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  4. CRAの転職のポイント・求人トレンド

1. CRA(臨床開発モニター)に多い2つの転職理由

製薬業界専門の転職サイト・Answers(アンサーズ)を利用したCRAの転職者から寄せられることが多い転職理由は、次の2つに分かれます。

待遇・労働環境を改善したい

年収アップや残業時間の短縮、出張回数や担当プロトコール数の抑制、時短勤務や在宅勤務が可能な職場など…待遇や労働環境の改善が目的の転職。

CRA(臨床開発モニター)の仕事は、出張が多く会社・プロトコールによっては激務になる場合も。加えて、企業によって給与テーブルや残業時間などが異なります。給与アップや条件アップの手段として最もよく聞かれるのはCRO→製薬メーカーのCRAに転職することですが、CROの中にも条件の良い企業は存在しています。年収100万円以上のアップ、残業ゼロの職場など…よほど大きな条件アップを狙う場合を除いては、転職によって待遇・環境の改善を行うことは決して難しくありません。

スキルアップ・キャリアアップしたい

管理職を目指しやすい職場を目指したり、国際共同治験(グローバル治験)やオンコロジー、ICCC(※)など、より高度で専門性の高い治験プロジェクトに携われることを目的とした転職。

マネージャー層へのキャリアアップやより専門的なプロジェクトへの挑戦、あるいは別の職種へのキャリアチェンジなど…より高みを目指すための転職も、この業界では多く行われています。CROに勤めている人がプロトコールの作成や内勤職を目指すのであれば、経験を武器に製薬メーカーを目指すのが手。但し製薬メーカーへの転職は難易度が高いため、今のうちから英語力や豊富なキャリアを積んでおくことが大切です。

一方、国際共同治験やオンコロジー領域へ挑戦する場合は、メーカーだけでなくCROの中にも注力している企業は存在しますから、自分の経験に応じて転職先を見定めると良いでしょう。

※ICCC…治験国内管理人。海外の製薬企業の代わりに国内の治験を代行する役割。

2. CRAの求人・転職トレンド2015年版

CRA(臨床開発モニター)の需要は高く採用は活発期

製薬業界では、2010年頃よりパテントクリフと呼ばれる、大型新薬の特許切れ問題に直面しています。主力商品のシェアを後発医薬品に奪われた製薬メーカー各社は、大きく売上を落とす中、次なるブロックバスターを生み出すために、研究開発費を上積み。新薬の開発が過去に例がないほど多く行われている時期と言えます。

こうした背景から、数年前から臨床開発の要であるCRA(臨床開発モニター)の採用は活発化。製薬企業としては、開発した薬剤をいち早く上市させるために、CROを多く抱えるCROに治験業務を委託し、CRAの業務スピード向上を計ろうとしてきました。製薬メーカーからの大量受注を受けたCROでは、長らくCRA不足の状態が続いていました。

CROは、未経験にまで採用の裾野を広げ、多くのCRAを採用。2009年以降、CRO業界では売上・従業員数ともに右肩上がりの傾向となり、優秀なCRA経験者を巡る争奪戦が活発化しました。一時は自社の給与テーブルに則らず、応募者の現収入を考慮した高めの給与、時短勤務・フレックス勤務など柔軟な勤務形態を提示する企業も現れるなど、CRA転職者の売り手市場が続いていました。

JCROA 日本CRO協会
会員の総売上高と従業員数の推移

2015年からCROを中心とした売り手市場に陰り

2015年も、製薬メーカー各社では活発な開発が続き、依然として多くのCRA採用が行われていました。
ですが、臨床開発モニターの人口が増えたこともあり、CROを中心とした売り手市場とまで言われるほどのトレンドに、少し陰りが見え始めました。

今後、CRAを積極募集する流れは、次の2つの理由により、突然終了する可能性があります。

1つは、次代のブロックバスターが出そろってしまったとき。製薬メーカー各社で次の収益柱となる大型新薬が上市してしまえば、そこからはCRAの人数をセーブする可能性があります。

