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製薬業界 きょうのニュースまとめ読み(2020年10月30日)

更新日

 

第一三共、リリーと片頭痛治療薬で販売提携

第一三共と日本イーライリリーは10月30日、リリーが申請中の片頭痛治療薬ガルカネズマブについて、国内での販売提携契約を結んだと発表した。承認後、第一三共が流通と販売を担い、両社で情報提供活動を行う。同薬は抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)抗体。リリーは、第一三共の営業基盤を活用し、情報提供の体制を強化する。

 

メディパルHD、子会社3社で希望退職者を募集

メディパルホールディングス(HD)は10月30日、子会社のメディセオ、エバルス、アトルの3社で希望退職者の募集を行うと発表した。対象は45歳以上かつ勤続10年以上の社員。12月14~25日に募集し、応募者は来年2月末に退職する。メディパルHDは募集を行う理由について「持続的な成長に向けた構造改革の一環として、人員の適正化を行う」としている。

 

ノバルティス日本法人、新社長に豪再生医療企業CEOのレオ・リー氏

ノバルティスファーマは10月30日、豪再生医療開発企業レジニアスでCEO(最高経営責任者)を務めているレオ・リー氏が11月1日付で社長に就任すると発表した。現社長の綱場一成氏は契約期間満了に伴い退任し、同日付で顧問に就く。リー氏は台湾出身で、MSDの副社長営業本部長や、メルクセローノ日本法人社長アラガン日本法人社長などを歴任。日本の製薬業界で豊富な経験を持つ。

 

ノバルティス「キムリア」国内で商用製造

ノバルティスファーマは10月30日、CAR-T細胞療法製品「キムリア」(一般名・チサゲンレクルユーセル)について、製造販売承認事項の一部変更の承認を取得したと発表した。これまでは米国で製造してきたが、神戸医療産業都市推進機構(FBRI)で国内向けの市販製品を製造できるようになる。ノバルティスは昨年1月にFBRIへの製造技術の移転を完了し、治験製品の製造を開始。日本向けの製品は、引き続き米国でも製造する。

 

JCR ムコ多糖症I型治療薬のグローバルP1/2試験を開始

JCRファーマは10月30日、独自の血液脳関門通過技術を適用したムコ多糖症I型治療酵素製剤「JR-171」のグローバル臨床第1/2相(P1/2)試験を開始したと発表した。同社にとって初のグローバル試験で、日本とブラジル、米国で実施する。

 

アステラス、アイオタの買収完了

アステラス製薬は10月30日、極小の埋め込み型医療機器を開発している米アイオタ・バイオサイエンシズの買収が完了したと発表した。約1億2750万ドルでアイオタの発行済み全株式を取得し、一定のマイルストンが達成された場合、アイオタの旧株主に最大約1億7650万ドルを支払う可能性がある。アステラスは今後5年間でアイオタの研究開発活動に1億2500万ドル以上の資金を投じ、開発を加速させる。

 

決算

アステラス製薬(2020年4~9月期、10月30日発表)

売上収益6154億8000万円(前年同期比5.4%減)、営業利益868億7200万円(同46.4%減)。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」などが伸びた一方、複数製品への後発医薬品参入や国内での販売提携終了の影響で減収となった。抗TIGIT抗体「ASP8374/PTZ-201」の開発中止に伴う減損損失305億円を計上したことで、営業利益は大幅に減少。減損の影響などを除いたコアベースの営業利益は22.4%減だった。21年3月期は、コアベースの業績予想は据え置いた一方、フルベースでは減損計上を踏まえて利益予想を下方修正した。

 

第一三共(2020年4~9月期、10月30日発表)

売上収益4801億6800万円(前年同期比0.1%増)、営業利益584億6500万円(32.1%減)。抗がん剤「エンハーツ」や抗凝固薬「リクシアナ」などが伸びた一方、新型コロナウイルス感染症や国内の薬価改定の影響で売り上げは前年から横ばい。ADC(抗体薬物複合体)の開発費増などで減益となった。新型コロナウイルスの影響や研究開発の順調な進展に伴う費用増を踏まえ、21年3月期の業績予想を下方修正。売上収益は9600億円(従来予想比100億円減)、営業利益は600億円(200億円減)を見込む。

 

塩野義製薬(2020年4~9月期、10月30日発表)

売上収益1484億5200億円(前年同期比9.3%減)、営業利益553億800万円(12.5%減)。新型コロナウイルスの感染拡大や国内の薬価改定が響き減収。営業活動の自粛などによる費用減はあったものの、新型コロナウイルスに対する治療薬・ワクチンの開発で研究開発費が増加し、利益も減少した。上半期の販売動向を踏まえ、21年3月期の売上収益予想を3181億円(従来予想比54億円減)に下方修正。一方、営業利益予想は、シオノギ渋谷ビル再開発に伴う交換益を計上することで1332億円(229億円増)と従来予想を上回る。

 

日本ケミファ(2020年4~9月期、10月30日発表)

売上高148億3200万円(前年同期比7.9%減)、営業損益1億8900万円の赤字(前年同期は6億1900万円の黒字)。4月の薬価改定や新型コロナウイルスによる受診抑制が響いた。21年3月期の業績予想は、売上高310億円(従来予想比20億円減)、営業利益2億円(4億円減)に下方修正した。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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