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CRA(臨床開発モニター)の転職・求人トレンド

男性CRA・女性CRAのイメージ

CRA(臨床開発モニター)の求人概況や転職のポイントなど…ここでは、CRAへの転職に役立つ情報をまとめています。

1. CRAの求人・転職トレンド

CRAの採用ニーズは高く、売り手市場。

CRAの売り手市場傾向が続いています。

大型新薬の特許切れ(2010年問題)を機に、製薬メーカー各社は“開発した薬剤をいち早く上市させること”に注力。それ以来、より短期間で治験を進めるために、開発業務の要となるCRAの採用が積極的に行われています。
一方、マーケットの微妙な変化に連動して求人・転職トレンドが変わっているのもまた事実。転職を成功させるには、トレンドを掴むことが欠かせません。

CRAの求人募集状況(業種・経験別)

製薬メーカー CRO バイオ
ベンチャー
医療機器
メーカー
経験者 募集状況 一部募集あり 常に募集あり 募集増加中 一部募集あり
転職しやすさ (低) (高) (中) (中)
未経験者 募集状況 募集なし 状況に応じて変動 募集なし 募集なし
転職しやすさ - (中) - -
主な募集背景
  • ・開発部門の強化
  • ・欠員補充
  • ・受注案件の増加
  • ・事業拡大
  • ・開発部門の新設
  • ・法規制改正に伴う開発部門の強化
  • 製薬メーカーの採用トレンド

    POINT

    • 一定数の募集はあるが、応募倍率は高め。
    • 非公開求人が多く採用動向は把握しづらい。転職エージェントでの情報収集はマスト。

    製薬メーカーの求人は常に一定数ありますが、採用枠が小さく応募倍率が高くなるのはほぼ必至。また非公開求人も多いため、能動的な情報収集が欠かせません。

    製薬メーカーの場合、成長戦略の一貫や欠員補充などを理由に採用を行うのが一般的。開発パイプラインが増加しても求人が大幅に増加することは稀です。また競合他社に情報が知れ渡らないよう、自社サイトや広告などを用いず秘密裏に採用を行う傾向があります。最近は転職エージェント(人材紹介会社)や社員紹介経由で募集するケースが増えているため、上手く転職エージェントを活用して情報を集めるのが効率的です。

    CROの採用トレンド

    POINT

    • 業界の拡大に伴い、CRAの売り手市場が続く。
    • 未経験者採用は各社の組織状況によって採用枠・合格ハードルが変動。

    CRO業界 売上高とCRA社員数の変遷

    2009年から2016年の期間におけるCRO業界の売上高とCRA社員数の変遷を示すグラフ。日本CRO協会に加盟するCROのCRA社員数は、2009年は4032名だったものが、2010年4263名、2011年4171名、2012年4554名、2013年4897名、2014年5217名、2015年5800名、2016年6527名と右肩上がりに推移。CRO業界の売上高も2009年1129億円、2010年1132億円、2011年1192億円、2012年1330億円、2013年1368億円、2014年1435億円、2015年1529億円、2016年1723億円と右肩上がりに推移。

    ※日本CRO協会「2016年年次業績報告」を基に作成

    CROの多くはCRA経験者を大歓迎。2年以上のモニタリング経験があれば選択肢は豊富にあります。 各CROでは、より優秀な人材に入社してもらうための工夫を凝らしながら採用活動を行っています。高めの年収を提示したりさまざまなキャリアパスを準備したりするほか、自社の魅力を知ってもらうことを目的に、選考要素のない「カジュアル面談」を面接前に実施できる企業も増えています。

    一方未経験者採用は、一時は盛んに行われていましたが、現在はやや落ち着いています。社内の未経験者比率の高まりを受けて、各CROが研修・育成の必要性に迫られているためです。また新卒社員が増えている企業では、合格のハードルが上がってきています。各社の状況に応じて転職の難易度が変動するのが未経験者採用の特徴です。

    バイオベンチャーの採用トレンド

    POINT

    • 開発品が研究段階から臨床試験段階に進み、部門新設で募集する企業が増加。

    バイオベンチャーでは、開発品が臨床試験段階に進むタイミングでの募集が増えています。これまで研究のみを行っていた企業が開発部門を新設するケースも多く、部長候補などのハイクラスポジションも含めてニーズが高まっています。各社の開発フェーズに応じて、今後も募集が増えていくことが推測されています。