2つめの理由は、数年前から医療現場で急速に電子カルテが普及していること。膨大な紙カルテが管理しやすい電子カルテに置き換わることで、CRAの業務量は減少。その分、1社当たりで必要となるCRAの人数が抑えれるため、採用活動が鈍化する可能性があります。

いずれも現段階でいつ流れが変わるとは言えないものの、あまり長く続かないことを考えると、今が最も転職に適した時期と言えるでしょう。

3. CRAの転職の流れ

働きながら転職活動を行う、が基本

CRA(臨床開発モニター)の転職は、現在の職場を辞めないまま、働きながら転職活動を行うことが基本です。これは、転職活動が長期化した場合に無収入状態に陥るのを避けるため。また、そうした状態を懸念するあまり、焦って転職先を決めるあまり、自分に合わない職場を選んでしまうという事態に陥らないためでもあります。

出張の多いCRA(臨床開発モニター)は、移動中の時間を使えば、効率的に求人を探したり、応募書類の準備が可能です。面接へ行く際も、代休やフレックス、仕事帰りなど…業務を調整すればじゅうぶんに可能です。

転職活動の流れ

1. 求人を探す

インターネットを活用し、求人を探します。製薬メーカーの新薬開発に関わるCRAの求人は、採用自体が秘密裏に行われることが多く、求人サイトを見ただけではごく一部の求人としか出逢うことができません。表に出てこないCRAの非公開求人の情報を集めるために、人材紹介会社(無料)を利用することが一般的です。また、企業ごとの残業時間やプロトコール数、出張頻度や職場の内部事情などの情報も、人材紹介会社を利用していれば、提供を受けることが可能です。

2. 応募

集めた情報を精査したら、気になる企業に応募します。ポイントは、複数の企業(3~4社を推奨)に応募すること。滑り止めという意味合いもありますが、選考が進む中でさまざまな企業を同時に比較できるため、より自分に合う1社を見つけやすくなるでしょう。また、たくさんの面接をこなすことで、大事な第一志望の企業の面接を受ける前に、面接スキルを伸ばしておくこともできます。

履歴書や職務経歴書などの応募書類は、応募時に作成。それぞれの書き方とポイントは下記をご参照下さい。

参照:CRAの履歴書の書き方CRAの職務経歴書の書き方

3. 面接(1~3回)

書類選考を通過したら、面接へと進みます。面接は1社につき1~3回程度で、1回につき1時間程度が平均的。結果が出るのは早くて1日、平均的には1~2週間ほどかかるため、4次面接まで予定されている企業では、内定に至るまで1ヶ月以上かかってしまう場合も。逆に面接回数が少なく、毎回結果がすぐわかる企業もあります。
各企業とも、あまり長くは内定の返事を待ってもらえませんから、同時に複数の企業を受ける際は、いつ面接を受けるか……スケジュール調整が重要です。人材紹介会社を利用している場合は、企業ごとの面接回数を確認し、できるだけ同時に結果が出そろうよう、スケジュールを組んでもらいましょう。

参照:「CRAの転職 面接のコツ」

4. 内定・内定承諾(および現職の退職交渉)

内定が出た場合は、その企業に入社すべきか、複数の企業から内定を得た場合はどの会社が自分に合っているか、もう一度考えます。出張頻度や手当など、会社選びを行う上で欠かせない条件の内訳がまだわからない場合は、これが質問できる最後のタイミング。気になっていることをすべてクリアにした上で、内定の承諾と辞退を行いましょう。
内定を承諾し、入社する企業が決まり次第、現職の退職交渉を始めましょう。法律では退職の意志を伝えてから実際に退職する日までは最低でも2週間と定められています。引継ぎなどを加味すると、プロジェクトの切りがよいタイミングであっても1ヶ月~1ヶ月半程度は余裕を見ておくのがマナー。転職先には退職交渉の状況を説明しつつ、無理のない入社日を伝えましょう。

