医師向けの薬剤比較アプリ「イシヤク」で、2022年7~9月に会員の医師が検索した薬剤を製品別・薬効別にランキングしました。
【製品別】今回も「デエビゴ」が最多、「カロナール」3位浮上
イシヤクで今年7~9月に医師が最も検索した薬剤は、前回(4~6月)、前々回(1~3月)に続いてエーザイの不眠症治療薬「デエビゴ錠」(一般名・レンボレキサント)でした。2位も前回と同じくノバルティスファーマの慢性心不全・高血圧症治療薬「エンレスト錠」(サクビトリルバルサルタン)。これら2剤への高い関心が続いていることがうかがえます。
3位はあゆみ製薬の解熱鎮痛薬「カロナール」(アセトアミノフェン)。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要増で一時、出荷停止となったこともあって関心が高まり、前回から7つ順位を上げました。新型コロナ関連では、9月から一般流通が始まったMSDの抗ウイルス薬「ラゲブリオカプセル」(モルヌピラビル)も新たに18位にランクインしています。
4位は第一三共の直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)「リクシアナ錠/OD錠」(エドキサバントシル酸塩水和物)で、5位はアストラゼネカのSGLT2阻害薬「フォシーガ錠」(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)。6位は、トップのデエビゴと同じオレキシン受容体拮抗薬の不眠症治療薬「ベルソムラ錠」(スボレキサント)でした。
新たにトップ10入りしたのは、第一三共の止血薬の抗プラスミン薬「トランサミン」(トラネキサム酸)とシオノギファーマの鎮咳薬「メジコン」(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物)。このほか、13位の鎮痛薬「ソセゴン」(ペンタゾシン、丸石製薬)や14位の慢性便秘症治療薬「アミティーザカプセル」(ルビプロストン、マイランEPD)、去痰薬「ムコダイン」(L-カルボシステイン、杏林製薬)が新たにトップ20に入りました。
【薬効別】「第二世代抗ヒスタミン薬」「Ca拮抗薬」が3回連続トップ
薬効別で今年7~9月に医師の検索数が最も多かったのは、アレルギー性鼻炎治療薬の第二世代抗ヒスタミン薬でした。2位は高血圧症・狭心症治療薬のカルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系)で、3位はアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)。4位のプロトンポンプ阻害薬(PPI)を含め、上位4薬効は前回(4~6月)と同じ顔ぶれでした。
【データ提供】医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」(flixy) 「医師にとって最も使いやすい!」を目指して現役医師が開発した医師向け薬剤比較アプリ(医師以外も登録可能)。医師の処方の観点から、ほかの薬剤との比較を主眼に2万以上の薬剤の特徴を簡潔にまとめている。薬効検索や腎機能表示、疑義照会、レセプト返戻にも対応し、忙しい外来でも処方に必要な情報を確認できるのが特徴。全ての薬剤に専門医のコメントが掲載されており、処方した医師の実感などを確認できる。iOS・Androidアプリ。 |