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CRA(臨床開発モニター)

CRA(臨床開発モニター)について、詳しく知りたいと思っていませんか。
このページでは、製薬業界の新薬開発・治験を行う上で不可欠なCRAの役割や仕事内容、1週間の過ごし方、年収、実際にCRAに転職する方法などを、わかりやすく解説しています。

製薬業界で働いている方はもちろん、それ以外の業界未経験人にも理解しやすいよう、できるだけかみ砕いて説明していますから、読み終わった頃にはきっとCRA(臨床開発モニター)のことが、まるで製薬企業で働いたことがあるかのように、すみずみまでクリアに理解できているでしょう。

CRA関連のコンテンツ

CRA(臨床開発モニター)について、知りたい情報にすぐアクセスしていただけるよう、当サイトでは次の5つに分けて解説しています。気になっているテーマから記事をご確認下さい。特にピンポイントでここが知りたい、という事情がなければ、ひとつめの「CRAとは」から順番に見ていっていただくとわかりやすいでしょう。

CRA(臨床開発モニター)とは

CRAについて理解を深める上での入門編。CRAとはそもそもどんな職種? その存在意義と役割を詳しく解説します。さらには、これから転職しようと考える人向けに、CRAという職業の将来性や、どんな会社で働けるのか、さらには男女比や平均年齢など…CRAにまつわる各種データを俯瞰することができます。

CRA(臨床開発モニター)の仕事内容

CRAの役割は、治験が適切に行われているか監視(モニタリング)すること。そのために様々な業務を行っています。ここでは、CRAの具体的な仕事内容をポジションごとに解説していくほか、業務量や1日の流れ、1週間の流れなどもご紹介。CRAという仕事の全容を、イメージしやすく紐解いていきます。

CRA(臨床開発モニター)の年収

CRA(臨床開発モニター)の年収・給与について解説します。CRAの年収は、メーカー、CROで水準が異なります。ここでは、CRAの年収額について、勤務先ごとの平均的な金額や、未経験者の初任給、将来的な昇給幅など…目安となる年収額を様々な角度からご紹介していきます。

CRA(臨床開発モニター)の医学統計

CRAの仕事を行う上で、押さえて置いた方が良いのが統計学。症例データを扱う上で、業務効率が格段に向上するからです。ここでは、未経験者の人はもちろん、既にCRAで働いている人も、難しい数式などは一切使わず、医学統計の専門用語、考え方をわかりやすく解き明かします。

CRA(臨床開発モニター)の転職

製薬メーカー、CRO問わず、CRAの求人情報を業界トップクラスの網羅性で掲載しています。
加えて、CRAになるための方法、転職時のテクニックなど…CRAの求人と転職にまつわる情報をまとめたページです。

では、さっそく「CRA(臨床開発モニター)とは?」から見ていきましょう。

CRA(臨床開発モニター)とは

製薬業界で活躍するCRA(臨床開発モニター)とは、どのような職種なのでしょうか。大まかに言うと、製薬メーカーの新薬開発に欠かせない治験において重要な役割を担う仕事。

ここではより詳しい役割や存在意義、なるための方法などを、製薬業界の知識がない未経験者にもわかりやすく解説していきます。

1. CRA(臨床開発モニター)とは

CRA(Clinical Research Associate)とは、新しい薬が開発・リリースされる工程で不可欠な「治験(臨床開発試験)」と呼ばれるテストの中核をなす職種。臨床開発モニターとも呼ばれます。

主な役割は、製薬メーカーと治験を行う医療現場との橋渡しと、治験が適切に行われているか監視・チェックすること。具体的には、治験を行う医療機関(病院等)を訪問し、治験開始前の調査、治験に関する契約の取り交わし、モニタリング業務、CRF(症例報告書)の回収、治験終了手続きなどを行い、臨床試験のスムーズかつ適切な実現を担います。
CRAは、製薬メーカー、または製薬メーカーに治験の実施を委託されたCRO(Contract Research Organaization)に勤務しています。