5. 入社

応募する前に職場を見学できる? カジュアル面談

カジュアル面談とは、応募する前に職場を見学したり、社員と直接話ができる場を設けてもらえたりする制度のこと。一部のCROで実施されています。事前に職場の雰囲気を知ることができるこの取り組みは、数年前から一部の人材紹介会社を通じて行われるようになりました。このカジュアル面談も、人材紹介会社を利用するメリットの1つと言えます。
※Answers(アンサーズ)でもこのカジュアル面談は実施していますので、ご希望の場合はぜひお問合せ下さい。

4. CRA転職の心強い見方・人材紹介会社の見極め方

求人情報の収集と転職スケジュール調整に人材紹介会社は欠かせない

CRA(臨床開発モニター)の転職は、現在の職場を辞めないまま、働きながら転職活動を行うことが基本です。これは、転職活動が長期化した場合に無収入状態に陥るのを避けるため。また、そうした状態を懸念するあまり、焦って転職先を決めるあまり、自分に合わない職場を選んでしまうという事態に陥らないためでもあります。

人材紹介会社は「製薬業界に強い」「規模が小さくない」ところを選ぶ

人材紹介会社選びのポイントは、製薬業界に強く、規模が小さくないところを選ぶこと。規模に関しては、下記3つを満たしている企業を選ぶと良いでしょう。

  • プライバシーマークを取得しているか(個人情報の取扱い)
  • 従業員数は少なすぎないか(最低でも20名以上がベター)
  • 設立から最低でも5年以上が経過しているか

2014年3月に厚生労働省が発表した「平成24年度職業紹介事業報告の集計結果」によると、厚生労働省から人材紹介業の認可を受けた事業者は、全国16,916事業所にのぼります。その中には、リクルートエージェントやマイナビ転職などの大手人材紹介会社だけではなく、従業員数がわずか数名の企業も数多く存在しています。加えて製薬業界を得意とした企業もあれば、自動車やサービス業などあらゆる業界を広く浅く取り扱っている企業もあるなど、実に有象無象。

CRAを取り巻く製薬業界は、病院や被験者といった特殊な環境。業界に精通していない人材紹介会社では、各企業の詳細な情報を把握できていないばかりか、CRAの仕事内容をじゅうぶん理解していない、保有求人が非常に少ない、といったケースが多いです。

その点、製薬業界の専門チームを持つ人材紹介会社なら、各社とのパイプも強く、実際にその会社で働いている人から収集した多くの情報を把握しています。中には製薬メーカーから採用コンサルタントとして信頼され、その会社の採用計画に深く入り込んでいる場合もあるほど。人材紹介会社を選ぶ際は、製薬業界に強いところが第一条件です。

但し、どんなに「製薬業界専門」を標榜していても、社員数が数名しかいない、会社自体が設立されたばかりなど、小規模・ベンチャーは別。個人情報の管理がずさんだったり、突然サービスが終了する…といったリスクがあるためです。人材紹介会社を選ぶ際は、その会社のホームページに目を通し、プライバシーマークの有無や、従業員数・設立年など、組織としての成熟度もチェックしておきましょう。

それなりの規模の企業を選ぶというのは、「信用度が高い企業を選ぶ」ということとイコールです。そういう意味では、規模感に加えて、東証一部上場企業など、株式上場していることも安心材料のひとつと言えるでしょう。

5. ケース別CRAの転職のポイント

CRAから製薬メーカーへ転職する場合と、CROからCROへ転職する場合、製薬メーカーから製薬メーカーへ転職する場合…経歴と応募先によって、転職のポイントは大きく異なります。

