参天 アイリーア高濃度製剤発売/アンジェス、早老症薬5月発売…導入元先破産申請も「必要数入荷済み」 など|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年4月17日)
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AnswersNews編集部
参天製薬「アイリーア」高濃度製剤を発売…ピーク時売り上げ351億円予測
参天製薬とバイエル薬品は4月17日、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア硝子体内注射液」(一般名・アフリベルセプト)の高濃度製剤を発売したと発表した。適応は、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫。従来製剤より高濃度とすることで、2カ月ごとの投与を16週ごとに減らすことができる。薬価は8mg0.07mL1瓶18万1763円。ピーク時に351億円の売り上げを見込む。
アンジェス、早老症薬「ゾキンヴィ」5月発売…導入元破産申請も「当面の必要数入荷済み」
アンジェスは4月17日、同日付で薬価収載された早老症治療薬「ゾキンヴィ」(ロナファルニブ)を5月中に発売すると発表した。同薬をめぐっては、導入元の米アイガー・バイオファーマシューティカルズが日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条の適用を申請しているが、アンジェスは「当面必要と想定される数はすでに国内に入荷している」としている。同薬は、早老症のうちハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群とプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチーを対象としている。薬価は50mg1カプセル9万1796.40円、75mg1カプセル13万6544.00円で、ピーク時の販売予測は7億円。
アレクシオン、PNH治療薬「ボイデヤ」発売
アレクシオンファーマは4月17日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬「ボイデヤ」(ダニコパン)を発売したと発表した。同薬は補体D因子阻害薬で、C5阻害薬による治療を行っても十分な効果が得られない場合に、C5阻害薬と併用して使用する。C5阻害薬による治療を受けている患者の10~20%は臨床的に問題となる血管外溶血を起こすとされ、ボイデヤはこうした患者のニーズに対応する。薬価は50mg1錠2259.20円。ピーク時に5.3億円の販売を見込む。同薬の発売は日本が世界初となる。
ウルトラジェニクス、HoFH治療薬「エヴキーザ」発売
ウルトラジェニクスジャパンは4月17日、ホモ接合体家族性高コレステロール血症(HoFH)治療薬「エヴキーザ点滴静注液」(エビナクマブ)を発売したと発表した。同薬は、脂質代謝で重要な役割を果たすアンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)を標的とした抗体医薬。LDL受容体の有無と関係なくLDLコレステロール値を低下させる。HoFHは指定難病で、2022年度の特定疾患医療受給者証保持者は398人。薬価は345mg2mL1瓶140万9928円。ピーク時に58億円の販売を見込む。
アルジェニクス「ヒフデュラ」発売
アルジェニクスジャパンは4月17日、全身型重症筋無力症治療薬「ヒフデュラ配合皮下注」(エフガルチギモド アルファ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)を発売したと発表した。抗胎児性Fc受容体抗体フラグメント製剤「ウィフガート」に浸透促進剤であるボルヒアルロニダーゼ アルファを配合した薬剤。調製手順が簡略化され、投与時間も短くなることから、患者や医療従事者の負担軽減が期待される。在宅での自己注射も可能。薬価は5.6mL1瓶60万4569円。ピークに208億円の販売を見込む。
エーザイ「フィコンパ」静注製剤を発売
エーザイは4月17日、抗てんかん薬「フィコンパ点滴静注」(ペランパネル水和物)を発売したと発表した。手術時など既存の経口剤(錠剤、顆粒剤)を一時的に服用できない場合に使用する。薬価は2mg1瓶1962円で、ピーク時の販売予測は1.3億円。
武田、事実婚・同性婚パートナーにも福利厚生
武田薬品工業は4月17日、今月1日から事実婚・同性婚パートナーも新たに福利厚生の対象にしたと発表した。事実婚・同性婚のパートナーも、休暇・休職、住宅・転勤サポートといった福利厚生を提供する。制度変更にあわせて、従来の問い合わせ窓口に加えて福利厚生に特化した専用相談窓口を設置。プライバシーに配慮した運営を行う。
決算
独ベーリンガーインゲルハイム(2023年12月期、4月16日発表)
売上高256億ユーロ(約4兆2100億円、為替調整後で前期比9.7%増)。医療用医薬品事業は前期比10.3%増の208億ユーロで、SGLT2阻害薬「ジャディアンス」ファミリー(74億ユーロ、31.0%増)や抗線維化薬「オフェブ」(35億ユーロ、12.8%増)が好調だった。24年12月期は売上高が「やや増加する」と予想している。