医療機器メーカーにも新製品のテストを担うCRAが存在しますが、こちらは会社によってMD-CRA(Medical Device-Clinical Research Associate)などと呼ばれ、区別されていることが多いです。

治験とは…

製薬メーカーが開発した新薬は、安全性が確認されて初めて上市(リリース)することができます。そのために、製薬メーカーでは薬の性能を確認するために様々な動物実験・試験が行われます。

治験は、これらのテストを無事通過することができた新薬の有効性と安全性を、最終確認する場。そのため実際の臨床現場(病院など)で、実際の患者(被験者)へ投薬することで行われます。

新薬ができるまでの流れ
基礎研究
病気を治す可能性がある物質(成分)を探したり、科学的な実験によって薬の元となる物質を作製したり、薬物の候補となる物質のスクリーニングを行います。
非臨床試験
基礎研究によってできた薬物の有用性や安全性を、動物実験で確認します。
臨床試験=治験
安全性と効能が確認された薬物を、患者や健常な成人に投与し、さらに薬としての性能を見極めます。(第1相・第2相・第3相試験)
承認申請・
リリース
厚生労働省(所轄の独立行政法人・医薬品医薬機器総合機構)による調査で承認されると、いよいよ新薬として製造・販売がスタートします。

治験は、多くの場合、2~3年にわたり、第1相~第3相の3段階にわたって行われます。

第1相…健全な成人を対象としたもの。主に安全性のチェックが目的
第2相…少数の患者を対象としたもの。用量・用法の確認が目的。
第3相…より多くの患者を対象としたもの。実際の治療に近い形での効能と安全性を確認する。

これら3相にわたる治験の結果を受けて、最終的に厚生労働省が承認することで、新薬は上市(リリース)へとこぎ着けることができます。

治験は医療機関とそこで治療を受けている患者の協力を得て行われる

薬剤の性能は、動物実験や各種テストによってある程度の有効性・安全性を確かめることができますが、それ以上の「人間への影響」「実際の患者への影響」を測るのは、実はとても大変なこと。病院などの医療機関とそこで治療を受けている患者の協力なしでは、測ることができません。

その新薬に適した医療機関で、その新薬の対象とする疾患に詳しい医師のもと、被験者として相応しい患者に、ちゃんとしたデータが取れるよう適切な環境と手順で治験が行われるか。これらがCRAの力に掛かってきます。

新薬の上市は、まさにCRA(臨床開発モニター)次第と言っても過言ではありません。

CRAの詳しい仕事内容は…

CRAのより詳しい仕事内容・業務内容は、下記にまとめています。

2. CRAの存在意義・役割

CRAの存在意義は完成した薬をいち早く世に送り出すこと

CRA(臨床開発モニター)の存在意義は、長年の研究で完成した新しい薬を、いち早く世に送り出すことです。それは、一人でも多くの患者の力になること、とも言えます。

ほんの数年前までは治療困難だった難病が特効薬の開発で治療可能になるなど、現代医療の発展はめざましいもの。それは、製薬メーカーで日々新しい治療法の研究が行われているからに他なりません。ですが、どんなに画期的な技術が用いられ、理論上は効果があるとされる薬でも、実際の効果や人体への影響、安全性がわからなければ、患者に用いることはできません。

医療機関の協力のもと、CRA(臨床開発モニター)が治験を適切に行うからこそ、新薬は上市(リリース)を迎えることができます。治験は第1相~第3相まで数回にわたって慎重に行われますが、製薬メーカーのCRAはその全てに携わります。CROのCRAの場合は、受託したプロトコールによって全てまたは一部に携わることになります。

CRAの行うモニタリング業務は、まさに新薬開発の仕上げの要。近い未来にスタンダードになる最先端医療をいち早く感じられる職種と言えます。

薬の安全性を支えることも重要な役割

安全性を証明し新薬をすみやかに世に出す一方で、危険性をはらんだ薬を世に出さないこともまた、治験の目的の1つです。

1980年代に起こった薬害エイズ問題は、非加熱製剤を治療に用いたことで、HIVウィルスが多くの患者に伝染。人命を救うはずの薬が患者に重篤な悪影響を及ぼした事例として世界中に大きなインパクトを与えました。以来、薬剤の安全性をテストする治験には、より慎重さが求められるようになり、その業務量も増加したと言われています。