ここでは、それぞれのケースで重要となる転職時のポイントを解説。
さらに、CRAの経験を武器にキャリアチェンジできる他職種もご紹介します。

CRAがCRO→製薬メーカーに転職する場合のポイント

CRAがCRO→製薬メーカーへ転職するのは簡単ではない

製薬メーカーのCRA(臨床開発モニター)求人は、決して多いとは言えません。これは、製薬メーカーがモニタリング業務をアウトソース化する動きがあり、パイプラインが増えたとしてもCROほど求人が増加することがなかったからです。これまでは、欠員補充をはじめ外部からは見えない理由で突発的に求人が発生する場合が多く、転職市場を読みにくい側面がありました。

ですが2015年に入ってから、社内に治験のナレッジを蓄積したい理由から、モニターの採用を行う製薬メーカーが増加傾向にあり、中にはメーカーでのモニター経験がなくても応募できる求人もあります。

とはいえまだまだ"狭き門"のCRO→製薬メーカー転職。増えたとはいえ、限りある求人数に対し、キャリアアップや将来のキャリアパスを見越し、製薬メーカーへの転職を希望する人の数が多い状況が続いています。

メーカーに転職する場合、CROのモニター経験者だけでなく、製薬メーカーのモニター経験者もライバルになります。英語力やオンコロジー/希少疾患領域での経験など…製薬メーカーCRAに劣らぬスキルと経験が必要になること、転職活動が数ヶ月~1・2年がかりになることは覚悟しておいた方が良いでしょう。

CROからメーカーへの転職を目指す場合、転職活動が長期化することも視野に入れ、早期から転職活動をスタートしましょう。運良く求人が出たタイミングを逃さないことが大切です。

CRAがCRO→製薬メーカーへ転職する際に必要な経験・スキル

企業によって異なりますが、必要スキルの一般的な相場感とは? 優先度の高い順に5つの条件をご紹介します。下記の条件を全て満たしている方であれば、狭き門と言われる製薬メーカーへの転職にも成功しやすいでしょう。

  1. CROでの実務経験3~5年以上
  2. 英語力(TOEIC650~700点程度、800点あれば尚可)
  3. オンコロジー領域の経験
  4. 数百床クラスの基幹病院を担当した経験
【1.CROでの実務経験3~5年以上】
製薬メーカー求人のほとんどが、実務経験3~5年以上を掲げています。では、経験さえ長ければ評価されやすいかというと、残念ながらそうとも限りません。CRAの場合、製薬メーカーとCROでプロジェクトリーダーの役割が異なるため、ベテラン層もリードモニターまでのスキルしか評価してもらえない可能性があります。
【2.英語力(TOEIC650~700点程度、800点あれば尚可)】
外資・国内問わず製薬メーカーへの転職では英語力が重要視されます。外資系製薬メーカーでは、教育研修や社内インフラの大半が英語、業務でも海外の担当者と英語でやりとりを行うなど、語学力が必須となります。国内製薬メーカーであっても、海外CROのマネジメントや、今後の国際共同治験への参画など、英語が必要になるケースが多いです。
【3.オンコロジー領域の経験】
もしもあなたにオンコロジー領域での治験経験があるなら、それは製薬メーカーで他領域を担当していたモニターよりも高評価になるかもしれません。現在、がん治療薬は製薬メーカー各社で開発が進められているものの、オンコロジーの治験をナレッジが豊富な企業はそう多くありません。そのため製薬メーカーの中には、CROモニターからオンコロジー経験者を積極的に採用する動きがあります。
【4. 数百床クラスの基幹病院を担当した経験】
以前の職場で基幹病院を担当していた人は、有利になる可能性があります。数百床クラスの基幹病院にはKOLがいるため、日常的に彼らと接触・コミュニケーションを取っていた経験が評価されるからです。

また、マネージャー候補の求人に応募する場合は、これらに加えてリードモニター経験(3~5人のマネジメント経験)が必要になります。

CROモニターが製薬メーカーに転職するために今から行っておくべきこと
  • 日常的に求人を探しておく
  • 応募企業に合わせた自己PRができるよう自身のキャリアを整理しておく
  • 求人が出たときにすぐ動けるよう応募書類の素案をあらかじめ作り始めておく
  • 英語力を磨く

