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【ビジュアル解説】新薬創出加 314成分が薬価維持、市場拡大算定 23成分が薬価引き下げ【詳報・2024年度薬価改定1】

更新日

前田雄樹

4月に行われる2024年度薬価改定の内容が3月5日、告示されました。改定の概要をビジュアルを交えて詳報します。

 

関連記事:【ビジュアル解説】新設の後発品企業指標 124品目が別価格帯に、不採算品再算定は1943品目に適用【詳報・2024年度薬価改定2】

 

「ドラッグ・ラグ/ロスの解消」と「後発医薬品をはじめとする医薬品の安定供給」が大きなテーマとなった24年度の薬価改定。2年に1回の通常改定にあたる今回の改定率は、医療費ベースでマイナス0.97%、薬剤費ベースでマイナス4.67%。このうち、実勢価に基づく改定分は医療費ベースでマイナス0.83%、薬剤費ベースでマイナス4.00%となります。

 

 

新薬創出加算、49成分が平均乖離率上回り薬価維持できず

新薬創出・適応外薬解消等促進加算の適用を受けるのは314成分506品目で、これらは改定前の薬価が維持されます。

 

【2024年度薬価改定主な改定項目と対象品目数【1】】新薬創出・適応外薬解消等促進加算①/要件に該当する新薬の薬価を後発品の収載まで維持する改定ルール。後発品が収載されると、直後の改定で加算の累積額を控除して薬価を引き下げる。◆加算の適用を受けた品目〈要件/成分数/品目数/前回(23年度改定)成分数/前回(23年度改定)品目数〉希少疾病用医薬品/171成分/243品目/206成分/306品目/開発公募品/12成分/22品目/13成分/23品目/加算適用品89成分/173品目/89製品/169品目/新規作用機序医薬品/25成分/40品目/40成分/58品目/新規作用機序医薬品から/3年・3番手以内/16成分/25品目/22成分/44品目/小児加算対象品/1成分/3品目/-/-/合計/314成分/506品目/370成分/600品目|加算額/約314億円|◆加算額が控除された品目〈成分数/品目数//前回(22年度改定)成分数/前回(22年度改定)品目数〉79成分/149品目/65成分/145品目|控除額〈24年度/22年度〉/約885億円/約860億円※加算額の控除は2年に1回の通常改定時のみ

 

24年度の薬価制度改革では、企業の新薬開発の実績に応じて加算に差をつける「企業指標」が廃止され、対象品目は改定前の薬価を維持できるよう加算額の計算式を変更。一方で、乖離率が全医薬品の平均を上回る品目には加算を適用せず、5年間新薬開発の実績がない企業の品目は対象から除外する見直しも行われました。

 

今回の改定では、49成分78品目が乖離率の要件によって薬価を維持できず、6社の7成分10品目が企業要件で加算の対象外となりました。薬価が維持されなかった品目には、糖尿病治療薬のDPP-4阻害薬やSGLT-2阻害薬などが含まれています。

 

【2024年度薬価改定主な改定項目と対象品目数【2】】新薬創出・適応外薬解消等促進加算②▽24年度改定でのルール見直し/加算額の計算式を変更し、改定前の薬価を維持する/乖離率が全医薬品の平均を超える品目には加算を適用しない/企業要件を満たさない企業の品目には加算を適用しない|◆新薬創出加算の対象品目数・企業数〈成分数/品目数/企業数〉①加算の対象で、薬価が維持された品目/314成分/506品目/99社/②加算の対象だが、乖離率の条件で薬価が維持されなかった品目/49成分/78品目/27社/③加算の対象だが、市場拡大再算定の対象となり薬価が下がった品目/21成分/39成分/14社/①~③の合計/372成分/623品目/105社/企業要件で加算の対象外になった品目/2成分/10品目/6社

 

後発品が収載されるなどして加算の対象から外れ、これまでの加算額を控除(返還)したのは79成分149品目。24年度改定での加算額は計約314億円だった一方、控除額は計約885億円に上りました。

 

新薬創出加算の対象となった成分数が最も多かったのは、24成分のノバルティスファーマ。2位は19成分のサノフィ、3位は18成分のヤンセンファーマと武田薬品工業でした。

 

【2024年度薬価改定主な改定項目と対象品目数【3】】新薬創出・適応外薬解消等促進加算③◆加算対象成分数上位10社〈順位/社名/成分数〉1/ノバルティスファーマ/24成分/2/サノフィ/19成分/3/ヤンセンファーマ・武田薬品工業/18成分/4/ファイザー/16成分/5/中外製薬/13成分/6/MSD/12成分/7/アストラゼネカ/11成分/8/第一三共・ノーベルファーマ/10成分

 

