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  2. CRA(臨床開発モニター)
  3. CRAの仕事内容

1. CRA(臨床開発モニター)の仕事内容

臨床開発モニターの仕事内容は役職・ポジションによって異なる

CRA(臨床開発モニター)の業務内容は、現場モニター、現場マネージャー、プロジェクトリーダーなど役職によって分かれます。

現場モニターや現場マネージャーが行う仕事

・ 治験実施に関わる契約・諸準備
・ 治験モニタリング業務
・ 治験終了手続き
・ 業務報告書の作成

プロジェクトリーダーが行う仕事

・ プロトコールのレビュー(主に製薬メーカーのPLが担当)
・ 治験を実施する医療機関および責任医師の選定
・ 治験に関する管理業務

それぞれの仕事について、次の章で詳しく見ていきましょう。

2. 現場モニターや現場マネージャーが行う仕事

治験実施に関わる契約・諸準備

治験を行う医療機関が決まったら、医療機関側に治験の実施を依頼し、同意を得ます。CRA(臨床開発モニター)は、製薬メーカーの用意した治験実施計画書を元に治験内容を説明し、モニタリングのスケジュールを確認。治験実施施設と契約を締結します。
その後は治験薬の搬入を行うなど、治験実施に備えます。

契約手続きだけでなく交渉も業務のうち
製薬メーカー勤務のCRAの場合は、あくまで製薬メーカー側の代表者という立ち位置に。一方、医療機関は治験に協力する側です。費用負担など、あまりにも製薬メーカー側が不利な契約条件にならないようにするためには、CRAをはじめとしたスタッフの交渉力が重要です。
被験者の登録促進は重要な準備の1つ
治験の基準に合致する患者が居たとしても、快く被験者として治験に協力してくれるとは限りません。患者さんへの直接の説明はCRC(治験コーディネーター)など、CRA以外のスタッフが行いますが、一人でも多くの患者さんの協力を得られるよう、治験資料を作成したり、カルテのスクリーニングを行って候補者を探したり…。患者に治験について理解・同意してもらえるよう、治験責任医師やCRCとの連携も欠かせません。
誤った処方がされないよう管理を行うことも
治験薬との併用が禁止されている薬を服用している患者に用いてしまったり、薬の取り違えが起きてしまったり…。処方のミスがないよう、薬のリストを作成したり、管理体制の整備に協力するのも仕事のひとつです。

治験モニタリング業務

臨床開発モニターという名前の通り、治験モニタリング業務はCRAにとって重要な業務です。
治験モニタリング業務とは、治験がプロトコール通りに行われているかをチェックすること。
被験者の人権と安全性が守られているかはもちろん、薬事法およびGCPを遵守しているか、治験から得られたデータが正確で信憑性があるものか…治験が正しく行われるよう、入念にチェックを行います。

モニタリング業務の具体的な進め方

・医師へのヒアリング
プロトコール(治験実施計画)違反なく治験が進められているか、効果が出ているか、副作用が起きていないかを、医師へのヒアリングによって確かめます。被験者へのヒアリングはCRC(治験コーディネーター)が行います。
・CRF(症例報告書)のチェック
CRF(症例報告書)は、ケースカードまたは調査票とも呼ばれる、カルテのようなもの。患者さんの体型や診断内容、薬の効き目など…治験に必要なデータをすべて記した重要書類です。治験の進行とともに治験責任医師が作成していきますが、この内容に不備がないか、カルテなどの原資料と付き合わせを行うなど、チェックを行います。
・CRF(症例報告書)の回収
CRFの内容に不備がなければ、CRFを回収します。

治験終了手続き

治験実施計画書に沿って治験が行われ、回収したCRFに不備がなければ、CRA(臨床開発モニター)は治験の終了を医療機関側(治験責任医師)に伝え、医療機関側のSOP(標準作業手順書)に従って治験を終了します。

報告書の作成

回収したCRFとは別に、CRA(臨床開発モニター)は、自身の所感を交えた業務報告書を作成します。報告書の作成は会社に戻って行います。加えて、次回の治験に備えた準備や振り返りを行います。

このほか、万が一、治験中に有害事象(副作用)が発生した場合は、その内容と状況を確認し、重篤な場合は治験審査委員会へ報告を行い、薬との因果関係の調査を行います。

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プロトコールのレビュー

プロトコールとは、治験実施計画書とも呼ばれ、どのような治験をどのような手順で実施するかをまとめた規定書のこと。治験はここで作成されたプロトコールに従って行われます。
そのためCROではなく薬を開発した製薬メーカーが作成を行うもので、治験進行中に問題が起きないよう、数十ページにわたって細部に至るまで計画が記されています。

