・難治性のEZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫」の適応で承認されたと発表した。ヒストンメチル基転移酵素の1つで発がんプロセスに関与するEZH2を阻害することで、がん関連遺伝子の発現を制御し、がん細胞の増殖を抑制すると考えられている。EZH2遺伝子の機能獲得型変異は濾胞性リンパ腫患者の7~27%に見られると報告されており、同変異を持つ国内の患者数は600~2400人と推定される。米エピザイムとの契約に基づき、エーザイは日本での開発・商業化を担っている。EZH2遺伝子変異を検出するコンパニオン診断薬としては、ロシュ・ダイアグノスティックスの「コバスEZH2変異検出キット」が5月に承認されている。
大原薬品、神経膠腫治療薬「ユニツキシン」承認
大原薬品工業は6月23日、遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体「ユニツキシン点滴静注」(ジヌツキシマブ)の承認を取得したと発表した。適応は「大量化学療法後の神経膠腫」。国内で行われた2つの医師主導臨床試験で、フィルグラスチム、テセロイキンとの3剤併用療法の有効性・安全性が確認された。同薬は、米国などですでに高リスク神経膠腫の標準療法として使われている。
バイエル、心不全治療薬「ベリキューボ」が承認
バイエル薬品は6月23日、慢性心不全治療薬「ベリキューボ錠」(ベルイシグアト)の承認を取得したと発表した。同薬は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬で、心不全の適応で承認されたsGC刺激薬は初めて。sGCは一酸化窒素のシグナル伝達経路に重要な役割を果たしており、一酸化窒素と結合すると、血管緊張や心筋収縮、心臓リモデリングを制御する役割を担う環状グアノシン一リン酸(cGMP)を合成。ベリキューボは、sGCを刺激することで細胞内cGMPの産生レベルを高める。
武田、国内初の短腸症候群治療薬「レベスティブ」が承認
武田薬品工業は6月23日、国内初の短腸症候群治療薬「レベスティブ皮下注」(テデュグルチド)の承認を取得したと発表した。短腸症候群は、小腸の大量切除や先天性欠損によって起こる疾患。食事から十分な水分や栄養を吸収できないため、静脈栄養が必要になる。レベスティブは天然型ヒトGLP-2の遺伝子組換えアナログ。治療選択肢が極めて限られていることを踏まえ、同社は薬価収載までの間、倫理的観点から同薬の無償提供を行う。
急性肝性ポルフィリン症治療薬「ギブラーリ」承認…アルナイラムのRNAi治療薬
アルナイラム・ジャパンは6月23日、急性肝性ポルフィリン症に対するRNAi(RNA干渉)治療薬「ギブラーリ」(ギボシランナトリウム)の承認を取得したと発表した。急性肝性ポルフィリン症は遺伝性の稀な代謝性疾患で、腹痛、嘔吐、痙攣などの重い発作が特徴。発作中に麻痺や呼吸停止を起こしたり、長期罹患に伴って肝細胞がんを発症したりする可能性があり、生命に関わることもある。同薬は、アミノレブリン酸合成酵素1メッセンジャーRNAを特異的に低下させることで、発作などの原因となる神経毒性を持つ物質の蓄積を減少させる。
大塚 片頭痛治療薬「アジョビ」が承認
大塚製薬は6月23日、片頭痛発作の発症を抑制する薬剤として「アジョビ皮下注」(フレマネズマブ)の承認を取得したと発表した。同薬は抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)抗体で、イスラエル・テバから導入。抗CGRP抗体としては、今年1月に承認された「エムガルティ」に続いて国内2剤目。4週に1回225mgまたは12週に1回675mgを投与する。
アムジェン、抗CGRP受容体抗体「アイモビーグ」承認
アムジェンは6月23日、抗CGRP受容体抗体「アイモビーグ皮下注」(エレヌマブ)が、片頭痛発作の発症抑制の適応で承認を取得したと発表した。CGRP受容体を標的とした片頭痛治療薬は初めて。4週に1回70mgを投与する。
MSD、抗菌薬「レカルブリオ」が承認
