武田、米ニンバス・ラクシュミの買収完了…TYK2阻害薬を獲得
武田薬品工業は2月9日、米ニンバス・ラクシュミの買収が完了したと発表した。親会社であった米創薬企業のニンバス・セラピューティクスから全株式を取得し、同社が創製したTYK2阻害薬「TAK-279」(NDI-034858)を獲得した。TAK-279はニンバスが尋常性乾癬を対象に行った臨床第2相(P2)試験で良好な結果を得ており、2023年中に乾癬を対象とするP3試験を開始する予定。武田はニンバスに一時金として約40億ドル(約5200億円)を支払うほか、TAK-279の年間売上高が40億ドルと50億ドルに達した段階でそれぞれ10億ドルのマイルストンを支払う。
モデルナ「スパイクバックス」6歳以上への対象引き下げを申請
モデルナ・ジャパンは2月9日、新型コロナウイルスワクチン「スパイクバックス筋注」について、接種対象を6歳以上に引き下げるための申請を行ったと発表した。申請の対象は、▽起源株1価ワクチンの初回免疫▽起源株とオミクロン株BA.1対応2価ワクチンの追加免疫▽起源株とオミクロン株BA.4/5対応2価ワクチンの追加免疫――。現在はいずれも12歳以上が接種対象となっている。
大正製薬HD 23年3月期業績予想を上方修正
大正製薬ホールディングス(HD)は2月9日、2023年3月期の業績予想を上方修正すると発表した。修正後の予想は、売上高3030億円(従来予想比225億円増)、営業利益235億円(75億円増)。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、セルフメディケーション事業で抗原検査キットや解熱鎮痛剤の需要が増加。医薬事業でもロイヤリティの実績を織り込んだ。
アストラゼネカ、患者向け臨床試験情報検索サイトを公開
アストラゼネカは2月9日、国内で同社が行っている臨床試験の情報を患者らが検索できるウェブサイト「Search My Trial for AstraZeneca」を公開したと発表した。疾患領域、実施エリア、年齢、性別などを指定して検索できる。今後も掲載試験を追加していく予定。サイトの運営は治験支援を手掛けるBuzzreach(東京都港区)が担当する。
リボミック、日大と網膜疾患で共同研究
リボミックと日本大学産官学連携知財センター(NUBIC)は2月9日、リボミックが開発中の核酸医薬「RBM-007」を含む複数のアプタマーについて、増殖性硝子体網膜症に対する薬理作用を検証する共同研究契約を結んだと発表した。契約に基づき、リボミックはNUBICに研究費を支払う。増殖性硝子体網膜症は、網膜表面や網膜内、硝子体腔内でさまざまな細胞が増殖膜を形成することで網膜の皺襞形成や牽引性網膜剥離が生じ、失明に至る疾患。網膜剥離手術や非穿孔性眼外傷の合併症とも知られ、現在は有効な予防法が存在しない。
LINK-J・CIC Japan・MRI、東京都の創薬エコシステム形成支援者に採択
ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J、東京都中央区)とCIC Japan(東京都港区)、三菱総合研究所(MRI)は2月9日、東京都の創薬・医療系スタートアップ育成支援事業「Blockbuster TOKYO」のエコシステム形成支援者に採択されたと発表した。事業では、スタートアップ支援者の育成や人材プールの形成、ネットワーク構築を行うほか、大学や民間企業が行うアクセラレーションプログラムとも連携。3者のコミュニティ構築のノウハウや実績を活かして連携拡大と発信力強化を目指すほか、海外派遣の支援も行う。
決算
英アストラゼネカ(2022年12月期、2月9日発表)
売上高443億5100万ドル(約5兆8100億円、前期比19%増)、営業利益37億5700万ドル(255.8%増)、純利益32億9300万ドル(前期は1億1500万ドル)。SGLT2阻害薬「フォシーガ」(43億8100万ドル、46%増)や血液がん治療薬「カルケンス」(20億5700万ドル、66%増)などが好業績を牽引。新型コロナウイルス感染症関連では、ワクチン「バキスゼブリア」が54%減の17億9800万ドルとなった一方、治療薬「エバシェルド」は21億8500万ドルを売り上げた。23年12月期は、恒常為替ベースで1桁台前半~半ばの増収を予想。新型コロナ関連製品の売上高は大きく減少する見込み。