住友ファーマ、早期退職に604人応募/アステラス、売上収益予想1500億円上方修正 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年10月30日)
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AnswersNews編集部
住友ファーマ、早期退職に604人応募…募集の700人下回る
住友ファーマは10月30日、早期退職者の募集に604人が応募したと発表した。想定の約700人は下回った。早期退職実施に伴って発生する特別退職金と再就職支援費用は約54億円で、25年3月期第2四半期と第3四半期の決算に構造改善費用として計上する。募集は、11月末時点で40歳以上かつ勤続5年以上の社員を対象に、9月17日から10月11日にかけて実施。退職日は11月30日。
アステラス 売上収益1500億円上方修正、コア利益は一転増益へ
アステラス製薬は10月30日、2025年3月期の業績予想を上方修正したと発表した。修正後の予想は▽売上収益1兆8000億円(従来予想比1500億円増)▽営業利益800億円(320億円増)▽税引き前利益700億円(270億円増)▽当期利益500億円(200億円増)――。前期比では12.2%の増収、213.5%の営業増益となる。コアベースの営業利益、当期利益は従来の減益予想から一転して増益を見込む。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」や重点戦略製品の好調な販売と、為替レートが想定より円安で推移したことを反映した。
オリオンファーマ、ノバルティスから抗パーキンソン薬3品目承継
オリオンファーマ・ジャパンは10月30日、ノバルティスファーマから抗パーキンソン薬3品目の承認を承継すると発表した。対象品目は「スタレボ配合錠」(2品目)と「コムタン錠」で、承継日は12月20日。同日以降、オリオンファーマが情報提供活動を行う予定。承継は、オリオンファーマの親会社オリオンコーポレーション(フィンランド)とノバルティスとのライセンス契約満了に伴うもの。オリオンファーマ・ジャパンは今年1月に設立され、今月31日付でサンファーマから経皮吸収エストラジオール製剤「ディビゲル」を承継することになっている。
アイパーク アジア新興企業と海外投資家をマッチング、12月にボストンでイベント
アイパークインスティチュート(神奈川県藤沢市)は10月30日、アジアのスタートアップ企業と海外有力投資家との連携を目的としたイベントを12月に米ボストンで開くと発表した。一定の基準をクリアした日韓のスタートアップ約20社に現地のベンチャーキャピタルとのマッチングの機会を提供するとともに、投資家にアジアの投資環境を解説する講演を行う。
決算
アステラス製薬(24年4~9月期、10月30日発表)
▽売上収益9356億2100万円(前年同期比22.0%増)▽営業利益937億1000万円(69.9%増)▽税引き前利益890億4200万円(58.1%増)▽中間利益735億1100万円(105.3%増)――。主力の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」は25.1%増の4517億円を売り上げ、抗がん剤「パドセブ」など5つの重点戦略製品で900億円の増収となった。25年3月期の業績予想は売上収益1兆8000億円(従来予想比1500億円増)▽営業利益800億円(320億円増)に上方修正。イクスタンジと重点戦略製品の好調な販売に加え、為替レートが想定より円安で推移したことで、従来予想を大きく上回る。
住友ファーマ(24年4~9月期、10月30日発表)
▽売上収益1807億4900万円(前年同期比18.4%増)▽営業利益81億7900万円の赤字(前年同期は864億9800万円の赤字)▽中間利益322億2900万円の赤字(677億4100億円の赤字)――。前立腺がん治療薬「オルゴビクス」(355億円、83.0%増)、子宮筋腫・子宮内膜症治療薬「マイフェンブリー」(60億円、45.4%増)、過活動膀胱治療薬「ジェムテサ」(252億円、59.6%)の基幹3製品が販売を拡大。販管費や研究開発費を大きく減らしたことで赤字幅は縮小した。25年3月期の業績予想は従来予想(売上収益3380億円、営業利益0円)を据え置いた。
JCRファーマ(24年4~9月期、10月30日発表)
▽売上高166億5700万円(前年同期比31.4%減)▽営業利益7億3900万円の赤字(前年同期は68億9800万円の黒字)▽経常利益16億2100万円の赤字(71億2600万円の黒字)▽純利益6億9100万円の赤字(52億5300万円の黒字)――。契約金収入や受託製造売り上げの減少に加え、腎性貧血治療薬「エポエチンアルファBS注『JCR』」「ダルベポエチンアルファBS注『JCR』」の売り上げ減少が響いた。25年3月期の業績予想(売上高413億円、営業利益54億円)に変更はない。