MSDは6月23日、βラクタマーゼ阻害薬を配合したカルバペネム系抗菌薬「レカルブリオ配合点滴静注用」(レレバクタム水和物/イミペネム水和物/シラスタチンナトリウム)の承認を取得したと発表した。適応菌種は、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、緑膿菌、アシネトバクター属で、カルバペネム耐性の菌株が対象となる。
三和化学、二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「ウパシタ」が承認…キッセイとコプロ
三和化学研究所は6月23日、二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「ウパシタ静注透析用シリンジ」(ウパシカルセトナトリウム水和物)の承認を取得したと発表した。同薬は味の素製薬(現EAファーマ)が創製。ライセンス契約に基づき、三和化学が開発した。情報提供活動では、キッセイ薬品工業とコ・プロモーション契約を締結。製造、販売、流通は三和化学が行い、両社で情報提供活動を行う。
富士フイルム富山化学、放射性医薬品「ルタテラ」承認
富士フイルム富山化学は6月23日、放射性医薬品「ルタテラ静注」(ルテチウムオキソドトレオチド〈177Lu〉)の承認を取得したと発表した。適応は、ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍。放射性リガンド療法の一種であるペプチド受容体放射性核種療法に用いる。
薬価調査、今年は従来通りの規模で
中央社会保険医療協議会(中医協)総会は6月23日、2022年度薬価改定の基礎資料となる今年の薬価調査について、販売側・購入側とも例年通りの規模で行うことを了承した。調査対象は、販売側が医薬品卸のすべての営業所など(客対数約6500)、購入側が、全病院の20分の1(約410)、全診療所の200分の1(約520)、全保険薬局の60分の1(約1000)。いわゆる「中間年」にあたる昨年の調査は、販売側・購入側とも規模を縮小して行われた。
帝人ファーマ「ゼオマイン」の適応拡大が承認
帝人ファーマは6月23日、A型ボツリヌス毒素製剤「ゼオマイン筋注用」(インコボツリヌストキシンA)について、下肢痙縮への適応拡大の承認を取得したと発表した。同薬は独メルツファーマが創製。帝人ファーマは日本での共同開発・独占販売権を取得し、上肢痙縮の適応で昨年発売した。
沢井 製剤製造企業の情報を公開、監査日も
沢井製薬は6月23日、自社製品の製剤製造企業に関する情報を医療関係者向けサイトで公開したと発表した。対象は同社が製造販売承認を持つ全製品で、企業名とともに監査日を公開。製造委託品は、許諾が得られた企業名を順次公開していく。2019年から公開している原薬製造国についても、同日、最終原薬製造所の監査日を公開した。
日本BI、がん領域の臨床開発推進へがん研と提携
日本ベーリンガーインゲルハイム(BI)は6月23日、オンコロジー領域での臨床開発を推進するため、がん研究会と包括的提携契約を結んだと発表した。BIが持つ新規開発品について、早期から日本国内での臨床開発に着手できるよう、協力体制を構築する。
医療・介護で新規サービス・商品を探索…アステムと竹山がコンソーシアム
アステムと竹山は6月22日、医療・介護分野で新たな商品やサービスを探索するコンソーシアム「次世代メディカルサービスプロバイダー研究会」を設立したと発表した。新規性の高い商品やサービスを国内外から幅広く探索するとともに、サービス提供のあり方を検討。コンソーシアムで見出された商品やサービスは、両社が地盤とする九州と北海道で市場調査を行い、パートナー企業とともに全国展開を目指す。
日本調剤 DIプラットフォームの有用性実証、東京医科歯科大と共同研究
日本調剤は6月23日、同社が提供するDIウェブプラットフォーム「FINDAT」の有用性を実証する共同研究を東京医科歯科大と始めたと発表した。「G-CSF製剤」「エリスロポエチン製剤」「速効型・超速効型インスリン製剤」を対象に、同大付属病院での採用状況や使用実績を解析。処方実態を踏まえ、標準フォーミュラリーの応用を検討するとともに、既存コンテンツの充実を目指す。