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リリーのアルツハイマー病薬「ケサンラ」承認/エーザイ、ALS治療薬「ロゼバラミン」承認 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年9月24日)

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AnswersNews編集部

(写真:ロイター)

 

リリー、アルツハイマー病薬「ケサンラ」日本で承認

日本イーライリリーは9月24日、早期アルツハイマー病治療薬「ケサンラ点滴静注液」(一般名・ドナネマブ)の承認を取得したと発表した。適応は「アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症の進行抑制」。アミロイドβを標的としたアルツハイマー病薬としては、エーザイの「レケンビ」(レカネマブ)に続いて2剤目となる。投与は4週間隔で、アミロイドPET検査でアミロイドβプラークの除去が確認された時点で投与を終了するのが特徴。アミロイドβプラークの除去が確認されなくても、原則として最長18カ月で投与を完了する。承認の根拠となった臨床第3相(P3)試験では、脳内タウ蓄積が軽度から中等度の患者で症状の進行を35%抑制した。

 

エーザイ、ALS治療薬「ロゼバラミン」承認

エーザイは9月24日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ロゼバラミン筋注用」(メコバラミン)の承認を取得したと発表した。末梢性神経障害などの治療薬として販売されている「メチコバール」と同成分で、同薬の承認用量の100倍量である50mgを週2回投与することでALSによる機能障害の進行を抑制する。エーザイは2006年から実施したP2/3試験の結果に基づいて15年に申請したが、追加試験が必要との判断から16年に申請を取り下げた。その後、徳島大を中心に行った医師主導P3試験で良好な結果が得られ、今年1月に再び申請を行っていた。

 

武田薬品、大腸がん治療薬「フリュザクラ」承認

武田薬品工業は9月24日、VEGFR阻害薬 「フリュザクラカプセル」(フルキンチニブ)の承認を日本で取得したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」。武田は中国のハッチメッドから中国本土と香港、マカオを除く全世界で同薬を開発・商業化・製造する権利を取得し、2023年11月に米国で、24年6月に欧州で承認を得ている。

 

ギリアド、抗TROP2 ADC「トロデルビ」の承認取得

ギリアド・サイエンシズは9月24日、抗TROP2抗体薬物複合体「トロデルビ点滴静注用」(サシツズマブ ゴビテカン)について、トリプルネガティブ乳がんの適応で承認を取得した。承認は、2つ以上の化学療法歴のある手術不能または再発のトリプルネガティブ乳がん患者を対象に行った海外P3試験と国内P2試験の結果に基づく。海外P3試験では、医師選択治療と比較して主要評価項目である脳転移のない患者集団の無増悪生存期間(PFS)を有意に改善。脳転移のある患者を含めた評価でも、PFSと全生存期間、客観的奏効率を有意に改善した。

 

ヤンセン、2新薬の承認取得…抗がん剤「ライブリバント」とPAH治療薬「ユバンシ」

ヤンセンファーマは9月24日、2つの新薬の承認を取得したと発表した。承認されたのは、抗がん剤「ライブリバント点滴静注」(アミバンタマブ)と肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬「ユバンシ配合錠」(マシテンタン/タダラフィル)。ライブリバントは抗EGFR/MET二重特異性抗体。適応は「EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」で、化学療法(カルボプラチンとペメトレキセドナトリウム)と併用する。薬価収載までの間、P3試験の実施施設で倫理的無償提供プログラムを行う。ユバンシはエンドセリン受容体拮抗薬マシテンタンとホスホジエステラーゼ5阻害薬タダラフィルの配合剤。提携先の日本新薬と共同で情報提供活動を行う。

 

ネクセラファーマ、不眠症薬「クービビック」が承認

ネクセラファーマは9月24日、不眠症治療薬「クービビック錠」(ダリドレキサント)の承認を取得したと発表した。スイス・イドルシアファーマシューティカルズの日本・APAC事業買収によって獲得したデュアルオレキシン受容体拮抗薬で、成人患者が対象。日本では、供給と共同開発・共同販売に関する独占的ライセンス契約を結ぶ持田製薬と共同で開発した。

 

エーザイ、FGFR阻害薬「タスフィゴ」承認

エーザイは9月24日、FGFR阻害薬「タスフィゴ錠」(タスルグラチニブコハク酸塩)が承認されたと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」。承認は、日本と中国で実施した非盲検・単群のP2試験などの結果に基づく。同試験では30.2%の奏効率を示し、事前に設定した閾値(15%)を統計学的に有意に上回った。

 

ブリストル、ROS1阻害薬「オータイロ」承認

ブリストル・マイヤーズスクイブは9月24日、ROS1阻害薬「オータイロカプセル」(レポトレクチニブ)が承認されたと発表した。適応は「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。承認は、ROS1、NTRK1~3またはALK融合遺伝子陽性の進行固形がん患者を対象に行ったP1/2試験のうち、ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん患者を対象としたP2パートで得られた結果に基づく。

 

