中央社会保険医療協議会(中医協)は1月17日、今年4月の2018年度薬価改定でアストラゼネカ/第一三共の消化性潰瘍治療薬「ネキシウム」と武田薬品工業の同「タケキャブ」に、いわゆる特例拡大再算定を適用することを決めた。
通常の市場拡大再算定を受けるのは、全薬工業/中外製薬の抗がん剤「リツキサン」など9成分18品目、用法用量変化再算定は小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」など3成分5品目が適用を受ける。
ネキシウムとタケキャブは最大25%引き下げ
特例拡大再算定は(1)年間販売額が1000億円超1500億円以下で、予想販売額の1.5倍以上(2)年間販売額が1500億円以上で、予想販売額の1.3倍以上――となった医薬品の薬価を引き下げる制度。2016年度の薬価制度改革で導入された。
4月の薬価改定で特例拡大再算定を受けるのは、ネキシウムとタケキャブの2成分4品目。ネキシウムの年間売上高は、決算ベースで920億円(17年度メーカー予想)。薬価ベースでは1000億円を超え、(1)の条件に該当するとして対象となった。タケキャブはネキシウムの類似薬として適用を受ける。いずれも最大で25%の薬価引き下げとなる。
リツキサンやサインバルタ ビダーザなどが再算定
通常の市場拡大再算定の対象となったのは、
▽パーキンソン病治療薬「トレリーフ」(大日本住友製薬)
▽抗うつ薬「サインバルタ」(塩野義製薬/日本イーライリリー)
▽慢性便秘治療薬「アミティーザ」(マイランEPD)※
▽造血薬「レボレード」(ノバルティスファーマ)※
▽抗がん剤「アフィニトール」(ノバルティスファーマ)※
▽骨格筋弛緩薬「ボトックス」(グラクソ・スミスクライン)※
▽解毒剤「ブリディオン」(MSD)※
▽抗がん剤「リツキサン」(全薬工業/中外製薬)※
▽抗がん剤「ビダーザ」(日本新薬)※
の9成分18品目。薬価の引き下げ幅は、原価計算方式で薬価算定された品目(※の品目)は最大25%、類似薬効比較方式は最大15%となる。レボレードとリツキサンには補正加算がつき、引き下げ幅が緩和されることになった。
免疫チェックポイント阻害薬は用法用量変化再算定
オプジーボと、その類似薬である「キイトルーダ」(MSD)と「バベンチオ」(メルクセローノ/ファイザー)は、用法用量変化再算定を受ける。オプジーボの再算定は、18年度の薬価制度改革で用法用量変化再算定を「主たる効能・効果」が変わった場合にも適用するルール見直しに伴うもの。キイトルーダとバベンチオは、オプジーボの類似薬として薬価引き下げを受ける。