CROモニターが製薬メーカーへ転職する上で大切なのは、出た求人を逃さないことと、自分の経験・スキルを応募企業に合わせてアピールすること。日頃から各社の採用動向に気を配り、いざ出たときにすぐ応募できるよう、自分のキャリアの棚卸しをしておきましょう。
また、外資系製薬メーカーを中心に英語力がほぼ必須。ライティングやリスニングのトレーニングはもちろん、TOEICや英検など語学力を証明できる資格にも挑戦しておくと良いでしょう。

CRO→製薬メーカーへの転職の詳細

参照:「CROから製薬メーカーへの転職」

CRAがCRO→CROに転職する場合のポイント

CRAがCRO→CROへ転職する場合は将来性ある企業を選ぶことが重要

CROの求人は、製薬メーカーの求人に比べると多く出回っています。看護師やMRなどを対象とした未経験募集も行われているくらいですから、CRO経験者は選考にも通りやすい、どちらかと言えば売り手市場と言えるでしょう。

転職活動自体の難易度がそこまで高くない分、注意したいのは、CROの将来性です。現在、製薬業界では治験の受託件数が増加中。それに伴い、実力のないCROは廃業や吸収に追い込まれるなど、業界全体で再編が進むと言われています。「受かること」よりも「実力のあるCROを選ぶこと」が、転職成功のポイントです。

今後も安定的に生き残れるCROを見極める4条件

CROを見極めるための一番身近な方法は、コーポレートサイトや人材紹介会社の情報提供で、その会社について調べてみることです。特に注視したいのは、次の4つです。

  • 会社規模や売上、資本金など、経営状況を示す基本的な情報
  • オンコロジー領域への取り組み方
  • 国際共同治験の実施割合
  • プリファード契約の有無

ひとえにCROといっても、企業の特色は多種多様。たとえば国際共同治験(グローバル治験)ひとつ取っても、ほとんど扱っていないCROから、全体の80%以上が国際共同治験の案件というCROまで様々です。国際共同治験、オンコロジー領域、ICCC…といった専門分野への取り組みは、CROとして将来の市場価値を左右するだけでなく、経験しておくとCRAとしてもキャリアが築け、次の転職で有利になるメリットがあります。

また、今後のプロジェクト受注の安定性を見る上で、プリファード契約の有無は欠かせません。

プリファード契約とは…

プリファード契約とは、ある製薬企業が自社で開発する薬の治験すべてを一括して特定のCROに委託する、優先契約のこと。プリファード契約を多く結んでいるCROであれば、それだけ今後もプロジェクトの受注のメドが立っている、ということです。

但し、プリファード契約があればなんでも安泰というわけではありません。
将来的に安定的な受注が見込めると判断できるのは大手製薬メーカーとの契約のみ。また、プリファード契約を結んだCROは、万が一CRAが不足していても受注を断れず、場合によっては激務・ハイリスクの現場になる可能性もあります。そのため日系 CROの中には、あえてプリファード契約を結ばず、代わりにオンコロジーや国際共同治験に注力することで、企業としての将来性を担保しているところもあるくらいです。

上記1点をひとつひとつリサーチし、総合的に判断することが重要です。

CRAがCRO→CROへ転職する際に必要な経験・スキル

モニター経験者がCROに転職する場合、選考時の難易度は製薬メーカーへの転職ほど高くありません。

  • モニター経験(経験年数不問)
  • コミュニケーション力
  • 人柄

これらに加えて、施設の立ち上げ~終了手続きまでを行った経験がある場合は、より有利になると言えるでしょう。また、一部の外資系CROでは英語力を問われる場合があります。

