塩野義の新型コロナ薬「ゾコーバ」継続審議…有効性推定できず
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会と医薬品第ニ部会の合同会議は7月20日、塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ錠」について、緊急承認を見送り、継続審議とすることを決めた。現時点での臨床試験データからは「有効性が推定できない」と判断した。現在実施中の臨床第2/3相(P2/3)試験のP3パートは11月にも結果が得られる見込みで、それを待ってあらためて審議する方針。
田辺三菱「メドウェイ」供給再開を断念…血清アルブミン事業終了
田辺三菱製薬は7月21日、2009年から販売を中止している遺伝子組換え人血清アルブミン製剤「メドウェイ注25%」の供給再開を断念し、遺伝子組換え人血清アルブミン事業を終了すると発表した。田辺三菱は販売再開に向けて外部製造委託先と検討を続けてきたが、品質維持と安定供給に耐えられる製法を確立できなかった。田辺三菱は17年、販売再開に向けて子会社(当時)のバイファから外部委託先に製造技術を移管する方針を発表していた。
第一三共 抗B7-H3ADC、進展型小細胞肺がんでP2開始
第一三共は7月21日、B7-H3を標的とする抗体薬物複合体(ADC)「DS-7300」(開発コード)について、化学療法による前治療歴のある進展型小細胞肺がんを対象としたP2試験を開始したと発表した。日本を含むアジア、欧州、北米から約80人の患者を登録し、有効性と安全性を評価する。主要評価項目は客観的奏効率。B7-H3は小細胞肺がんを含むさまざまながん種で過剰発現しているタンパク質。B7-H3を標的としたがん治療薬としては、まだ承認されたものはない。
決算
中外製薬(2022年1~6月期、7月21日発表)
売上収益5961億6600万円(前年同期比52.8%増)、営業利益2869億4700万円(78.6%増)。新型コロナウイルス感染症治療薬「ロナプリーブ」の政府納入として608億円の売り上げを計上したほか、自社創製品「ヘムライブラ」「アクテムラ」のスイス・ロシュへの輸出が増えたことで大幅な増収増益となった。22年12月期の予想は、コア売上収益1兆1500億円、コア営業利益4400億円の従来予想を据え置いた。