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製薬業界 きょうのニュースまとめ読み(2022年5月13日)

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日医工、私的整理へ…事業再生ADRを申請 22年3月期1048億円の最終赤字

日医工は5月13日、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請したと発表した。今後、国が認定する第三者機関の調整で金融機関などと事業再生計画について協議する。再建に向け、日本政策投資銀行と三大メガバンクが出資する事業再生ファンドから最大200億円の出資を受けることでも合意した。ADRを申請したのは日医工本体のみで、子会社は対象外。同日発表した2022年3月期決算によると、最終利益は1048億7400万円の赤字となった。品質不正による業績悪化に加え、製品開発の遅れに伴う減損損失などを計上したことで、2月公表の予想(186億円の赤字)から赤字が大きく膨らんだ。

 

大塚、バダデュスタットのライセンス契約終了

大塚製薬は5月13日、米アケビア・セラピューティクスと締結している腎性貧血治療薬バダデュスタットに関するグローバルライセンス契約を終了すると発表した。今年3月、米FDA(食品医薬品局)から「今回の申請データでは承認できない」との審査完了報告通知を受け取り、内容を精査した結果、共同開発を終了することを決めた。両社は2016年に米国を対象にライセンス契約を結び、翌年、対象地域を欧州などに拡大していた。

 

田辺三菱、ラジカヴァ経口剤が米国で承認

田辺三菱製薬は5月13日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」(一般名・エダラボン)の経口剤が米国で承認されたと発表した。製品名は「ラジカヴァORS」。従来は点滴静注でしか投与することができなかったが、経口剤の承認で患者の負担軽減が期待される。日本とスイスでも申請を行っている。

 

生化学、米国でドライアイ治療薬のP3試験開始へ

生化学工業は5月13日、開発中のドライアイ治療薬「SI-614」について、米国で臨床第3相(P3)試験を開始すると発表した。同薬は、同社独自の技術を活用してヒアルロン酸に疎水基を導入した両親媒性高分子の物質。ドライアイ患者に点眼すると、涙液層を安定化させるとともに、上皮細胞を増殖させることで治療効果を示す。

 

決算

エーザイ(2022年3月期、5月13日発表)

売上収益7562億2600万円(前期比17.1%増)、営業利益537億5000万円(4.3%増)。抗がん剤「レンビマ」が前期比43.6%増の1923億円と好調だったほか、米ブリストル・マイヤーズスクイブとの提携による一時金の受領や米メルクから支払われる販売マイルストンの増加によって増収増益となった。23年3月期は売上収益7000億円(7.4%減)、営業利益550億円(2.3%増)を見込む。

 

住友ファーマ(2022年3月期、5月13日発表)

売上収益5600億3500万円(前期比8.5%増)、営業利益602億3400万円(15.4%減)。大塚製薬との精神神経領域での提携に伴う一時金を計上したことや、子会社のマイオバント、ユーロバントの新製品が寄与したことで増収。両子会社の販売活動が本格化したことなどに伴って販管費が増加し、営業利益は2桁の減少となった。23年3月期は売上収益5500億円(1.8%減)、営業利益240億円(60.2%減)を予想。北米での販売活動強化や円安による費用増で大幅な減益となる見込み。

 

田辺三菱製薬(2022年3月期、5月13日発表)

売上収益3859億円(前期比2.2%増)、営業利益157億円の赤字(前期は585億円の赤字)。乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎治療薬「ステラーラ」や関節リウマチ治療薬「シンポニー」、ALS治療薬「ラジカヴァ」などが伸びた。開発中の変形性関節症治療薬「MT-5547」に関する減損損失158億円を計上し、営業利益は赤字となった。23年3月期は売上収益4095億円(6.1%増)、営業利益180億円の黒字を予想。子会社・メディカゴの新型コロナウイルスワクチンのなど収益寄与を見込む。

 

日医工(2022年3月期、5月13日発表)

売上収益1790億6000万円(前期比4.9%減)、営業利益1099億7000万円の赤字(前期は1億700万円の黒字)。富山第一工場の出荷再開の遅れなどで売り上げは前期を下回り、▽収益見込みの低下に伴う固定資産の減損損失594億9000万円▽バイオシミラーやオーファンドラッグの開発費に関する無形資産の減損損失245億5700万円▽富山第一工場の製造再開の遅れに伴う棚卸資産評価損73億8900万円――を計上したことで赤字が拡大した。最終利益は1048億7400万円の赤字(前期は41億7900万円の赤字)。再建に向けて事業再生ADRを申請し、今後、金融機関などと事業再生計画について協議するため、23年3月期の業績予想の開示は見送った。