プロトコールの作成方法は製薬メーカーによりさまざまですが、よくあるケースとしては、まず開発企画が中心となって社内案がまとめられ、それをベースにCRAの上位職であるプロジェクトリーダーが社内の関係者や医師と協議をして完成形に導いていく、というもの。完成したプロトコールはまず社内IRB審査(治験が科学的・倫理的に正しく実施できるかを審査する委員会)にかけられ、承認が得られた後、責任医師や医療機関と治験の合意へと向かいます。

製薬メーカーのCRAであってもプロトコールの作成までは行わない

よくプロトコール作成がしたいから製薬メーカーに転職したい、という声が聞かれますが、実際にはメーカーであってもモニターやプロジェクトリーダーがプロトコールの作成まで行うケースはほぼありません。
プロトコールの作成は、開発企画(臨床企画)やメディカルライターが行うため、作成業務に携わるためには、開発企画へキャリアアップする必要があります。

治験を実施する医療機関および責任医師の選定

治験を行うにあたって、まずCRA(臨床開発モニター)は、その薬に見合う医療機関を選別するために、医療機関の適格性評価を行い、どこの・誰のもとで治験を行うかを確定します。
病院・医療機関によって診療科目も患者も異なりますから、しっかりと調査をした上での選定が重要です。

医療機関の選定は総合的に行う
医療機関の選定は、プロトコールに沿って行われることはもちろん、医療機関側で定められているSOP(標準作業手順書)の内容や治験に掛かるコスト、賠償・補償関連のルールなどをチェックし、総合的に判断します。医療機関側が院内に設置している治験審査委員会(院内設置審査委員会)の活動記録や構成員なども必ず確認します。
治験責任医師の選定は、抱えている被験者候補の数で
被験者に投薬を行ったり、データを記入するなど、実際に治験を進めるのは医療機関側の医師が行います。そのため、医療機関側の治験の責任者となる治験責任医師の選択は、GCP(国が定めた治験の実施基準に関する規則)の責任医師の要件に合致すること、治験の経験が豊富なことはもちろん、最終的には被験者となりそうな患者をどれくらい抱えているかが、判断の鍵になります。

治験に関する管理業務

メンバーのマネジメントや進捗管理、予算に対する出張費を初めとする各種費用の管理など、治験を円滑に進めていく上でのマネジメント業務を行います。加えて、グローバルや上層部に治験の進捗状況を報告するのもプロジェクトリーダーの仕事です。

4. CRAの仕事量

業務内容がわかったところで、次は実際の仕事量がどれくらいかを見ていきましょう。

一度に手がける治験は1~3件(1~3プロトコール)

治験は薬の効能別にプロトコールという単位で呼ばれます。例えばAという薬の「肺がんに効く」という効能で1プロトコール。同じAという薬でも「肺がんに効く」「大腸がんに効く」と効能が二つあれば、2プロトコールとなり、肺がんの被験者と大腸がんの被験者の二つに分かれて治験が行われます(稀に2プロトコール担当となる場合もある)。

一人のCRA(臨床開発モニター)が担当するのは、一般的に1~3プロトコール程度。CROは1プロトコールというところが多く、製薬メーカーは1ないしは多いところで2~3プロトコールというのが現状です。
担当するプロトコールの数自体は少ないですが、1プロトコールあたり数ヶ月~1年程度投薬が続きます。CRA(臨床開発モニター)は同じプロトコールとしばらくの間向き合うことになります。

担当する施設は3~4施設

1つのプロトコールは、より偏りのないデータを得られるよう、数十の施設で一斉に治験が行われます。その全てを一人が担当するのは困難なため、実際は複数のCRA(臨床開発モニター)で、3~4施設ずつ分担してモニタリングを進めます。
従って、CRA(臨床開発モニター)一人あたりの担当分は、製薬メーカー・CRO問わず、プロトコール1件あたり病院3~4施設となります。
一部の多忙なメーカーでは、プロトコール数が3、施設数が10以上ということも。但し、CROと違ってメーカーでは、書類作成業務や契約に関するやりとりなどをQCや治験管理と呼ばれる社内のサポート部隊が代わりに引き受けてくれるため、純粋にモニタリング業務に集中することができます。

5. CRA(臨床開発モニター)の1週間

CRA(臨床開発モニター)の毎日は治験実施機関である医療機関を訪問する外勤と、報告書の作成などが中心となる内勤の2つからなります。遠方へ外出する際は直行直帰となる場合も多く、内勤の日と外勤の日がある程度はっきり分かれるのが特徴的。下記はその一例です。

外出時は、事前にアポイントを取っていくことが一般的なため、予定を立てて行動しやすい環境だと言えます。

CRA(臨床開発モニター)の服装は?

