中央社会保険医療協議会(中医協)総会は5月17日、日本イーライリリーの潰瘍性大腸炎治療薬「オンボー点滴静注/皮下注」やアッヴィのパーキンソン病治療薬「ヴィアレブ配合持続皮下注」など新薬11成分17品目の薬価収載を了承した。収載は24日付。今年3月に承認を取得し、5月の薬価収載が見込まれていたノボノルディスクファーマの肥満症治療薬「ウゴービ皮下注」は収載されなかった。
「オンボー皮下注」ピーク時に売上高291億円
日本イーライリリーの「オンボー点滴静注/皮下注」(一般名・ミリキズマブ)は、潰瘍性大腸炎治療薬の抗IL23-p19抗体。薬価はアッヴィの同抗体「スキリージ」を最類似薬とする類似薬効比較方式Iで算定され、点滴静注(350mg15mL1瓶)が19万2332円、皮下注(100mg1mL1キット/100mg1mL1筒)が12万6798円となった。点滴静注は寛解導入療法が対象で、皮下注はその後の維持療法に使用する。ピーク時の売上高予測は、点滴静注が24億円、皮下注が291億円。
潰瘍性大腸炎治療薬では、オンボー皮下注と同様に維持療法に使用する抗α4β7インテグリン抗体「エンタイビオ皮下注」(ベドリズマブ、武田薬品工業)も収載される。薬価は、すでに販売されている点滴静注製剤を最類似薬とする類似薬効比較方式Iで算定され、108mg0.68mL1キット/108mg0.68mL1筒で6万9888円となった。ピーク時に185億円の販売を見込んでいる。
アッヴィのパーキンソン病治療薬「ヴィアレブ配合持続皮下注」(ホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物)は、デバイスを使って24時間持続投与する薬剤。同社の「デュオドーパ配合経腸用液」を最類似薬とする類似薬効比較方式Iで薬価算定され、▽既存治療で効果不十分な患者や既存治療の適用とならない患者への使用が見込まれる▽侵襲性が低く、入院期間も短縮する利便性がある――が評価され有用性加算II(加算率10%)がついた。薬価は10mL1瓶1万3277円で、ピーク時の販売予測は96億円。
Sobiの「ドプテレット」やレクメドの「オファコル」なども
このほか、5月24日付で薬価収載されるのは、
▽慢性肝疾患患者の血小板減少症治療薬「ドプテレット錠」(アバトロンボパグマレイン酸塩)=Swedish Orphan Biovitrum Japan
▽先天性胆汁酸代謝異常症治療薬「オファコルカプセル」(コール酸)=レクメド
▽フェニルケトン尿症治療薬「パリンジック皮下注」(ペグバリアーゼ)=BioMarin Pharmaceutical Japan
▽再生不良性貧血治療薬「アトガム点滴静注」(抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン)=ファイザー
▽壊死組織除去剤「ネキソブリッド外用ゲル」(パイナップル茎搾汁精製物)=科研製薬
――など。
オファコル、バリンジック、アトガム、ネキソブリッドには、ぞれぞれ有用性加算II(5%)と市場性加算I(10%)がついた。アトガムとネキソブリッドは原価開示度50%未満で加算係数ゼロ、オファコルは同50~80%で加算係数0.6となった。
ファーマエッセンシアの真性多血症治療薬「ベスレミ皮下注」(ロペグインターフェロン アルファ-2b)はピーク時に163億円の販売を見込んでおり、費用対効果評価の対象になった。