MSD コロナ向け抗ウイルス薬、P3試験を国内で開始
MSDは6月17日、新型コロナウイルス感染症治療薬として開発中の経口抗ウイルス薬molnupiravirについて、日本で臨床第3相(P3)試験を開始したと発表した。試験は軽度から中等度の患者を対象とした国際共同試験。世界で1850人の患者を組み入れる。最終データは9~10月に得られる見込みで、データが整い次第、各国で申請を行う計画だ。
アステラス DNAワクチンの開発を中止…減損損失215億円計上
アステラス製薬は6月17日、ピーナッツアレルギーを対象にP1試験を進めていたDNAワクチン「ASP0892」の開発を中止すると発表した。2021年4~6月期に無形資産の減損損失215億円を計上する。ASP0892は、米イミュノミック・セラピューティクスから導入したLAMP-Vax技術を利用したワクチン。ハウスダスト誘発アレルギー性鼻炎の適応でも同技術を使ったワクチンのP1試験を行っている。
「サインバルタ」「ルネスタ」などに初の後発品、18日収載
厚生労働省は6月17日、後発医薬品の薬価収載を官報告示した。初めて後発品が収載されるのは、抗うつ薬「サインバルタ」や不眠症治療薬「ルネスタ」、高血圧症治療薬「ザクラス」など9成分(配合剤は1成分としてカウント)。18日付で収載される。ザクラスと制吐薬「アロキシ」にはオーソライズド・ジェネリックが収載される。詳しくはトピックスで。
日医工 インフリキシマブBSをアルゼンチン企業に導出
日医工は6月17日、抗TNFα抗体「レミケード」のバイオシミラーについて、アルゼンチンのLaboratorio Elea Phoenix(エレア)に導出する契約を結び、エレアが日本での承認データをもとにアルゼンチン当局に承認申請を行ったと発表した。年内の承認を目指しており、承認後は日医工の米子会社セージェントの工場で製造を行う予定。
武田テバ「ザクラス」AGを18日発売
武田テバファーマは6月17日、武田薬品工業が製造販売する高血圧症治療薬「ザクラス」(一般名・アジルサルタン/アムロジピンベシル酸塩)のオーソライズド・ジェネリック「ジルムロ配合錠LD・HD『武田テバ』」を18日に発売すると発表した。同日付で薬価収載される。
アステラス、感染症治療薬など5製品をドイツ企業に譲渡
アステラス製薬は6月16日、欧州、ロシア、独立国家共同体、アジアで販売している感染症治療薬など5製品について、一部地域での製造販売承認を独ケプラファーム・アルツナイミッテルに譲渡すると発表した。譲渡額は9500万ユーロ(約126億円)。5製品の2021年3月期の売上高は8150万ユーロだった。経営資源の配分を最適化し、事業基盤を強化する。
DWTI ユビエンスとの共同研究を延長、出資も
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(DWTI)は6月17日、標的タンパク質分解誘導薬の創出を目指してユビエンスと結んだ共同研究契約を延長したと発表した。両社は眼科疾患を対象に2019年から共同研究を実施。これまでに、キナーゼ分解誘導作用を持つ化合物を複数取得しており、期間を延長してさらなる検討を進める。研究の加速を目指し、DWTIはユビエンスへの出資も実施。第三者割当増資を1億円で引き受け、18.9%を保有する。
田辺三菱など 開発中のバッチ連続生産方式、エネルギーの大幅削減が可能に
高砂ケミカル、田辺三菱製薬、コニカミノルタケミカルなど8社と産業技術総合研究所は6月17日、連続合成法とバッチ式製造法を組み合わせたバッチ連続生産方式について、エネルギーの大幅削減が見込めるとの検証結果が得られたと発表した。従来の製造方式に比べてエネルギーを約8割、廃棄物を3~4割削減できるという。今後、プロトタイプの製作と実証を進め、実用化を目指す。
ハカルスと東大、アルツハイマーやパーキンソン病のAI創薬で共同研究
HACARUS(ハカルス)は6月16日、アルツハイマー病やパーキンソン病の治療法開発を目指し、東京大大学院薬学研究科とAI(人工知能)創薬の共同研究を開始したと発表した。共同研究では、ハカルスが持つAIによる画像診断技術を使い、2つの疾患の原因となるタンパク質の凝集・散開のメカニズムを解明。治療薬の開発につなげる。ハカルスのAIはスパースモデリング技術を応用しており、同社は画像診断や研究開発プロセスの自動化に取り組んでいる。