「エンハーツ」米国でがん種横断の適用が承認/レナリスファーマ、IgA腎症薬の国内P3開始へ|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年4月8日)
更新日
AnswersNews編集部
第一三共「エンハーツ」米国でがん種横断の適応が承認
第一三共は4月8日、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)について、米国で「前治療歴があり代替の治療手段のない切除不能または転移性のHER2陽性固形がん」への適応拡大の承認を取得したと発表した。がん種横断的な抗HER2療法の承認は初。米国では5つ目の適応となる。承認は、前治療歴のあるHER2発現の進行性固形がん(胆道がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、膵臓がん、希少がん)、非小細胞肺がん、大腸がんを対象とした3つの臨床第2相(P2)試験などの結果に基づく。承認は検証的試験で臨床的有用性を検証することが条件となっている。
レナリスファーマ、IgA腎症治療薬の国内P3試験開始へ
レナリスファーマ(東京都中央区)は4月8日、IgA腎症治療薬sparsentanの国内P3試験を始めると発表した。約30人の患者を登録する予定で、今年下期に最初の患者登録を予定している。同薬は米トラヴィア・セラピューティクスが開発し、レナリスファーマは日本や韓国などアジア13カ国・地域で独占的に開発・商業化するライセンスを保有している。米国では2023年に迅速承認されており、トラヴィアは正式承認を申請中。レナリスファーマは日本やアジアで腎臓病に関連する医薬品を開発するために23年4月に設立された。
ヤンセン、アミバンタマブとラゼルチニブの併用療法を申請
ヤンセンファーマは4月8日、抗EGFR/MET二重特異性抗体アミバンタマブとEGFRチロシンキナーゼ阻害薬ラゼルチニブの併用療法を申請したと発表した。申請した適応は「EGFR遺伝子変異陽性(EGFRエクソン19欠失変異、エクソン21のL858 R変異を含む)の手術不能または再発非小細胞肺がん」。EGFR遺伝子変異を有する局所進行性・転移性非小細胞肺がんの1次治療を対象に行ったP3試験では、EGFR阻害薬オシメルチニブ(製品名・タグリッソ)との比較で主要評価項目の無増悪生存期間を統計学的に有意に延長した。ヤンセンは昨年11月、アミバンタマブと化学療法の併用療法をEGFRエクソン20挿入変異を有する手術不能または再発非小細胞肺がんを対象に申請している。
久光「エアーアロンパス」など限定出荷・供給停止…製造業者の試験管理体制に不備
久光製薬は4月8日、いずれも一般用医薬品(OTC)のスプレー式鎮痛消炎剤「エアーサロンパス」とスプレー式水虫・たむし治療薬「ブテナロックVα」について、限定出荷・供給停止すると発表した。製造業者が所管官庁から試験管理体制に不備があるとの指導を受けたため。限定出荷・供給停止の時期については、詳細がわかり次第、公表するとしている。対象製品は▽エアーサロンパスジェットα▽エアーサロンパスZ▽エアーサロンパスDX▽ブテナロックVαエアー▽ブテナロックVα爽快パウダー――。