
三菱ケミG、田辺三菱をベインキャピタルに売却…5100億円で
三菱ケミカルグループは2月7日、子会社・田辺三菱製薬を米投資ファンドのベインキャピタルに売却すると発表した。売却額は約5100億円。今年7~9月期の売却完了を予定している。三菱ケミGは2020年、約56%を保有していた田辺三菱を約5000億円かけて完全子会社化。当初は医薬品を含むヘルスケア・ライフサイエンスを「最重要戦略市場」と位置付けていたが、昨年11月策定の長期ビジョンでは注力領域から外し、ベストパートナーを探すとしていた。
三菱ケミGは「業界や事業構造の変化によって化学と医薬の親和性・シナジーの顕在化可能性は希薄化しており、田辺三菱の成長には大規模な投資が不可避」とし、「新しいパートナーから多面的な支援を受け、成長戦略を実行することが、田辺三菱の企業価値最大化を図る上で最適な選択」と説明。ベインは「メディカルイノベーションの伝統をさらに発展させながら、事業開発、ライセンス活動、創薬活動の生産性向上、商業化、戦略的買収を通じて新たな成長機会を開拓していく」としている。
協和キリン、希望退職に121人応募
協和キリンは2月7日、2024年に行った希望退職者の募集に121人が応募したことを明らかにした。募集は低分子創薬研究の縮小に伴うもので、研究本部などに所属する30歳以上かつ勤続3年以上の経営職・一般職・再雇用社員を対象に人数を定めず実施。対象者は約500人だった。
サノフィ「デュピクセント」6~11歳の気管支喘息への適応拡大を申請
サノフィは2月7日、抗IL-4/13受容体抗体「デュピクセント」(一般名・デュピルマブ)について、6~11歳の小児の気管支喘息への適応拡大を申請したと発表した。既存治療で症状がコントロールできない患者が対象となる。喘息に対しては成人と12歳以上の小児を対象に2019年3月に承認されている。
鳥居薬品、近藤副社長が社長に昇格
鳥居薬品は2月7日、近藤紳雅・代表取締役副社長が3月27日付で社長に昇格すると発表した。松田剛一社長は退任する。近藤氏は1992年に日本たばこ産業(JT)に入社し、2016年3月に鳥居薬品の経営企画部長に就任。昨年3月から現職。
大塚HD、24年12月期業績予想を上方修正
大塚ホールディングスは2月7日、2024年12月期の業績予想を上方修正したと発表した。修正後の予想は▽売上収益2兆3200億円(従来予想比100億円増)▽営業利益3230億円(30億円増)▽税引前利益3350億円(200億円増)▽純利益3430億円(1030億円増)――。米子会社での一過性の税務調整の影響で最終利益が大きく上振れする。
決算
鳥居薬品(2024年12月期、2月7日発表)
▽売上高604億2600万円(前期比10.6%増)▽営業利益67億9800万円(35.0%増)▽経常利益69億2600万円(30.5%増)▽純利益50億4200万円(22.4%増)――。アレルゲン免疫療法薬の「シダキュア」(128億1200万円、12.8%増)と「ミティキュア」(112億4100万円、10.8%増)が売り上げを伸ばし、アトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム」(88億4600万円、18.7%増)なども拡大した。25年12月期は売上高647億円(7.1%増)、営業利益41億円(39.7%減)を予想。研究開発費や販管費の増加で減益となる見込み。
英アストラゼネカ(2024年12月期、2月6日発表)
売上高540億7300万ドル(前期比18%増、約8兆2087億円)、純利益70億3500万ドル(18%増、約1兆678億円)。SGLT2阻害薬「フォシーガ」(77億1700万ドル、29%増)や抗がん剤「タグリッソ」(65億8000万ドル、13%増)、がん免疫療法薬「イミフィンジ」(47億1700万ドル、17%増)など主力品が好調だった。25年12月期は1桁台後半の増収を予想している。
米ブリストル・マイヤーズスクイブ(2024年12月期、2月6日発表)
売上高483億ドル(前期比7%増、約7兆3309億円)、純利益は89億4800万ドルの赤字(約1兆3581億円の赤字、前期は80億2500万ドルの黒字)。米カルナ・セラピューティクス買収の費用で最終赤字となった。抗凝固薬「エリキュース」(133億3300万ドル、9%増)やがん免疫療法薬「オプジーボ」(93億400万ドル、3%増)、関節リウマチ治療薬「オレンシア」(36億8200万ドル、2%増)などは堅調だった。25年12月期は約455億ドルの売り上げを見込む。
米イーライリリー(2024年12月期、2月6日発表)
売上高450億4270万ドル(前期比32%増、約6兆8360億円)、純利益105億9000万ドル(102%増、約1兆6072億円)。糖尿病治療薬「マンジャロ」の売上高は115億4010万ドル(124%増)で、同成分の肥満症治療薬「ゼップバウンド」も49億2570万ドル(2702%増)を販売。抗がん剤「ベージニオ」(53億660万ドル、37%増)も伸びた。25年12月期の売上高予想は580億~610億ドルと大幅な増収を見込んでいる。