田辺三菱 植物由来インフルエンザワクチン、米国申請を断念
田辺三菱製薬は4月28日、子会社のメディカゴ(カナダ)が季節性インフルエンザを対象に開発中の植物由来VLPワクチン「MT-2271」について、米国で承認申請しないことを決めたと発表した。MT-2271は高齢者を対象とした臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を達成したものの、成人対象のP3試験は未達。米FDA(食品医薬品局)との協議で追加の臨床試験を求められたため、申請を断念した。田辺三菱は「臨床試験で一定の有効性は確認できた」とし、アジュバントを添加した改良版の開発を検討。開発計画の変更に伴い、2020年3月期決算に減損損失として約240億円を計上する。
日医工「アビガン」増産に協力、原薬製造と製剤工程を受託
日医工は4月28日、富士フイルム富山化学が新型コロナウイルス感染症を対象に開発している抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(一般名・ファビピラビル)の増産に協力すると発表した。富士フイルムや富山県からの要請に応じ、製剤工程を受託するほか、関連会社のアクティブファーマで原薬の製造を受託する。
太陽ファルマ、アストラゼネカから長期収載品4製品を譲受
太陽ホールディングスは4月28日、アストラゼネカが日本で製造販売する長期収載品4製品を子会社の太陽ファルマが譲受したと発表した。譲受したのは、▽インデラル錠10mg/同注射液2mg▽オメプラール錠10/同20▽セロケン錠20mg/同L錠120mg▽テノーミン錠25/50――の4製品8品目。製造販売承認は2020年下期をめどにを承継する予定。
ロートとわかもと、眼科用医薬品やOTCなどで包括的業務提携
ロート製薬とわかもと製薬は4月28日、開発から販売までの協業を目指し、包括的業務提携することで合意したと発表した。まずは、医療用眼科医薬品の共同開発販売や、わかもと製薬の乳酸菌を使ったOTC医薬品・健康食品の共同開発販売で協業を開始。並行して、ほかの分野での提携も検討するという。
武田 非小細胞肺がん治療薬「TAK-788」がブレークスルー指定
武田薬品工業は4月28日、EGFR(上皮増殖因子受容体)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がんの適応で開発中のEGFR/HER2阻害薬「TAK-788」(mobocertinib)が米国でブレークスルーセラピーに指定されたと発表した。プラチナ製剤をベースとした化学療法を受けた患者が対象。同薬は現在、グローバルでフロントライン適応のP3試験と、セカンドライン以降を対象としたP2試験を行っている。
バイエル薬品 19年売上高は過去最高の3153億円
バイエル薬品は4月28日、2019年の医療用医薬品売上高が前年比4.2%増の3153億円で過去最高となったと発表した。抗凝固薬「イグザレルト」(約763億円、4.3%増)や眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」(約724億円、9.7%増)、子宮内膜症に伴う疼痛改善薬・月経困難症治療薬「ヤーズフレックス」(約68億円、87.1%増)などが好業績を牽引した。
アステラス、ハーバード大と戦略的研究提携
アステラス製薬は4月28日、米ハーバード大と、3年間に及ぶ戦略的研究提携体制を構築すると発表した。アステラスの研究領域に関連する複数の課題に対し、ハーバード大の教職員から研究提案を募集。生物医学研究から創薬研究まで、複数の研究プロジェクトを選定して支援する。
大日本住友、20年3月期の業績予想を上方修正
大日本住友製薬は4月28日、2020年3月期の連結業績予想を上方修正したと発表した。修正後の予想は、売上収益4827億円(従来予想比77億円増)、営業利益832億円(82億円増)。日本と北米での売り上げが好調に推移した。米国でのCOPD治療薬「ロンハラ マグネア」事業計画の見直しにより減損損失を計上する一方、条件付対価公正価値の変動額の戻入を見込むため、営業利益も従来予想を上回る見通し。
スズケン、20年3月期の業績予想を上方修正―21年度予想の公表は延期
スズケンは4月28日、2020年3月期の連結業績予想を上方修正したと発表した。医薬品卸売事業で市場拡大が予想を上回り、売り上げ、利益とも従来予想から増加した。修正後の予想は、売上高2兆2130億円(従来予想比800億円増)、営業利益325億円(79億円増)。同社は来月11日に決算発表を予定しているが、新型コロナウイルス感染症の影響を見通せないとし、21年3月期の業績予想の公表は延期する。
日本新薬、リリーからタダラフィル製剤の承継完了
日本新薬は4月28日、ホスホジエステラーゼ5阻害薬タダラフィルについて、日本イーライリリーから日本での製造販売承認を承継したと発表した。タダラフィルは、勃起不全治療薬「シアリス」、肺動脈性肺高血圧症治療薬「アドシルカ」、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬「ザルティア」として日本新薬が販売している。
塩野義 セフィデロコルが欧州でも承認
塩野義製薬は4月28日、抗菌薬「Fetcroja」(セフィデロコル)が欧州で承認されたと発表した。適応は「治療選択肢が限られた18歳以上の患者におけるグラム陰性菌感染症治療」。同薬はカルバペネム系抗菌薬に耐性を示すグラム陰性菌にも効果を示す薬剤で、米国では「Fetroja」の製品名で今年2月に発売した。
マイシンとシミック、オンライン診療機能搭載バーチャル治験システムの提供開始
マイシンは4月27日、シミックと共同開発したバーチャル臨床試験システム「MiROHAオンライン診療」について、製薬企業やCRO、アカデミアへの提供を開始したと発表した。同システムは、マイシンのオンライン診療サービスに、臨床試験の原資料にできる電子データ(eSource)の収集機能などを搭載したもの。EDCに自動で反映でき、CRA業務の効率化と品質向上が期待される。ビデオ通話の活用で通院回数を削減できるため、患者負担を軽減するほか、新型コロナウイルスへの感染リスク対策にも役立つとみられている。
日本ジェネリック メトグルコ後発品を自主回収、発がん性物質検出で
日本ジェネリックは4月27日、経口血糖降下薬「メトホルミン塩酸塩錠 500mgMT『JG』」について、PTP包装品の一部ロットから管理指標を超える発がん性物質NDMA(N-ニトロソジメチルアミン)が検出されたとして、75ロットの自主回収を開始したと発表した。250mg錠やバラ包装品、原薬には問題がないという。メトホルミンをめぐっては先発品「メトグルコ」を販売する大日本住友製薬も同日から自主回収を行っている。
【AnswersNews編集部が製薬企業をレポート】