外出の日はスーツ、内勤時は服装自由またはオフィスカジュアルということが多いです。

6. CRAは激務? どれくらいハード?

CRA(臨床開発モニター)の仕事はどれぐらい激務なのでしょうか。残業時間・転勤出張の有無・休日数の3点から読み解いていきましょう。

残業時間は月30~50時間

残業時間は月30~50時間と言われています。これは1日に換算すると、およそ1.5~2時間程度となりますが、実際はプロジェクトによっても日によってもまちまちです。遅くなる日が続いたかと思うと、定時上がりが続く…ということも少なくありません。残業時間は治験の状況や企業によって異なります。極端な例ですが、製品が少ない製薬メーカーのCRAの中には、ほぼ毎日が定時上がり…ということも。

また、担当病院によっては行き帰りの移動に時間がかかり、拘束時間が延びる分、家に着く時間が遅くなってしまう場合があるかもしれません。CRA(臨床開発モニター)が忙しい、と感じている方の大半は、出張・外出の多さが要因と言われています。
なお、残業代は全額支給が一般的です。

転勤はナシ、出張はアリ

治験は全国各地の病院で行われますが、原則的に製薬メーカーやCROの拠点の場所は決まっているため、転勤はほとんどありません。
その分、遠方に足を運ぶことになるため、出張は発生します。移動手段は電車・バス・タクシー、レンタカーなど。担当する治験実施施設によっては飛行機での出張も珍しくありません。自分でレンタカーを運転して行く場合以外は、移動時間がちょっとしたリフレッシュタイムになることも。

年間休日は120日前後

臨床開発モニターの勤務はカレンダー通りの土日祝休み。担当する医療機関の都合などでたまに休日出勤が発生する場合があるものの、年間休日は平均120日前後と決して少なくはありません。

CRA(臨床開発モニター)の大変さは出張とプレッシャー

CRA(臨床開発モニター)の仕事は、看護師のように夜勤があるわけでもなく、残業もそれほど多くはありません。では、CRA(臨床開発モニター)は何が大変・激務と感じるのでしょうか。実際にCROでCRAとして従事されている方に調査を行うと、出張が重なったとき、納期が近づいたときは大変に思うことがある、という回答が返ってきました。
出張に関しては、日常的に発生するため、慣れるまで体力的に厳しさを覚える場合があるようですが、逆に色んな場所へ行けることを楽しめる人には、むしろ魅力でもあるようです。

また、納期に関しても、治験の進行が計画書より遅れてしまった場合に、治験審査委員会や社内の関係各所に対してプレッシャーを感じるが、計画通りに進んでいれば、特に感じることのないものということでした。

7. CRAの仕事はどれくらい営業的か?

出張や訪問と聞いて、CRA(臨床開発モニター)の仕事は営業に近いのでは? という印象を持つ人も多いと言います。実際のところ、どうなのでしょうか。

ノルマは無いが目標はある

CRA(臨床開発モニター)には獲得症例数という目標が定められています。これはメーカー・CRO問わずどの会社でもあるものです。よく営業のノルマと混同されがちですが、CRAの獲得症例数はあくまで目標値。

ノルマが「必ず達成しなければならない数字」であるのに対し、症例獲得数の目標は、治験に必要な症例数に対してできるだけ多くの症例を集めることが望まれています。目標に届かなかったとしても、重篤なペナルティがあるわけではありません。

とはいえ、症例獲得件数は給料などの評価に繋がるのは事実。そのためCRAの多くは自ずと目標を意識して働いています。

営業活動はしないが、コミュニケーション力は大切

営業のような、商品の提案をして受注する、といった売り込み活動は行わないものの、より多くの症例を獲得するための一歩として、一人でも多くの被験者を募るため、症例組み入れの啓蒙活動を行うことはあります。症例組み入れの啓蒙活動とは、担当施設のドクターに対し、治験の対象となり得る患者を掘り起こした上で、いまいちど治験の内容を詳しく説明し、「この患者さんに治験協力を促してくれませんか」とお願いすること。

他にも、ドクターやナースといった協力者、CROであればクライアントである製薬メーカーなど…治験は多くの人々と関わりながら進めていくため、全ての人に気持ちよく協力してもらえるよう、気配りとコミュニケーション力が大切です。

まとめ

以上がCRA(臨床開発モニター)の仕事内容です。治験が円滑に進む上でのモニタリング業務がメインですが、ポジションによって、他にも幅広い業務を担うことがおわかり頂けたと思います。
1週間のおよそ半分を内勤、残り半分を施設訪問・出張などの外勤で過ごすCRA。遠方への出張が多くなると、帰宅時間は少々遅くなりがちですが、業務量は激務というほど多くありません。

CRAはノルマがなく営業活動もしない、営業職とは一線を画する仕事です。しかし、目標数字を意識して働くということ、コミュニケーション力が大切であるということ、という2点からして、営業職とは多少なりとも通じる部分がある、と言えるかもしれません。

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