但し、転職を機に管理職を目指す場合や、高収入を実現する場合は、マネジメント経験や前職での担当治験数などを厳密に見られます。

CRO→CROは思っているほど大幅には年収アップしない

もしもあなたが「臨床開発モニターは転職で年収を上げるもの」というイメージを抱いているなら、残念ながらそれは撤回した方が賢明です。
確かに、数年前までは、大手CROを中心に高い給与額でたくさんの人材を集めようとする動きがありました。転職するたびに200万円近くアップするというのも実際にあった話です。ですがモニター数がある程度充足へと向かい、そうした業界内の動きも鈍化。現在では、各社とも以前ほど「喉から手が出るくらい経験者モニターが欲しい」状況ではありません。あくまで前職を考慮した中で、給与額を提示する企業が増えています。

現在の年収が相場感よりも低いのであればそれなりの給与アップが見込めるでしょうが、そうでなければ現状維持か、上がったとしても100万円程度が限度でしょう。各企業とも既に在籍している社員の給与額とのバランスを尊重しています。期待していたほど給与が上がらなかった…といって、内定を棒に振ってしまうことのないよう、業界の現状を理解しておくことが重要です。

CROによる労働環境の違い

CROからメーカーに行かなければ劇的な環境変化は望めないのでは、と思いがちですが、実際のところ、CROどうしであっても、残業時間や出張頻度、プロトコール数などの労働環境も企業によってずいぶん異なります。

残業時間(1ヶ月) 担当プロトコル数 出張頻度 育休・産休取得実績
D社 15時間 1 最大週2回 取得100%
E社 45時間 2 週2~3回 取得100%・別途育児支援制度あり
F社 30時間 1 月8回 取得100%/復帰100%

※出張や残業時間は平均値のため、担当プロトコールによって変わる場合があります。

CROに転職する際は選考スピードの速さに注意

製薬メーカーに比べると、企業ごとの差が見えづらいCRO。転職では、慎重に企業を見極めようと、複数のCROに応募したいと考える場合も多いでしょう。ですが、同時にいくつものCROに応募するのは大変です。

CROの多くは、良い人材を取り逃がさないよう、駆け足で採用活動を行っています。中には面接が1回だけ(一次面接の時点で現場担当者や事業部長、役員など全員と顔を合わせる)にする企業もあり、早いところでは応募から1週間と掛からずに内定通知が届く……といったケースも。

応募から1週間以内に内定通知が届く例:

月曜に応募→その日中に書類選考通過→水曜日に面接→金曜日に内定通知

このタイトスケジュールですから、なかなか同時に2社・3社の選考を進めていくのは至難の業。その上、内定の返事は待ってくれてどんなに長くても1週間。1社ずつ受けたとしても、2社目の内定が出る頃には、1社目への返事の期限が迫ってしまいます。

どうしても複数社を比較したい場合は、紹介会社を利用し、担当のコンサルタントと密に連絡を取り合いながら、転職活動を進めていきましょう。コンサルタントが企業側と交渉の上、特別スケジュールを全て組んでくれたり、応募企業との細々としたやりとりを代行してくれる場合があるからです。
CRO→CROに転職する場合のポイント、詳細はこちら。

参照:「CROからCROへの転職」

CRAが製薬メーカー→製薬メーカーに転職する場合のポイント

製薬メーカーのCRA求人は2014年以降、微増

ここ数年、CROへの外注化が進み、製薬メーカー側は自社モニターの増員を控える傾向にありました。ですが、2014年頃から状況は一変。外注偏重により自社内に治験のナレッジが貯まらない現状を打破すべく、自社のモニターを増員する企業が増え始めています。

臨床開発モニターの求人募集を行っているのは、主に外資系製薬メーカー。ナレッジの蓄積を目的としているため、自社にノウハウのないオンコロジー領域やアンメット・メディカルニーズの分野で治験を担当していたモニターが評価されやすい傾向にあります。スキルが重視されるのは当然ですが、製薬メーカー側も、一度採用したら長く働いて欲しいと考えているため、志望度が高いかどうかも採用における重要なポイントになります。

