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未経験向けCRA(臨床開発モニター)への転職ガイド

CRAを目指す女性のイメージ

治験をサポートする役割を担うCRA(臨床開発モニター)。製薬業界の中でも未経験者が挑戦できる数少ない仕事です。
ここでは、CRAに転職できる人の特徴やCRAになるメリット・デメリット、応募・選考時のポイントなどを解説します。

1. 未経験からCRAになるには

CRAになれるのは医療系有資格者やMR

CRAの仕事では、薬に対する専門知識や、医師や看護師といった医療従事者との折衝能力が求められるため、多くの求人は次の職種の経験者であることを前提としています。

医療従事者のイメージ
  • 薬剤師
  • 看護師
  • 臨床検査技士
  • MR
  • CRC(治験コーディネーター)

あくまで経験が評価されるため、資格は必須ではありません。企業によっては、管理栄養士や獣医、その他の理系学部出身者も応募できることがあります。

2. 未経験者がCRAに転職した後の年収

年収は手当込みで400万円~500万円台前半程度

CRAの初年度の年収は400万円~500万円前半程度。経験や実績に応じて年収が上がる。

未経験者がCRAに転職した際の年収は、手当を含めておよそ400万円~500万円台前半程度です。CRAそのものの年収は400万円~800万円が相場です。

CRAは実力・成果次第で年収を上げることができます。CRAとして経験を積み、高い実績をあげれば、最大800万円近くまで年収アップが期待できます。

3. CRAになるメリット・デメリット

メリット

  • 土日休み・夜勤なし
  • 転勤がない
  • CRA以外の仕事にキャリアチェンジ可
CRAになるメリット。土日休みで夜勤なし、転勤なし、CRA以外の仕事にキャリアチェンジが可能。

CRAの場合、平日の日中に勤務して土日祝日に休むケースが大半です。夜勤もなく、規則正しい生活リズムの中で働くことができます。外勤も内勤もあるCRAですが、転勤はほとんどありません。

CRA以外にキャリアの選択肢がある点もCRAの特徴です。具体的には管理職やプロジェクトマネージャーなど医薬品開発の上位職、CRAの業務サポートをする内勤職へのキャリアチェンジ、CROから製薬メーカーへの転職などが挙げられます。

デメリット

  • 担当エリアによっては出張が発生
  • 定時退社は難しい 残業時間は月20~30時間
CRAになるデメリット。エリアによっては出張が発生、平均残業時間は20~30時間で定時での退社は難しい。

治験は全国の医療機関で行われる可能性があります。担当するプロトコールによっては、週2~3日の頻度で出張に行くこともあります。

CRAの月平均残業時間は20~30時間程度。治験の立ち上げ直後は50時間程度、ある程度軌道に乗ると10時間程度になるなど、状況によって変動します。深夜まで業務が長引くことは稀ですが、移動や残務処理などで帰りが遅くなることはあります。

とはいえ、産休や育休、時短勤務はもちろん、在宅勤務制度や外勤のないCRAサポート専任ポジションを設ける企業はたくさんあるため、家庭との両立は比較的実現しやすい仕事です。

4. 未経験者向けCRA求人の特徴

未経験者の採用は主にCROで実施

未経験者の場合、応募できるのは基本的にCRO(Contract Research Organization/開発業務受託機関)の求人です。CROとは、治験をより円滑に進めるために製薬メーカーから案件を受託してサポートする企業のことをいいます。

代表的なCRO企業:
・日系CRO
イーピーエス、シミック
・外資系CRO
IQVIA(旧:クインタイルズ)、パレクセル

製薬メーカーにもCRAはいますが、中途採用では即戦力を求めるため、求人はCRA経験者を対象とします。

未経験CRAの求人は応募倍率が高め

CRA未経験者の募集は一定数出ていますが、応募倍率はやや高めです。

2010年頃に一気に活発化した未経験CRA採用ですが、近年は採用枠が縮小ぎみです。未経験での中途社員や新卒社員が増えたため、各社が研修・育成に注力していることが一因です。