改定時加算、9成分が「充実」の恩恵

薬価収載後の適応拡大やエビデンスの構築を評価する改定時加算は、計13成分23品目が対象となりました。内訳は▽小児適応の追加が11成分19品目▽希少疾病の適応追加が1成分2品目▽特定用途の適応追加が1成分2品目▽市販後の真の臨床的有用性の検証が1成分2品目――となっています。

 

【2024年度薬価改定主な改定項目と対象品目数【4】】改定時加算/薬価収載後の適応拡大(小児適応、希少疾病など)や臨床的有用性の検証を評価する加算〈加算の種類/成分数/品目数/24年度改革で加算を充実させた成分数/24年度改革で加算を充実させた品目数/前回(22年度)成分数/前回(22年度)品目数〉小児適応の追加/11成分/8成分/19品目15品目/10成分/29品目/希少疾病の適応追加/1成分/1成分2品目/2品目/15成分/39品目/先駆的医薬品に指定されている適応の追加/0成分/-/0品目/-/1成分/1品目/特定用途医薬品に指定されている適応の追加/1成分/1成分/2品目/2品目/0成分/0成分/市販後の真の臨床的有用性の検証/1成分/-/2品目/-/0成分/0成分/合計13成分/-/23品目/26成分/69品目

 

24年度の薬価制度改革では、小児や希少疾病の適応追加に関する加算について、治験実施の困難さなどを踏まえて加算率を柔軟に判断できるよう運用の見直しを行うこととされ、今回の改定では合わせて9成分がこの恩恵を受けました。ノバルティスファーマのJAK阻害薬「ジャカビ錠」は、小児と希少疾病の2つの加算が併算定され、8.3~9.0%の薬価引き上げとなります。

 

【2024年度薬価改定主な改定項目と対象品目数【4】】改定時加算の対象品目

 

市場拡大再算定「オプジーボ」共連れで15%引き下げ

市場拡大再算定は23成分38品目に適用されます。

 

引き下げ幅が大きいのは、バイエル薬品の抗がん剤「ネクサバール錠」(マイナス31.3%)やギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス感染症治療薬「ベクルリー点滴静注用」(マイナス25.0%)、中外製薬の視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬「エンスプリング皮下注」(同)など。ネクサバールはエーザイの「レンビマカプセル」の類似品として再算定を受けましたが、レンビマは「真の臨床的有用性の検証に係る加算」で下げ幅が緩和されており、ネクサバールの方が引き下げ幅が大きくなりました。

 

再算定が繰り返し適用されている免疫チェックポイント阻害薬では、メルク・バイオファーマの「バベンチオ点滴静注」と、その類似品として小野薬品工業の「オプジーボ点滴静注」が対象となりました。引き下げ率はいずれも15.0%。24年度薬価制度改革では、市場拡大再算定の類似品の扱いについて、免疫チェックポイント阻害薬を念頭に特定の領域で適用を除外することになっていますが、見直しが適用されるのは4月以降の四半期再算定からで、オプジーボは「共連れ」を免れることはできませんでした。

 

【2024年度薬価改定主な改定項目と対象品目数【5】】市場拡大再算定/予想を超えて売り上げが大きくなった医薬品の薬価を引き下げるルール◆対象品目数〈成分数/告示数/品目数〉23成分/38品目/38品目|◆引き下げ率〈品目/類似品/社名/引き下げ率〉リンヴォック錠/アッヴィ/-/▲15.0%/オルミエント錠/◯/日本イーライリリー/▲15.0%/サイバインコ錠/◯/ファイザー/▲15.0%/ジセレカ錠/◯/ギリアド/▲15.0%/スマイラフ錠/◯/アステラス製薬/▲15.0%/ゼルヤンツ錠/◯/ファイザー▲15.0%/イクスタンジ錠*/-/アステラス製薬▲11.5%/アーリーダ錠*/◯ヤンセンファーマ/▲11.1%/ニュベクオ錠*/◯/バイエル薬品/▲10.8%/レンビマカプセル*/-/エーザイ/▲15.0%/ネクサバール錠/◯/バイエル薬品/▲31.3%/イムブルビカカプセル/-/ヤンセンファーマ/▲15.0%/カルケンスカプセル/◯/アストラゼネカ/▲15.0%/ベレキシブル錠/◯/小野薬品工業/▲15.0%/ステラーラ皮下注/-/ヤンセンファーマ/▲11.6%/プラリア皮下注/-/第一三共/▲11.4%/ボックスゾゴ皮下注 /-/BioMarin/▲14.0%/アドセトリス点滴静注用*/-/武田薬品工業/▲18.0%/エンハーツ点滴静注用*/-/第一三共/▲2.6%/バベンチオ点滴静注*/-/メルクバイオ/▲15.0%/オプジーボ点滴静注/-/◯/小野薬品工業/▲15.0%/ベクルリー点滴静注用*/-/ギリアド/▲25.0%/エンスプリング皮下注/-中外製薬/▲25.0%|※*は加算で引き下げ率が緩和。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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