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CRAの転職 面接マニュアル

面接を受ける男性のイメージ

「転職活動中のCRA(臨床開発モニター)が面接を受ける際のポイントは?」
CRAの面接は、CROを受ける場合と製薬メーカーを受ける場合とでポイントが異なります。
ここではまず全ての場合に共通する、CRAの面接術についてお話しした上で、ケース別の面接必勝法について解説していきます。

1. CRA(臨床開発モニター)の面接のポイント

経歴・応募先問わず、CRA(臨床開発モニター)の面接全てに共通するポイントを説明します。

CRA(臨床開発モニター)の面接は平均2回程度

製薬メーカ・CRO問わず、CRAの面接は多いところで3回、平均すると2回程度です。最初の面接で人事担当者と現場の責任者が登場し、二次面接以降では事業部長や役員などによる選考が行われます。

ただしCROの中には、早く採用したいとの理由から、面接を一度きりとする企業も。その場合は人事担当者・現場責任者・事業部長など、全てのキーパーソンと1日のうちに会うことになります。誰がいつ出てきても良いよう、しっかりと準備をした上で気を引き締めて臨みましょう。

面接当日の流れとマナー

CRAの面接の流れ・マナーは、一般企業の面接とそれほど大きくは変わりません。一般的に気をつけておくべき中途採用の面接の流れとマナーについては、以下をご参照ください。

面接官が注目する3つのポイント

面接を受ける女性のイメージ

CRAの仕事には、コミュニケーションスキルが必須。採用の場でも注目される重要なポイントです。
面接官はあなたの表情や話し方、言葉遣いなどから、日頃どんな様子で業務をこなしているかを想像します。次の3点を意識して臨みましょう。

明るく前向きな表情・態度

CRAは、医療従事者や社内のスタッフなどさまざまな人々と関わりながら円滑に折衝を行う必要があります。「折衝相手と信頼関係を構築できる人だ」と思われるためにも、笑顔や明るいトーンを意識した受け答えが大切です。

端的かつ論理的な話し方(具体的で結論がハッキリした話し方)

医師や関係各所との折衝では、論理的で、かつ結論が明確な話し方が好まれます。話が冗長になりがちな人や、相手に対してわかりやすく説明することが苦手な人は、質問に対して「○○です。なぜなら…だからです」のように、まず結論を一言で表し、次にその根拠を説明するよう心がけましょう。

具体的な数字を用いて実績を語る意識

前職での実績を語る際は、担当業務を明確にするだけでなく、担当症例数や担当施設数およびその内訳(症例数は全何件中の何件を担当したか、施設は大学病院か民間の病院かなど)まで具体的な数字を交えて語りましょう。

2. CROの面接を受ける際のポイント

CRAがCROから別のCROへ転職する場合は、転職の動機が明確であることが重要です。未経験者の場合は、なぜCRAになりたいと思ったかにも注目されます。

CROの面接のポイント

POINT

  • 転職理由:在籍中CROと応募先との違いを明確にした上で語る
  • キャリアビジョン:応募先企業に合わせた表現で語る

「なぜこのCROへ転職しようと思ったか?」「当社ではどんなキャリアを築いていきたいか?」
転職理由やキャリアビジョンに関するこれらの質問は、必ずと言ってよいほど尋ねられます。これらに対して相手を納得させられる答えが用意できるかどうかが、CROからCROへの面接の鍵と言っても過言ではありません。

「なぜこのCROへ転職しようと思ったか?」――在籍中CROと応募先との違いを明確に

CROのCRAのなかには、製薬メーカーへキャリアアップ転職したいと考える人も数多くいます。そのような中でなぜCROを志望するのか、CROの中でもその会社を志望するのかを説明する必要があります。転職する必然性が伝わらないと、場合によっては「採用してもすぐ辞めてしまうかもしれない」と懸念を抱かれる可能性があります。

「当社ではどんなキャリアを築いていきたいか?」――応募先企業に合わせた表現で語ること

今後のキャリアを話す際は、あなたの目指す方向性と会社の進む道が合致しているかどうかが大切です。あらかじめ、自分のキャリアプランを明確にしておくことはもちろん、いまいちど企業分析をしっかりと行い、「この人物は当社に相応しい」と思ってもらえるように、自分のキャリアプランと応募先企業の特徴が合致する部分は特に強調して伝えましょう。

雑談を交えた面接をする企業も

CROの面接は、「志望動機」や「転職理由」、「今まで担当してきた治験内容」といった質問の後にフランクな雑談形式を取るケースがあります。事前に答えを用意できる質問ばかりでは本当の人柄や本音がわからないため、あえてこのような面接を実施する企業も少なくありません。趣味や世間話といったものから仕事に関する話題まで、多岐にわたるフリートークを通じて、あなたが会社に合っているかを見極めようとしています。

