科研、STAT6阻害薬をJ&Jに導出…マイルストン最大1900億円/参天、眼瞼下垂治療薬を申請 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年12月26日)
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AnswersNews編集部
科研、STAT6阻害薬を米J&Jに導出…マイルストン最大1900億円
科研製薬は12月26日、前臨床開発段階にある「KP-723」を含むSTAT6阻害薬の開発プログラムを米ジョンソン・エンド・ジョンソンに導出する契約を結んだを発表した。STAT6プログラムはアトピー性皮膚炎や喘息などの2型炎症性疾患を対象に開発が進められており、科研はJ&Jに全世界での開発、製造、商業化に関するライセンスを許諾する。KP-723は臨床第1相(P1)試験完了まで科研が開発を進め、その後はJ&Jが引き継ぐ。国内の商業化権は科研が保持し、J&Jは共同プロモーション契約を結ぶオプション権を持つ。科研は2025年3月期中に一時金として3000万ドル(約47億円)を受け取る。マイルストンの総額は最大12億1750万ドル(約1900億円)に上り、発売後は世界売上高に対して1桁台後半~2桁台前半のロイヤリティを受け取る権利を有する。科研にとっては過去最大規模の導出契約となる。
参天、眼瞼下垂治療薬オキシメタゾリン塩酸塩を申請
参天製薬は12月26日、後天性眼瞼下垂治療薬「STN1013800」(一般名・オキシメタゾリン塩酸塩)を申請したと発表した。同薬は、αアドレナリン受容体に作用してミュラー筋を収縮させ、上眼瞼を拳上させる作用を持つ。国内P3試験では、プラセボと比較してMRD-1(瞳孔中心と上眼瞼縁の距離)を有意に改善した。参天は2020年に米Osmotica(現RVL Pharmaceuticals)から、日本、中国とその他のアジア諸国、EMEA(欧州・中東・アフリカ)諸国での権利を取得。米国ではRVLが「Upneeq」の製品名で成人の後天性眼瞼下垂の治療薬として販売している。
アクセリード、アステラスと研究支援契約…タンパク質分解誘導薬で
Axcelead Drug Discovery Partners(Axcelead DDP、神奈川県藤沢市)は12月26日、アステラス製薬とタンパク質分解誘導薬に関する化合物探索研究支援契約を結んだと発表した。Axcelead DDPは次世代の低分子創薬としてタンパク質分解誘導薬に力を入れており、合成技術、化合物ライブラリ、ハイスループットスクリーニング系、プロファイリングアッセイ系などからなる統合型ソリューション「DegLeadプラットフォーム」を提供している。契約に基づきAxcelead DDPは、同ソリューションを活用してアステラスのタンパク質分解誘導薬の研究開発を支援する。
がん研究センターと国際医療研究センター、臨床試験推進へ連携協定
国立がん研究センターと国立国際医療研究センターは12月25日、臨床試験の推進に関する連携協定を結んだと発表した。がん研究センター中央病院が臨床研究中核病院として培ってきた臨床試験実施の知見をもとに、国際医療研究センター病院を支援し、感染症領域の臨床試験実施基盤を整備。がんと感染症の連携による臨床開発の推進を目指す。国際医療研究センターは来年4月に国立感染症研究所と統合して国立健康危機管理研究機構となり、臨床試験ネットワークの中核機能を果たすことが求められている。