実際に薬の人体への影響度を調べるのは製薬メーカーの専門職になりますが、それには治験の結果を正確かつ円滑に担当部門へと伝達するCRAの存在が欠かせません。

日本ではドラッグラグ解消を担う役割も

日本でCRA(臨床開発モニター)を行うことは、ドラッグラグ解消の一翼を担うことでもあります。

ドラッグラグとは、新薬が開発されたにも関わらず、厚生労働省に承認され、治療に用いられるようになるまで長く時間が掛かってしまう状態のこと。諸外国に比べて日本では特にタイムラグが大きく、一時は完成した新薬が上市するまで欧米諸国よりも数年間遅くなる、と言われていたほどです。治療法がほぼ確立されているにも関わらず、それが患者の元に届けられないという状態が長い間続いていたのです。

原因は製薬メーカー側というよりも、厚生労働省をはじめ承認申請を行う国内機関にあると言われていますが、CRAがすみやかな治験を実現することで、新薬完成~承認に至るまでの期間を短縮することは可能です。また、薬剤によっては、製薬メーカーが国内の承認機関を介さず、ドラッグラグの少ない諸外国とともに、世界同時規格で治験を推し進めるグローバルスタディ・国際共同治験を行うことも。こうしたグローバル治験にも国内のCRA(臨床開発モニター)が活躍し、ドラッグラグ解消に大きく貢献しています。

3. CRAで働くにはどんな会社がある?

一般的に、CRAの勤務先は、製薬メーカー、CRO、医療機器メーカーに分かれます。製薬業界に限って言えば、製薬メーカー(外資系メーカー、国内メーカー)、CROのいずれかです。

製薬メーカー

武田薬品工業やアステラス製薬、第一三共をはじめとする国内製薬メーカーや、ファイザーやノバルティス、ロシュ、サノフィといった外資系製薬メーカー。海外で開発された薬でも、国内で販売するために日本での治験・承認が必要となるため、製薬メーカーもCRA(臨床開発モニター)を雇用しています。一部ジェネリックメーカーでも募集はありますが、基本的には新薬メーカーが上市前の薬の治験を担当するCRAを募るのがほとんどです。

CRO

CROはContract Research Organizationの略で、製薬メーカーの治験を受託・代行する、治験専門の請負企業のこと。日本語では「開発業務受託機関」「受託臨床試験実施機関」などと言われ、2種類の業態が存在しています。

受託型CRO
CROはContract Research Organizationの略で、製薬メーカーの治験を受託・代行する、治験専門の請負企業のこと。
日本語では「開発業務受託機関」「受託臨床試験実施機関」などと言われ、2種類の業態が存在しています。
派遣型CRO
製薬メーカーで行われる治験に、必要な人数だけCRAを派遣する。一部のCROが派遣型専門で事業を展開する他、受託型のCROのごく一部に、派遣型も行っている企業がある。

CROはもともと欧米で一般的だったものの、日本での歴史は1997年の薬事法改正以降とまだまだ浅め。ですが薬事法改正によって治験の厳格化が進むことと、製薬メーカーが治験を外部に委託するアウトソース化の流れが重なって、今ではCROのCRAは欠かせない存在となっています。

まずはCROで経験を積み、
ゆくゆくは製薬メーカーを目指すのがCRAの一般的なキャリア

キャリアアップや、より好待遇・好条件で働きたいというCRAは、CROから製薬メーカーを目指す傾向にあります。ですが、募集されている求人の多くが経験者やベテラン層向けのものばかり。
一方、CROは、働きやすい環境作りに注力している企業が多いとされています。加えて、様々な製薬メーカーの治験プロジェクトを担当できるメリットも。