    バイオベンチャーの開発部門は少数精鋭部隊であることもしばしば。1人あたりの業務範囲が広く、プロトコル作成や試験の企画に携わるチャンスが広がっている点が魅力です。

    コラム:バイオベンチャーとは

    バイオテクノロジーを用いて、医療や産業の発展に繋がる先端技術を研究・開発・世に送り出すベンチャー企業。 その多くは大学の研究室や製薬メーカーの一部が独立したもので、抗体医薬品やペプチド医薬品、遺伝子組み換え製剤などを扱って新薬の研究を進めています。高い技術をもつバイオベンチャーも多く、大手新薬メーカー各社が注目しています。

    医療機器メーカーの採用トレンド

    POINT

    • 薬機法の施行に伴い、開発部門の強化を目的に募集する企業が増加。

    医薬品業界出身者を対象にCRAを募集する医療機器メーカーが増えています。2014年に薬事法が薬機法(医薬品医療機器等法)へ改正され、医療機器の開発が医薬品と同様の規制の下で行われるようになったためです。
    従来の医療機器開発に関する法規制は医薬品業界ほど厳格なものではありませんでした。そのため、新しい法規制の下で開発を進めていくにあたり、開発部門を強化する必要に迫られた企業が増加。今後しばらくは、人員の確保とノウハウ蓄積のために、医薬品業界のCRAを対象とする求人が増えることが推測されます。

    医療機器業界は、医療費削減に向けた国策を背景に順調に成長中。今後の成長性の高さにも期待できる業界で働ける点が魅力です。

    「医療機器業界への転職」を見る

    ※別サイト「医療機器転職BIZ」のページに遷移します。

    2. CRAのケース別・転職活動のポイント

    一口にCRAの転職といっても、経験と応募先企業によってそのポイントは大きく異なります。応募先となる製薬メーカーおよびCROで求められる経験やスキルの違い、転職活動時のポイントを紹介します。

    ケース1:CROから製薬メーカーへ

    製薬メーカーへの転職は倍率が高く難易度が高いといわれていますが、ポイントをおさえることで実現する可能性は高まります。こちらでは、製薬メーカーへの転職に役立つ情報をまとめています。

    製薬メーカーに評価されるCRAとは

    CRAのスキルを測る際は「何の治験を経験してきたか」が重視されます。
    例えば、剤形変更の治験しか担当したことがない製薬メーカーのCRAよりもCROで新薬を担当していたCRAが評価されたり、一つのローカル試験のみを担当してきた製薬メーカーのCRAよりもCROで複数のグローバル治験を担当したことのあるCRAが重宝されたりします。また、オンコロジー領域でナレッジを蓄積していきたい企業の場合は、オンコロジー領域の治験を担当していた人の採用に積極的など、特定の疾患領域の経験が評価されることもあります。今の在籍企業ではなく「その企業が求める経験やスキルを持っているか」が製薬メーカーへの転職を実現するポイントなのです。

    ケース2:CROからCROへ

    「年収を上げたい」「スキルアップ・キャリアアップしたい」
    「残業時間を減らしたい」「早く管理職やプロジェクトマネジメント職になりたい」
    他のCROへ転職することで、働き方やプロジェクトなどの希望が実現できることがあります。こちらでは、希望を実現するためにおさえておきたいCROへの転職情報をまとめています。

    ケース3:未経験からCRAになる

    CRAは製薬業界の中でも未経験者が挑戦できる職種として注目を集めています。こちらでは、CRAにキャリアチェンジ転職できる人の特徴や具体的な転職方法などを詳しく解説しています。

    ケース4:CRAから他職種へ

    製薬業界では、CRAの経験を活かして、次のような職種にキャリアチェンジできることがあります。

    • GCP関連職種(QA・QC・GCP監査)
    • PMS
    • 安全性情報・ファーマコビジランス
    • MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン) ※主に理系出身者対象/英語力が必要(TOEIC700点以上)

    これらは社内異動で充足することも少なくありませんが、タイミングや経験次第では転職でも挑戦可能な職種といえます。

    3. まとめ

    製薬業界の職種の中でも、CRAは比較的求人が出やすい職種です。しかし、日々変動するマーケット状況を掴まぬことには、希望を叶える転職はできません。CRAの採用情報の多くは転職エージェントに寄せられていますので、効率よく転職活動を進めるためにも、上手く活用するのがオススメです。 転職のポイントは、「CROへ行く場合」「製薬メーカーへ行く場合」など、場合によって異なります。ぜひ、上記の解説を参考にしつつ、理想的な転職を成功させてください。