とはいえCRAのニーズは高いため、各社の状況に応じて求人トレンドは変わっていくと考えられます。CRAにキャリアチェンジ転職するなら、求人情報を逃さずキャッチすることが重要です。

5. 応募・選考時のポイント

経験職種によって選考で見られるポイントが異なる

CRAの選考では、経験職種によって見られるポイントが異なります。

  • MRのイメージ
    MR

    MRの場合、ビジネスマナーとコミュニケーション力の高さはある程度備えているものとして見られます。そのため選考での確認ポイントは薬剤知識や仕事のプロセス(情報収集の仕方、戦略的に営業していたか、医師とのコミュニケーションの取り方など)が中心です。薬学・医学系をはじめとする理系大学卒の場合、高評価を得やすい傾向にあります。

  • 看護師のイメージ
    看護師

    看護師の場合、カルテの読み方や医療機関での立ち回り作法などは身についているとされます。一般企業で就業した経験がない人が多いことから「ビジネスマナーを身に着けているか」を選考で見られます。書類の書き方や面接で、企業人としてのバランス感覚もチェックされます。

  • 薬剤師のイメージ
    薬剤師

    薬剤師の場合、薬に対する学術的な知識は備わっているものとして見られます。看護師同様に一般企業での就業が初めての人が多いため、ビジネスマナーをチェックされます。医師や看護師などさまざまな人とコミュニケーションをとりながら働けそうかどうかなど、協調性もポイントです。

コラム:英語力は高評価のポイントに

TOEIC700点以上や留学経験があるなど、英語力がある人は評価されやすい傾向にあります。

近年はグローバル治験(国際共同治験)といって、世界規模で同時に行われる治験が増えてきています。英語を使用する場面も多いので、グローバル治験に積極的な企業であるほど、英語力は高く評価されます。

応募時の注意ポイント

履歴書・職務経歴書の書き方

CRAの採用は書類選考からスタート。書類選考が一つの関門になるため応募先の企業に合わせて履歴書と職務経歴書を作り込む必要があります。

面接時の注意ポイント

敬語やビジネスマナーを確認

面接では、志望動機や経験はもちろん、ビジネスマナーや正しい敬語の使い方を見られます。応募先とのメールの文面や電話の掛け方にも気を配りましょう。オフィスワークの経験がない人は、会社勤めの知人にチェックしてもらうと安心です。

服装はスーツ

面接はスーツで臨みましょう。スーツにもシャツにもしっかりとアイロンをかけ、ホコリなどが付いている場合は必ず綺麗にしてから着用しましょう。

髪型やメイクはナチュラルさ第一

髪型やメイクは清潔感・ナチュラルさを第一に。相手によって好みが分かれそうな格好は控えましょう。

コラム:内定の出やすさはタイミングにも影響される

CROでのCRA募集の多くは、複数名採用が中心です。募集開始直後と、締め切り直前では、残りの採用枠数の違いから同じ企業でも内定の出やすさに差があります。

採用枠が何人で残りの枠がどれくらいかなどの情報は公開されないため、転職エージェントを利用して情報提供を受けながら、より内定を獲得しやすい転職プランを組み立てていくのがオススメです。

6. まとめ

未経験でも応募可能と言われるCRA。薬に対する専門知識や、医師や看護師といった医療従事者との折衝能力が求められるため、求人の多くは薬剤師や看護師などを対象としています。

未経験者の場合、製薬メーカーではなくCRO(開発業務受託機関)での採用が一般的。応募選考時におさえておくべきポイントは経験職種によって異なるため、転職するなら転職エージェントなどを上手く活用しながら活動を進めるのがオススメです。

Answersも未経験者向けに情報提供や転職サポートを行っていますので、お気軽にご相談ください。