大塚、ループス腎炎治療薬「ルプキネス」の承認取得

大塚製薬は9月24日、ループス腎炎治療薬「ルプキネスカプセル」(ボクロスポリン)の承認を取得したと発表した。T細胞の増殖・活性化に重要なカルシニューリンを阻害することで免疫抑制作用を発揮する薬剤。P3試験での腎奏患者の割合(投与開始52週時点)は40.8%で、プラセボ群の22.5%と比較して有意な差が認められた。大塚は2020年にオーリニア(カナダ)から日本と欧州での独占的開発販売権を取得。欧州では22年に承認を取得している。

 

ゼリア新薬、高カリウム血症治療薬「ビルタサ」の承認取得

ゼリア新薬工業は9月24日、高カリウム血症治療薬「ビルタサ懸濁用散分包」(パチロマーソルビテクスカルシウム)の承認を取得したと発表した。同薬は非吸収性の陽イオン吸着ポリマー。主に結腸管腔でカリウムを吸着し、糞便中へのカリウム排泄を増加させることで血清カリウム値を低下させる。ゼリア新薬は、豪CLS子会社のCSL Viforと2018年に同薬の独占的開発・販売に関する契約を結び、国内で臨床試験を進めてきた。

 

大塚「レキサルティ」認知症アジテーションへの適応拡大承認

大塚製薬は9月24日、抗精神病薬「レキサルティ」(ブレクスピプラゾール)について、「アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動または攻撃的言動」への適応拡大が承認されたと発表した。同適応での医薬品の承認は国内初。今回の適応は、海外では「アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション」として承認されている。認知症に伴う行動障害を評価する「CMAI合計スコア」を主要評価項目として行った国内P3試験では、プラセボとの比較で統計学的な有意差をもって有効性を示した。

 

「パドセブ」と「キイトルーダ」の併用、尿路上皮がん1次治療で承認

アステラス製薬とMSDは9月24日、抗ネクチン-4抗体薬物複合体(ADC)「パドセブ」(エンホルツマブ ベドチン)と抗PD-1抗体「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)の併用療法が、「根治切除不能な尿路上皮がんに対する1次治療」の適応で承認されたと発表した。標準治療である白金製剤を含む化学療法に代わる国内初の治療選択肢となる。P3試験では、化学療法群と比較した死亡リスクを53%、進行または死亡のリスクを55%減少させた。

 

SMA薬「エブリスディ」未発症患者に適応拡大

中外製薬は9月24日、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬「エブリスディドライシロップ」(リスジプラム)について、遺伝子検査により発症が予測されるSMAへの適応拡大と、生後2カ月未満の患者に対する用法・用量の追加が承認されたと発表した。症状の発現に関わらず、出生後のすべての年齢のSMA患者に投与できるようになった。SMAでは、発症前に運動ニューロンの脱落が始まるとされており、早期に治療を開始することで効果を高められる可能性がある。

 

アステラス「ビロイ」欧州で承認

アステラス製薬は9月24日、抗CLDN18.2抗体「ビロイ」(ゾルベツキシマブ)が欧州で承認されたと発表した。適応は「CLDN18.2陽性、HER2陰性の切除不能な局所進行性または転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの1次治療」で、フッ化ピリミジンおよび白金製剤を含む化学療法と併用する。同薬は今年3月に日本で世界初の承認を取得し、8月には英国でも承認された。

 

大鵬薬品、MET阻害薬「ハイイータン」10月11日発売

大鵬薬品工業は9月24日、MET阻害薬「ハイイータン錠」(グマロンチニブ水和物)を10月11日に日本で発売すると発表した。適応は「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」で、日本では中国Haihe Biopharmaの日本法人・海和製薬が6月に承認を取得。ライセンス契約に基づいて大鵬薬品が販売と情報提供を行う。薬価は50mg1錠4382.30円で、ピーク時に16億円の販売を見込む。

 

第一三共、JN.1対応コロナワクチン「ダイチロナ」発売

第一三共は9月24日、オミクロン株JN.1に対応した新型コロナウイルス感染症ワクチン「ダイチロナ筋注」を発売したと発表した。10月から始まる定期接種などで使用される。現在日本で流行しているオミクロン株KP.3に対しても、血中中和活性を示すことが確認されている。

 

キッセイ、MSDから糖尿病薬「マリゼブ」を承継

キッセイ薬品工業は9月24日、MSDから糖尿病治療薬「マリゼブ錠」(オマリグリプチン)の製造販売承認を承継したと発表した。同薬は週1回投与のDPP-4阻害薬。MSDが2015年11月に発売し、20年4月にキッセイに販売移管。以降、同社が販売元として販売と情報提供・収集を行っている。

 

あすか製薬、テックドクターと月経困難症のデジタルバイオマーカー研究

あすか製薬は9月24日、テックドクター(東京都中央区)と月経困難症に関する共同研究を始めたと発表した。研究には、4MEEE(同新宿区)が提供する女性向けヘルスケアアプリ「4MOON」のユーザーが協力。ウェアラブルデバイスから取得した運動・睡眠・脈拍などのデータを活用し、月経に伴う身体的・心理的な症状の実態を把握することで。将来的に月経困難症などの重症度を定量的に評価するデジタルバイオマーカーの開発を目指す。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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