なお、国内(内資)の製薬メーカーでは、引き続きリーダー以上の求人が大半を占めています。

製薬メーカーのCRA経験者であっても転職難易度は高い

製薬メーカーでキャリアを積んだモニターであっても、「いいところがあれば転職しようかな」くらいの軽い気持ちで臨むと、なかなか内定を獲得することができません。

そもそも製薬メーカーの求人の多くは、募集枠1名のピンポイント採用。そこに製薬メーカー経験者はもとより、CRO経験者たちの応募が殺到しています。彼らは待遇改善やキャリアアップ、将来内勤へ移れる環境に魅力を感じて…など、明確な理由のもとに転職活動を行っています。

一般的に製薬メーカー経験者の方がCRO経験しかないモニターよりも選考上有利とされがちですが、キャリア次第ではそうとも言えません。例えば製薬メーカー経験者であっても、剤形変更の治験しか担当したことがない人は、CROで新薬の治験を担当していた人物よりも、評価が低い傾向に。

また、今後オンコロジー領域でナレッジを蓄積していきたい製薬メーカーにとっては、CRO出身者でも実際に癌領域の治験を担当していた人物の採用に積極的。加えて国内メーカーのCRAが外資系に転職しようとする場合は、英語力が必要になります。実は製薬メーカーから製薬メーカーへの転職も難易度が高いという点を肝に銘じておきましょう。

CRAからキャリアチェンジできる別の職種

他職種へのキャリアチェンジは転職よりも社内異動が主流

製薬業界の職種の中には、CRA(臨床開発モニター)からキャリアチェンジできる可能性があるものも少なくありません。内勤職では、次の4職種が該当します。

  • 開発企画
  • GCP関連職種(QA・QC・GCP監査)
  • PMS
  • 安全性情報・ファーマコビジランス

但し、これらの職種は社内異動でまかなわれてしまうケースが多く、なかなか求人がでにくいため、転職でキャリアチェンジを叶えるのはそう簡単ではありません。

また、求人が発生したとしても、製薬メーカー経験が必須となります。CROの経験しかない場合は、ひとまず製薬メーカーのモニター求人に応募し、社内異動の機会を狙うのが最も現実的な選択と言えるでしょう。

外勤職・メディカルアフェアーズ/MSLは比較的転職がしやすい

メディカルアフェアーズ/MSLとは、KOL(Key Opinion Leader)となる医師に対し、科学的、臨床医学的エビデンスの提供、医師主導臨床試験の立案・作成・運営・学会発表・論文化などのサポートを行う仕事のこと。基本的に医療施設を訪問するスタイルのため、出張や外出の頻度はモニターに近いです。

メディカルアフェアーズに関しては、職種自体の歴史が浅く、経験者が少ないことから、モニターなど異職種を積極的に採用する動きがあるため、現在もコンスタントに募集があります。

メディカルアフェアーズ求人に多い応募条件

・ CRA経験5年以上
 (ベテラン医師やKOL相手なので若手よりも中堅層が好まれる)
・ 化学・薬学・生物学系のマスター(修士号)

他職種への転職は、モニター転職よりも難易度が上がりがち。どうしてもなりたい職種がある場合は、社内異動の可能性も含めて、長期的にキャリアプランを練りましょう。

まとめ

いかがでしたか。CRAの採用は活発ですが、2015年頃からその勢いに少しだけ陰りが出始めています。とはいえ、製薬業界の職種の中では、比較的求人が出やすい職種。退職せず、働きながら転職活動を行うと、焦らず慎重に自分に合う転職先が見極められるでしょう。CRAの求人の多くは人材紹介会社に寄せられていますので、効率よく転職活動を進めるには、人材紹介会社の利用がオススメです。
転職のポイントは、CROへ行く場合、メーカーへ行く場合など…転職ケースごとで異なります。ぜひ、上記の解説を参考にしつつ、理想的な転職を成功させて下さい。

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