医師向け総合臨床アプリ「Antaa」(アンター)に掲載されている薬剤情報の中で、2024年7~9月の会員医師(医学生を含む)による検索数が多い医薬品をランキングしました。
トップ3は「エンレスト」「デエビゴ」「リクシアナ」
2024年7~9月にアンターで医師が最も検索した薬剤は、ノバルティスファーマの慢性心不全治療薬「エンレスト錠/粒状錠小児用」(一般名・サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)でした。2位は前回(4~6月)に1位だった不眠症治療薬「デエビゴ錠」(レンボレキサント、エーザイ)で、3位は抗凝固薬「リクシアナOD錠/錠」(エドキサバントシル酸塩水和物、第一三共)。いずれも年間を通して検索数の多い薬剤です。
4位はファイザーの新型コロナウイルス感染症治療薬「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル/リトナビル)。7月から8月にかけて感染者が増加したことを背景に、検索数が伸びました。新型コロナ治療薬では、MSDの「ラゲブリオカプセル」(モルヌピラビル)も10位にランクイン。感染症領域では、あゆみ製薬の解熱鎮痛薬「カロナール原末/坐剤/坐剤小児用/細粒/錠/シロップ」(8位)や塩野義製薬の鎮咳薬「メジコン散/錠/配合シロップ」(12位)も上位に入っています。
6位と7位にはSGLT2阻害薬が並びました。6位が日本ベーリンガーインゲルハイムの「ジャディアンス錠」(エンパグリフロジン)で、7位がアストラゼネカの「フォシーガ錠」(ダパグリフロジン)。いずれも糖尿病と慢性心不全、慢性腎臓病の適応を持っています。
糖尿病領域ではこのほか、前回14位だったノボノルディスクファーマの経口GLP-1受容体作動薬「リベルサス錠」(セマグルチド)が9位にランクアップ。日本イーライリリーの「マンジャロ皮下注」(チルゼパチド)は12位に浮上しました。同薬は6月に限定出荷が解除されており、関心が高まったようです。
【ピックアップ】SGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬(配合剤含む)に絞って検索数をランキング。1位「ジャディアンス」と2位「フォシーガ」に続いたのは、ベーリンガーの「トラディアンス配合錠」でした。エンパグリフロジンとDPP-4阻害薬リグナプチンの配合剤で、適応は2型糖尿病です。糖尿病以外の適応を持つフォシーガとは、検索数に2倍程度の開きがありました。
4位はアステラス製薬の「スーグラ錠」(イプラグリフロジン)で、5位は「カナリア配合錠」(テネリグリプチン/カナグリフロジン)でした。
【データ提供】医師向け総合臨床アプリ「Antaa」(アンター)
スライドやオンデマンド配信、診療相談、薬剤検索などを提供し、医師が現場で行う判断を幅広くサポートする臨床アプリ。薬剤情報については、医師の処方の観点からほかの薬剤との比較を主眼に2万以上の薬剤の特徴を簡潔にまとめている。薬効検索や腎機能表示、疑義照会、レセプト返戻にも対応し、忙しい外来でも処方に必要な情報を確認できるのが特徴。全ての薬剤に専門医のコメントが掲載されており、処方した医師の実感などを確認できる。iOS・Androidアプリ。 |
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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