 

東和薬品(2022年3月期、5月13日発表)

売上高1656億1500万円(前期比6.9%増)、営業利益192億500万円(3.6%減)。他社の品質問題に伴う代替需要で増収となった一方、薬価改定による原価率の悪化や販管費の増加により営業利益はマイナスとなった。23年3月期は、今年3月に買収した三生医薬の寄与により、売上高2125億円(28.3%増)、営業利益190億円(1.1%減)を予想している。

 

旭化成(2022年3月期、5月13日発表)

医薬・医療事業の売上高は1742億円(前期比12.8%増)、営業利益は218億円(5.0%減)。骨粗鬆症治療薬「テリボン」(382億円、前期比23.1%増)や関節リウマチ治療薬「ケブザラ」(73億円、37.2%増)などが伸びたほか、新製品の免疫調整剤「プラケニル」も寄与した。23年3月期は同事業で売上高1940億円(11.4%増)、営業利益283億円(29.7%増)を計画している。

 

持田製薬(2022年3月期、5月13日発表)

売上高1101億7900万円(前期比7.0%増)、営業利益143億9200万円(19.9%増)。抗うつ薬「レクサプロ」(167億円、前期比8%増)や潰瘍性大腸炎治療薬「リアルダ」(125億円、15%増)などが好調で、増収増益となった。23年3月期の業績予想は、売上高1050億円(4.7%減)、営業利益85億円(40.9%減)を予想。薬価改定が響く。

 

生化学工業(2022年3月期、5月13日発表)

売上高348億5100万円(前期比25.7%増)、営業利益44億9500万円(99.9%増)。国内の医薬品販売は前期からほぼ横ばいだったが、海外子会社ダルトン・ケミカル・ラボラトリーズの業績が通期で寄与したことやロイヤリティ収入が大幅に増えたことなどで増収増益となった。23年3月期の業績予想は、「現在取り組んでいる関節機能改善剤ジョイクルのショック、アナフィラキシー発現に関する原因究明の進捗を見極める必要があり、現時点では合理的に算定することが困難」として公表を見送った。

 

日本ケミファ(2022年3月期、5月13日発表)

売上高325億600万円、営業利益8億2500万円。22年3月期から収益認識に関する会計基準を適用しており、前期比は開示していない。同基準適用前の21年3月期の売上高は315億4100万円、営業利益は5億6400万円だった。新製品の寄与や他社の品質問題による代替需要で後発医薬品が好調だったほか、20年7月に導入した抗菌薬「クラリシッド」が通期で売り上げに貢献した。23年3月期は売上高350億円(前期比7.7%増)、営業利益3億円(63.7%減)を見込む。

 

ヤクルト本社(2022年3月期、5月13日発表)

医薬品製造販売事業の売上高は169億9200万円(前期比6.2%減)、営業利益は26億3400万円(前期比13.8倍)。新型コロナウイルス感染症や薬価改定の影響で減収となったものの、営業費用の減少で大幅な増益となった。23年3月期は同事業で売上高140億円(17.6%減)、営業利益7億円(73.4%減)を見込む。

 

メディパルHD(2022年3月期、5月13日発表)

売上高3兆2909億2100万円、営業利益456億2400万円。22年3月期から収益認識に関する会計基準を適用しており、前期比は開示していない。同基準適用前の21年3月期の売上高は3兆2111億2500万円、営業利益は385億7600万円だった。新型コロナウイルスの流行による受診抑制が回復したことに加え、コロナ関連の検査試薬の需要増などにより業績は堅調だった。23年3月期は売上高3兆3330億円(1.3%増)、営業利益465億円(1.9%増)を計画している。

 

東邦HD(2022年3月期、5月13日発表)

売上高1兆2661億7100万円(前期比4.6%増)、営業利益125億2700万円(191.1%増)。スペシャリティ医薬品をはじめとする取り扱い卸を限定した製品が順調に拡大し、新型コロナウイルス関連製品の売り上げも伸びた。23年3月期の業績予想は、売上高1兆2690億円(0.2%増)、営業利益123億円(1.8%減)。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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