相性が合わないことはあなたにとっても会社にとっても不幸なことなので、無理して会社に合わせる必要はありません。とはいえ、雑談だからといって気を抜くのは失敗のもと。医師や治験関係者と接するときのように、緊張感と節度ある中で受け答えを行いましょう。

3. 製薬メーカーの面接を受ける際のポイント

製薬メーカーの求人は、数年前に比べるとずいぶん多くなったものの、募集枠は1~2名ということがほとんど。CROの求人よりも圧倒的に少ないのが現状です。限られたポジションに、CRO経験者も製薬メーカー経験者も応募するため、いかに自分がその企業に相応しい人物かをアピールすることがポイントです。

製薬メーカーの面接のポイント・よくある質問と答え方の一例

POINT

  • 志望理由:「数ある製薬メーカーの中でもその会社を選ぶ理由」を伝える
  • 経験:応募先に合わせて「今までの経験をどう活かせるか」を説明する

「数ある製薬メーカーの中でもなぜ当社なのか?」「今まで経験してきた試験と業務の詳細は?」
なぜ製薬メーカーを希望したのか、という点にばかり意識が向きがちですが、面接官はさらに細かい部分も見ています。「経験・スキル」「なぜ数ある製薬メーカーの中から当社を選び応募しようと思ったか」そして「果たして当社に最適な人物かどうか」の3点は、特に気にされるポイントです。

「数ある製薬メーカーの中でもなぜ当社なのか?」――志望理由はできるだけ具体的に

「応募前からこんなに当社のことを調べてくれている」「この人なら当社への思い入れも強そうだし、ずっと働いてくれそう」…志望度の高さと長く勤めたいという意思をしっかりと伝えることが大切です。

自社に治験のナレッジを蓄積したいと考える製薬メーカーが多いため、どんなに優秀な人であってもすぐに辞めてしまいそうな人は採用に至りません。“どこでもよいわけではなく、御社に魅力を感じているから入社を志望する”ことをしっかりと相手に伝えられるよう、考えを整理しましょう。

「応募先で何をしたいのか」や「どんなキャリアを描きたいか」を具体的にイメージすると、志望理由の棚卸しがしやすくなります。

「今まで経験してきた試験と業務の詳細は?」――応募先企業が求める経験を中心に説明を

製薬メーカーの場合は、企業に「採用するメリットがある人物」と評価してもらえることが重要。「英語力」「領域経験」「リーダー経験」…重視する経験・スキルは企業によってさまざまです。

好印象を持ってもらうためには、できる限り“応募先の企業が求める部分”を中心に前職までのキャリアを説明するのがポイントです。面接官に即戦力として活躍できる人だというイメージを持ってもらうためには、企業研究も欠かせません。また募集要件に「求める人物像」が書いてあるケースも多いため、求人の詳細は入念にチェックしましょう。

その他 よくある掘り下げた質問の例

・なぜ、国際共同治験を希望するのか
・なぜ、オンコロジー領域を希望するのか
・将来的なキャリアをどう考えているのか
・リーダーシップについてどのように考えているか

回答例

国際共同治験の実績が豊富な御社でオンコロジー領域に携われる点に魅力を感じたため、応募させて頂きました。
私はこれまで、オンコロジーCRAとして専門性を高めることに加え、いかなる国際共同治験にも対応できるよう英語を学習して参りました。ところがこの度、現在の職場が当面の間、国内の治験に集中する方針に転換し、国際共同治験に携わることが難しくなってしまったため、転職活動を始めました。
御社は元々オンコロジー領域に強みをお持ちですが、その中でも特に血液がんに注力されている点に魅力を感じています。私は今の会社で、オンコロジー領域のプロジェクトでスタートアップから終了まで一通り対応してきました。固形がんと血液がんの双方を担当したことがあるため、今後御社が注力していく血液がんの治験でも経験を活かせると自負しています。また国際共同治験も経験したので、入社直後から英語を使って仕事をすることにも支障はないと認識しています。

4. まとめ

「自分が応募先企業にとってどれほど相応しい人物か」「この転職が自分のキャリアにとってどう必然性があるものか」の2点を納得感のある説明で伝えられるかどうか…これらがCRAの面接全てに共通していえるポイントです。自分自身の経歴と今後のキャリアプランを明確に整理しておくことはもちろん、それを相手に合わせて伝え方を最適化できるよう、企業分析も念入りに行っておきましょう。