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ゾコーバ、グローバルP3で主要評価項目未達/アイロムGがMBO など|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年5月13日)

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AnswersNews編集部

 

塩野義「ゾコーバ」グローバルP3で主要評価項目達成できず

塩野義製薬は5月13日、新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」(一般名・エンシトレルビル フマル酸)のグローバル臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を達成できなかったと発表した。試験は、北米、南米、欧州、アフリカ、日本含むアジアで、軽症・中等症の非入院成人患者を対象に実施。主要評価項目は「COVID-19の15症状が持続的に消失(2日間の症状消失維持)するまでの時間のプラセボ投与群との比較」だった。一方、アジアで実施し、日本での承認の根拠ともなったP2/3試験のP3パートと同様の副次解析では、有意な症状消失までの時間の短縮が認められたという。

塩野義は「アジアP2/3試験より治療開始時のウイルス量が低い患者の占める割合が高く、ウイルス量の早期低下による臨床症状の改善効果を検証することが困難だった。しかし、このような条件下でも症状の改善傾向が示されたことは臨床的に意義があると考えている」としている。同社は各国の規制当局と協議を続ける。

 

アイロムGがMBO、米ブラックストーンが買収

アイロムグループは5月13日、マネジメント・バイアウト(MBO、経営陣が参加する買収)を行うと発表した。米ブラックストーンが買収し、非公開化する。最終的な持ち分は、ブラックストーン55%、創業家45%となる予定。森豊隆社長はMBO後も引き続き経営を担う。ブラックストーンの支援を受けて組織を強化し、同社のグローバルネットワークを活用して案件獲得を進めるほか、M&Aの機会も模索する。TOB価格は1株2800円で、13日の終値に約50%を上乗せした水準となる。

 

スズケン・FRONTEO・塩野義、認知症診断支援AIの社会実装へ提携

スズケンとFRONTEO、塩野義製薬は5月13日、会話型認知症診断支援AIプログラムの社会実証に向けて協業すると発表した。FRONTEOはスズケン、塩野義とそれぞれ提携しているが、3社で協議した結果、協業に合意した。協業では、FRONTEOと塩野義が主体となって開発を行い、スズケンが独占的に卸流通を担う。

 

エーザイ「フィコンパ」中国で適応拡大

エーザイは5月13日、抗てんかん薬「フィコンパ」(ペランパネル水和物)について、中国で「12歳以上のてんかん患者の強直間代発作に対する併用療法」への適応拡大の承認を取得したと発表した。中国では2020年に発売。▽12歳以上のてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法▽てんかんの部分発作に対する単剤療法▽4歳以上の小児てんかんの部分発作に対する併用・単剤療法――で承認を取得していた。

 

決算

塩野義製薬(2024年3月期、5月13日)

▽売上収益4350億8100万円(前期比2.0%増)▽営業利益1533億1000万円(2.9%増)▽税引前利益1982億8300万円(10.0%減)▽当期利益1620億3000万円(12.4%減)――。抗HIV薬のロイヤリティ収入や抗菌薬「フェトロージャ」の欧米での販売などが伸びた。国内医療用医薬品は1511億円で15.9%減。前期に新型コロナ治療薬「ゾコーバ」の政府購入による売り上げを計上していた反動もあり、大幅な減収となった。25年3月期は売上収益4550億円(4.6%増)、営業利益1600億円(4.4%増)を見込む。

 

サワイグループHD(2024年3月期、5月13日)

▽売上収益1768億6200万円(前期比8.0%増)▽営業利益186億2000万円(16.0%増)▽税引前利益182億6200万円(15.2%増)▽当期利益136億9500万円(8.1%増)――。新製品の売り上げ拡大で増収増益となった。25年3月期は売上収益2020億円(14.2%増)、営業利益260億円(39.6%増)を予想。第二九州工場新固形剤棟の稼働開始などでコストは増加するものの、新製品や主力品の拡大で増収増益を見込む。

 

帝人(2024年3月期、5月13日発表)

ヘルスケア事業の売上高は1447億円(前期比3.9%減)、営業利益73億円(70.9%減)。アセンディス・ファーマ(デンマーク)からホルモン治療薬を導入したことに伴う契約一時金の支払いなどで大幅減益。痛風・高尿酸血症治療薬「フェブリク」は後発医薬品の影響で74億円(49.0%減)まで売り上げを落とした。帝人は25年3月期から国際会計基準(IFRS)を適用し、ヘルスケア事業で売上高1400億円(IFRSベースの前期実績から50億円減)、営業利益85億円(同95億円減)を見込む。

 

持田製薬(2024年3月期、5月13日発表)

▽売上高1028億8500万円(前期比0.4%減)▽営業利益58億200万円(31.8%減)▽経常利益60億3700万円(33.5%減)▽当期純利益45億4700万円(31.6%減)――。潰瘍性大腸炎治療薬「リアルダ」(145億円、7%増)や慢性便秘症治療薬「グーフィス」(77億円、12%)などが伸びた一方、抗うつ薬「レクサプロ」が後発医薬品の影響で減少。円安による原薬・製剤の輸入価格の上昇も響いた。25年3月期は売上高1060億円(3.0%増)、営業利益75億円(29.3%増)を予想している。

 

生化学工業(2024年3月期、5月13日発表)

▽売上高362億1300万円(前期比8.2%増)▽営業利益4億3300万円(79.5%減)▽経常利益16億9100万円(44.9%減)▽当期純利益21億8600万円(2.2%減)――。棚卸資産の評価減、生産体制強化に向けた設備メンテナンスの前倒し、LAL事業の費用増が利益を圧迫した。25年3月期は売上高400億円(10.5%増)、営業利益39億5000万円(812.1%増)を見込む。

 

日本ケミファ(2024年3月期、5月13日発表)

▽売上高307億4800万円(前期比2.6%減)▽営業利益4億9400万円の赤字(前期は2億4100万円の赤字)▽経常利益2億1900万円の赤字(5800万円)▽純利益1億8000万円の赤字(3億3900万円)――。薬価改定や出荷調整が響いた。25年3月期は売上高315億円(2.4%増)、営業利益2億円を予想している。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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