大麻由来の抗てんかん薬、GWファーマが国内P3試験開始
ジャズ・ファーマシューティカルズ(アイルランド)の日本法人GWファーマ(東京都千代田区)は12月15日、抗てんかん薬カンナビジオール経口液剤(開発コード・GWP42003-P)の国内臨床第3相(P3)試験を開始したと発表した。対象は、難治性てんかんを発症するレノックス・ガストー症候群、ドラベ症候群、結節性硬化症の患者84人(小児60人、成人24人)。併用療法による治療の有効性と安全性を検証する。同薬は大麻由来医薬品。米国で「Epidiolex」、欧州で「Epidyolex」の製品名で販売されている。
住友ファーマ「ルネスタ」の権利を米社に譲渡
住友ファーマは12月15日、米子会社サノビオン・ファーマシューティカルズが米国で販売している不眠症治療薬「ルネスタ」(一般名・エスゾピクロン)について、カナダを除く全世界の権利を米ウッドワード・ファーマ・サービスに譲渡したと発表した。同薬はサノビオンが創製したGABAA受容体作動薬で、米国で2005年に発売。日本では導出先のエーザイが販売している。住友ファーマは経営リソースを成長分野に再配分し、収益性の改善を図る。
富士薬品 ドチヌラドを中東・アフリカで展開、米社とのライセンス拡大
富士薬品は12月15日、通風・高尿酸血症治療薬ドチヌラド(一般名)について、米フォートレス・バイオテックとのライセンス契約の対象エリアを拡大したと発表した。従来の北米・欧州に加え、トルコを含む中東と北アフリカでの開発・販売権を供与する。エリア拡大に伴い、富士薬品はアップフロントや販売ロイヤリティを受け取る。同薬は富士薬品が創出した尿酸トランスポーター阻害薬。日本では同社と持田製薬が「ユリス」の製品名で2020年に発売した。
エーザイ、神経変性疾患の新薬創出へワシントン大と共同研究契約
エーザイは12月15日、米セントルイス・ワシントン大医学部と、アルツハイマー病やパーキンソン病を含む神経変性疾患の新薬創出に向けた包括的共同研究契約を結んだと発表した。両者はこれまでもアルツハイマー病領域で共同研究を行ってきた。今回の共同研究では、神経変性疾患に対する複数の治療薬候補の創出と、バイオマーカーの発見・同定を目指す。研究期間は5年間。エーザイは、共同研究で見出された化合物やバイオマーカーの開発・商業化に関するオプション権を保有。オプション権を行使する場合は、ワシントン大にマイルストンや売上高に応じたロイヤリティを支払う。
小野 中枢神経系疾患の治療標的の同定に向け英社と共同研究
小野薬品工業は12月14日、中枢神経系疾患に対する複数の新規治療標的と、患者層別化バイオマーカーの同定に向け、英プレシジョンライフと共同研究開発契約を結んだと発表した。同社は疾患生物学研究に強みがあり、従来よりも細かな患者層別化を可能にする独自の複合解析プラットフォームを持つ。共同研究では、プレシジョンライフが独自のプラットフォームを使って小野の定める疾患に対する複数の治療標的とバイオマーカーを同定。標的選定のための理論的根拠や遺伝学的検証、作用機序仮説、非臨床検証試験を提供し、それをもとに小野が最適な治療標的を選定する。小野は、選定した標的に対する医薬品を全世界で開発・商業化する権利を取得する。
シンバイオ ブリンシドフォビル、腎移植後BKウイルス感染症に対するP2開始
シンバイオ製薬は12月14日、抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤について、腎移植後のBKウイルス感染症を対象とする国際共同P2試験を開始したと発表した。オーストラリアで患者への投与を開始した。今後、日本と韓国でも試験を始める予定。腎移植後のBKウイルス感染症には有効な治療薬がないという。シンバイオは、造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症でも米国を中心に同薬のグローバルP2試験を進めている。
JCR、医療従事者の個人情報1500件流出
JCRファーマは12月15日、医療従事者の個人情報1507件が流出したと発表した。今年9月まで同社に勤務していた派遣社員が、営業資料や取引先情報など持ち出し禁止の社内情報を自身の個人メールアドレスや派遣元の上長のメールアドレスに送付していたことが判明した。別の第三者には漏えいしていないことを確認したという。JCRは、体制整備や貸与端末のアクセスログの調査が不十分だったとしており、「事態を厳粛に受け止め、原因の追求と再発の防止に努める」とコメントしている。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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