まずはCROで経験を積み、ゆくゆくはメーカーを目指す…というのが、CRA(臨床開発モニター)のキャリアアップの一般的な流れです。

詳しくはこちら

4. CRAの将来性

現在、製薬メーカー各社では新薬の開発が活発に行われており、新薬開発を支えるCRAは各社にとって当面の間はプライオリティの高い職種となりそうです。

実は、近年の医療を支えている重要な薬剤の多くは、1990年代に生み出されました。製薬メーカーはそれから20年の間、これらの薬の特許収入をベースに売上を確保してきました。ですが2010年以降、各メーカーの主力製品がいっせいに特許切れを迎えるパテントクリフ(または2010年問題とも)が発生。製薬メーカー各社は新たな収益源となる大型新薬を生み出すべく、開発を活発化させています。

当面の間は新薬開発の活発期が続くことから、CRAの将来性は安泰とされています。中でもより将来性が見込まれるのは、次の2つの分野。

未だに治療法が確立されていない領域
がん領域を初めとするアンメット・メディカル・ニーズ(未だに確固たる治療法が確立されていない疾患に対する医療ニーズのこと)分野ほど、大きな売上をたたき出す薬=ブロックバスター薬になり得る新薬の開発が盛ん。未知の領域では治験の業務も確立しきっていない場合が多く、ここでの経験を積むことで、将来性をより高めることができるでしょう。
グローバル治験
すみやかな新薬上市を実現するために、今後、複数の国や地域で同時に治験を実施する国際共同治験は、活発に行われていくと言われています。従って、語学力とグローバルでの治験経験を付けておくことで、CRAとして高い将来性を手にすることができるでしょう。

コラム:CRAとCRCの違い

CRA(臨床開発モニター)と似た仕事に、CRCというのがあります。CRCはClinical Research Coordinatorの略で、別名「治験コーディネーター」。SMO(Site Management Organization。治験施設支援機関とも)に勤め、CRA同様、新薬の治験に関わる仕事ですが、その内容は大きく異なります。

CRAは製薬メーカー側、CRCは病院・被験者側から治験に参加

CRAが治験の適切な実施をモニタリング(監視)する役目であるのに対し、CRCは「治験コーディネーター」と呼ばれるように、治験がスムーズに行われるよう、医療現場で各種調整を行うのがミッション。

CRAは主に製薬メーカーの代表者として、治験担当医(ドクター)とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていきます。対するCRCは、治験に参画する側の立場から、治験担当医、被験者、製薬会社の3者を取り持つ役割を果たします。特に被験者に対しては、治験薬の説明を行ったり、診察や検査に立ち会ったり、治験中の相談に乗ったり…など、被験者が安心して治験に参画できるよう、メンタルケアやサポート役を担います。

CRAの場合は直接被験者とコンタクトを取ることはありません。同じ治験の適切かつ円滑な実施を支える仕事ですが、CRAは患者さんとの折衝よりも薬の知識や臨床知識を活かしたいという人に選ばれています。

5. CRAのデータ 男女比、平均年齢、平均勤続年数

男女比・メーカー

  • 男6
  • 女4

メーカーは男性がやや多めです。企業によっては男女比が半々というところも。

男女比・CRO

  • 男3
  • 女7

CROでは女性が多めです。看護師や薬剤師といった異業種からの転職組が一定数いることも一因のようです。

平均年齢

31歳程度

企業により異なりますが、2015年現在で27・28歳と32・33歳の世代が比較的多めと言われています。

平均勤続年数

6~7年

CROを中心に、女性が結婚や出産といったライフイベントで退職してしまうケースが多いため、全体の勤続年数は上記の数字となっています。但し、近年では女性の復職を促す制度やポジションを整備している企業が多く、勤続年数もそれに伴って伸びてきています。

まとめ

いかがでしたか。CRA(臨床開発モニター)は、製薬メーカーの新薬が承認・上市する上で欠かせない、治験をモニタリングする仕事。薬の安全性を支えることはもちろん、日本ではドラッグラグの解消という大きな役割も。製薬メーカーや受託企業であるCROに在籍しており、将来性は安泰と言われています。
男性だけでなく、女性も多く活躍する職種であることも、特徴の1つと言えるでしょう。

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