アステラス、国内営業組織を再編…「オンコロジー」「スペシャリティケア」の2領域に
アステラス製薬は2月7日、国内の営業組織を再編すると発表した。「オンコロジー」と「スペシャリティケア」の2つの領域体制とし、それぞれにセールスとマーケティングの機能を配置。MRが所属する組織として、オンコロジーセールスに泌尿器がん営業部と血液がん営業部を、スペシャリティケアセールスにRA(リウマチ)営業部とスペシャリティケア営業部を設置する。さらに、データに基づいたオムニチャネル戦略の企画・実行・検証を担うカスタマーエクセレンス部を設置するとともに、オンライン専門MRの活動強化に向けてオンラインカスタマーエンゲージメント部を新設する。新体制は4月1日にスタートする。
オンコリス「テロメライシン」富士フイルム富山化学と販売提携
オンコリスバイオファーマは2月7日、食道がんを対象に開発している腫瘍溶解性ウイルス「テロメライシン」(OBP-301)について、富士フイルム富山化学と販売提携契約を結んだと発表した。一時金は発生せず、オンコリスは承認取得時や販売の達成に応じたマイルストンを富士フイルム富山化学から受け取る。オンコリスは臨床第2相(P2)試験の結果に基づいて申請を行う方針で、2024年にベルギーで商用製造を開始する予定。
参天 地震で被災の能登工場、3月中に全面再開
参天製薬は2月7日、能登半島地震で被災した能登工場(石川県宝達志水町)について、3月から順次、生産ラインを稼働させ、3月中に全面再開する予定だと発表した。同工場は地震で建物や設備が被害を受け、生産を一時停止していた。倉庫など一部の機能は1月末から稼働を再開している。
協和キリン、米社から骨系統疾患治療薬を導入
協和キリンは2月7日、米ブリッジバイオ・ファーマと、同社傘下の米QEDセラピューティクスが開発しているFGFR3阻害薬infigratinibの骨系統疾患を対象とした日本での開発・販売に関するライセンス契約を結んだと発表した。協和キリンは1億ドルの契約一時金と最大20%台後半のロイヤリティ、マイルストンを支払う。QEDは昨年12月に小児軟骨無形成症を対象に日本を除くグローバルP3試験を開始。協和キリンは年内にPMDA(医薬品医療機器総合機構)との議論を始め、2025年の臨床試験開始を目指す。
デンカ、ノロウイルスワクチンの開発中止
デンカは2月7日、独子会社アイコン・ジェネティクスで進めていたノロウイルスワクチンの開発を中止すると発表した。臨床第2相(P2)試験の準備を進めていたが、新型コロナウイルス感染症流行の影響で試験スケジュールが遅れる見通しとなり、開発費用も想定より大きくなることが判明。mRNAワクチンの台頭で開発競争の激化も予想されることから、開発を中止してほかの注力事業に経営資源を配分するのが合理的と判断した。デンカは2015年にアイコンを買収しており、開発中止に伴ってのれんの減損損失など約68億円の特別損失を24年3月期第3四半期決算に計上した。
決算
協和キリン(2023年12月期、2月7日発表)
▽売上収益4422億3300万円(前期比11.0%増)▽コア営業利益967億8500万円(11.6%増)▽税引前利益972億4600万円(43.9%増)▽当期利益811億8800万円(51.5%増)――。グローバル戦略品のFGF関連疾患治療薬「クリースビータ」が前期比20.0%増の1525億円と伸び、抗がん剤「ポテリジオ」も好調だった。国内は、腎性貧血治療剤「ダーブロック」などが売り上げを拡大したものの、オーソライズド・ジェネリック(AG)の「ダルベポエチンアルファ『KKF』」の減収などが響き、1.1%の売り上げ減となった。24年12月期は売上収益4730億円(7.0%増)、コア営業利益850億円(12.2%減)を予想。グローバル戦略品の伸長や技術収入による増収を見込む一方、研究開発費を中心とする費用増により減益となる見通し。
米イーライリリー(2023年12月期、2月6日発表)
売上高341億2410万ドル(約5兆514億円、前期比20%増)、営業利益64億5790万ドル(9%減)、純利益52億4040万ドル(16%減)。2型糖尿病治療薬「マンジャロ」が51億6310万ドル(前期は4億8250万ドル)を売り上げ、業績を牽引。抗がん剤「ベージニオ」(38億6340万ドル、56%増)、乾癬治療薬「トルツ」(27億5960万ドル、11%増)、SGLT-2阻害薬「ジャディアンス」(27億4470万ドル、33%増)なども好調だった。昨年11月に米国と英国で承認された、マンジャロと同成分の肥満症治療薬「ゼップバウンド」は売上高1億7580万ドルだった。24年12月期は、売上高404億~416億ドルを見込む。
米ギリアド・サイエンシズ(2023年12月期、2月6日発表)
売上高271億1600万ドル(約4兆144億円、前期比0.6%減)、営業利益76億500万ドル(3.8%増)、純利益56億6500万ドル(23.4%増)。新型コロナウイルス感染症治療薬「ベクルリー」の売り上げが44%減の21億8400万ドルと落ち込んだものの、HIVやオンコロジーの売り上げ拡大でカバー。抗HIV薬「ビクタルビ」は売上高118億ドル5000万ドル(14.1%増)に達し、CAR-T細胞療法「イエスカルタ」(14億9800万ドル、29.1%増)や抗Trop-2抗体薬物複合体「Trodelvy」(10億6300万ドル、56.3%増)なども伸びた。24年12月期は、製品売上高271億~275億ドルを予想(23年12月期は269億3400万ドル)。ベクルリーは約13億ドルを見込む。
米アムジェン(2023年12月期、2月6日発表)
売上高281億9000万ドル(約4兆1732億円、前期比7.1%増)、営業利益78億9700万ドル(17.4%減)、純利益67億1700万ドル(2.5%増)。高コレステロール血症治療薬「レパーサ」(16億3500万ドル、26%増)や骨粗鬆症治療薬「イベニティ」(11億6000万ドル、47%増)などが売り上げを拡大。昨年10月に買収した米ホライゾン・セラピューティクスの製品も増収に寄与した。24年12月期は324億~338億ドルの売り上げを予想している。