コロナ治療薬「パキロビッド」22日から一般流通
ファイザーは3月15日、同日付で薬価収載された新型コロナウイルス感染症向けの経口抗ウイルス薬「パキロビッドパック」(一般名・ニルマトレルビル/リトナビル)について、22日から一般流通を行うと発表した。収載されたのは「パキロビッドパック600」と「同300」の2規格。中等度の腎機能障害を持つ患者向けの300はニルマトレビル錠の数を半分にしており、投与量調整のためにニルマトレルビル錠を抜き取る必要がなくなった。薬価は600が1シート1万980.50円、300が1万2538.60円。ピーク時に281億円の販売を見込む。
日本新薬、鉄欠乏性貧血治療薬「モノヴァー」発売
日本新薬は3月15日、鉄欠乏性貧血治療薬「モノヴァー静注」(デルイソマルトース第二鉄)を発売したと発表した。鉄と免疫原性の低い直鎖状オリゴ糖(デルイソマルトース)との複合体。1回あたり鉄量として1000mgまで投与でき、少ない回数で必要な鉄量を投与することができる。2016年にデンマークのファーマコスモスから導入し、開発を進めてきた。薬価は500mg1バイアル6189円、1000mg1バイアル1万2377円で、ピーク時の販売予測は20億円。
旭化成ファーマ、抗真菌薬「クレセンバ」を4月6日に発売
旭化成ファーマは3月15日、深在性真菌症治療薬「クレセンバカプセル/点滴静注用」(イサブコナゾニウム硫酸塩)を来月6日に発売すると発表した。同薬はスイスのバジリア・ファーマシューティカ・インターナショナルが創製。旭化成ファーマは2016年に国内の開発・販売権を取得した。適応は、アスペルギルス症、ムーコル症、クリプトコックス症。薬価はカプセル(100mg)が4505.70円、点滴静注用(200mg)が2万7924円で、ピーク時にそれぞれ34億円と5.6億円の売り上げを予想している。
ドネペジル経皮製剤「アリドネパッチ」4月14日発売…販売は興和
興和と帝國製薬は3月15日、アルツハイマー型認知症治療薬「アリドネパッチ」(ドネペジル)を来月14日に発売すると発表した。ドネペジルの経皮吸収型製剤は国内初。帝國製薬が昨年12月に承認を取得し、販売・流通は興和が担当する。薬価は27.5mg1枚289.80円、55mg1枚441.40円で、ピーク時に26億円の売り上げを見込む。
小野とペプチドリーム、特殊環状ペプチド医薬品の創製で提携
小野薬品工業は3月15日、特殊環状ペプチド医薬品の創製に向け、ペプチドリームと創薬提携契約を結んだと発表した。ペプチドリームは独自の創薬開発プラットフォーム「PDPS」(Peptide Discovery Platform System)を活用し、小野薬品が開発を目指す複数の創薬標的に対する特殊環状ペプチド候補化合物を創製・最適化。小野薬品は候補化合物を全世界で開発・商業化する権利を取得する。契約の対価として、小野薬品は一時金、研究資金、研究・開発・販売マイルストン、段階的ロイヤリティを支払う。両社は2021年3月にPDPSの非独占的ライセンス契約を結んでおり、小野薬品は社内でPDPSを使った創薬研究を行っている。
東和薬品、新潟医療福祉大などとMCIリスク評価の共同研究
東和薬品は3月15日、VR(仮想現実)を手掛けるベンチャー企業FOVE(東京都港区)と連携して展開している視線追跡型VRデバイス「認知機能セルフチェッカー」について、軽度認知障害(MCI)のリスク評価を目的とした共同研究を新潟医療福祉大とFOVEの3者で行うと発表した。データを蓄積し、信頼性と妥当性を検証することで、評価アルゴリズムの精度向上が期待できるといい、3者は同デバイスを活用したMCIリスク評価のエビデンス確立を目指す。東和とFOVEは昨年12月、同デバイスの医療現場への普及を目指して本格展開を始めた。