味の素、米国の遺伝子治療CDMOを買収…828億円
味の素は11月13日、米国の遺伝子治療CDMO、フォージバイオロジクスホールディングスを買収すると発表した。米国子会社が約5億5400万ドル(約828億円)で同社の全株式を取得し、完全子会社化する。2020年に設立されたフォージは、アデノ随伴ウイルス(AAV)とプラスミドDNAの製造能力を持ち、高純度・高収率のAAVベクター生産技術を保有。すでに多くのバイオテック企業から初期臨床向けのGMP製造を受託しているという。味の素は買収を通じてヘルスケア領域で注力するCDMO事業を強化。遺伝子治療薬製造のノウハウを展開することで細胞医療への参入を目指すなど、先端医療分野での取り組みを加速させる。買収は12月に完了する予定。
ユーシービー「ビンゼレックス」化膿性汗腺炎への適応拡大申請
ユーシービージャパンは11月10日、抗IL-17A/IL-17F抗体「ビンゼレックス皮下注」(一般名・ビメキズマブ)について、化膿性汗腺炎への適応拡大を申請したと発表した。申請は、中等度から重度の患者を対象に行った2つの臨床第3相(P3)試験の結果に基づく。同薬は日本で2022年に乾癬治療薬として承認。今年1月には乾癬性関節炎と体軸性脊椎関節炎への適応拡大を申請している。ビンゼレックスの化膿性汗腺炎への使用は、まだ世界のどの国・地域でも承認されていない。
決算
日本新薬(23年4~9月期、11月13日発表)
▽売上収益733億1400万円(前年同期比3.1%増)▽営業利益208億7800万円(9.0%増)▽税引前四半期利益211億4600万円(9.0%増)▽四半期利益161億7600万円(6.3%増)。肺動脈性肺高血圧症・慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ」やデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」などが売り上げを伸ばし、ウプトラビのロイヤリティ収入も増加。機能食品事業も好調だった。24年3月期の業績予想は、売上収益1470億円(従来予想比20億円増)、営業利益335億円(15億円増)に上方修正した。
東和薬品(23年4~9月期、11月13日発表)
▽売上高1073億9600万円(前年同期比18.7%増)▽営業利益70億300万円(117.5%増)▽経常利益102億3300万円(122.0%増)▽純利益69億5300万円(158.3%増)。近年の追補品を中心に販売数量が伸び、販管費の消化が遅れたことで利益も拡大。円安によるデリバティブ評価益の発生で経常利益、純利益も大幅に増加した。24年3月期の業績予想は、従来予想(売上高2163億円、営業利益118億円)を据え置いた。