武田 モデルナの新型コロナワクチンを日本で供給、来年上半期から5000万回分
武田薬品工業は10月29日、米モデルナが開発している新型コロナウイルス感染症向けmRNAワクチン「mRNA-1273」について、来年前半から5000万回分を輸入し、日本で供給すると発表した。取り組みは両社と厚生労働省の3者間の合意に基づくもので、武田は国内で承認申請を行い、承認取得後に供給を始める予定。同社は、米ノババックスのワクチンについても国内供給を担うことで今年8月に合意している。
参天、米アエリーから緑内障・高眼圧症治療薬を導入
参天製薬は10月28日、米アエリー・ファーマシューティカルズの開放隅角緑内障・高眼圧症治療薬ネタルスジル点眼液(米国製品名「Rhopressa」)と同ネタルスジル/ラタノプロスト点眼液(同「Rocklatan」)について、同社と日本・アジア諸国での独占的開発・販売契約を結んだと発表した。年内にネタルスジル単剤の国内臨床第3相(P3)試験を両社共同で始める予定。契約に基づき、参天はアエリーに一時金5000万ドル(約52億円)と最大9900万ドルの開発・販売マイルストンを支払うほか、販売後には売上高の25%超となる追加の対価を支払う。
決算
武田薬品工業(2020年4~9月期、10月29日発表)
売上収益1兆5907億8500万円(前年同期比4.2%減)、営業利益2155億8800万円(97.7%増)。為替の影響などを除くと、実質0.5%の増収だった。主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」の売上収益は実質25.8%増の2070億円。21年3月期の通期業績予想は、事業売却の影響を織り込み、売上収益3兆2000億円(従来予想比500億円減)、営業利益4340億円(同390億円増)に修正した。OTC子会社・武田コンシューマーヘルスケアの売却の影響は含んでいない。
小野薬品工業(2020年4~9月期、10月29日発表)
売上収益1504億7400万円(前年同期比1.0%増)、営業利益524億100万円(25.1%増)。長期収載品は軒並み減収となったが、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(491億円、4.8%増)や、糖尿病治療薬「フォシーガ」(105億円、20.5%増)などが伸びた。利益も研究開発費や販管費が減少したことで増益。21年3月期の通期業績予想は売上収益3050億円(従来予想比20億円増)、営業利益870億円(同70億円増)に上方修正した。
大正製薬ホールディングス(2020年4~9月期、10月29日発表)
売上高1459億円(前年同期比10.4%増)、営業利益162億9500万円(12.2 %増)。2型糖尿病治療薬「ルセフィ」の売上高は62.0%増の52億円だったが、骨粗鬆症治療薬「エディロール」や抗菌薬「クラリス」は薬価改定などの影響で減収。医薬事業全体では売上高322億円(7.1%減)だった。一方、セルフメディケーション事業の売上高は、海外が拡大して16.6%増の1137億円。21年3月期の通期業績予想(売上高2895億円、営業利益200億円)は据え置いた。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
・武田薬品工業
・小野薬品工業
・大正製薬ホールディングス
・参天製薬