科研、創薬ベンチャーのアーサムを買収…最大127億円
科研製薬は11月30日、創薬ベンチャーのアーサムセラピューティクス(横浜市)を買収すると発表した。アーサムは武田薬品工業からのカーブアウトにより2018年に設立された企業で、ドラッグリポジショニングで見いだした難治性脈管奇形治療薬「ART-001」と水疱性類天疱瘡治療薬「ART-648」の臨床第2相(P2)試験を実施中。科研は買収を通じてパイプラインを強化するとともに、ドラッグリポジショニングに関する技術やノウハウを取り込むことで、研究開発力の向上を図る。科研は、買収の対価として12月に現金で55億円を支払い、開発の進捗に応じて最大72億2200万円相当の株式を交付する。
武田 クローン病に対する再生医療等製品「アロフィセル注」発売
武田薬品工業は11月30日、非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻に対する再生医療等製品「アロフィセル注」(一般名・ダルバドストロセル)を発売したと発表した。同薬は同種異系脂肪組織由来間葉系幹細胞の懸濁液。薬価は4瓶1組562万4円で、1回につき4瓶を投与する。ピーク時の売上高予測は52億円。
アステラス 尿路上皮がん治療薬「パドセブ」を発売
アステラス製薬は11月30日、抗ネクチン4抗体薬物複合体(ADC)「パドセブ点滴静注用」(エンホルツマブ ベドチン)を日本で発売したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」。薬価は30mg1瓶9万9609円。ピーク時に118億円の売り上げを予想している。米国では2019年12月に承認されており、欧州でも申請中。
大鵬薬品 米アーカスから抗TIGIT抗体の開発・販売権取得
大鵬薬品工業は11月30日、米アーカスバイオサイエンシスが開発中の免疫チェックポイント阻害薬の抗TIGIT抗体domvanalimab(開発コード・AB154)と同「AB308」について、日本とアジア(中国などを除く)で独占的に開発・販売する権利を取得したと発表した。2017年に両社で結んだ契約に基づき、大鵬がオプション権を行使した。大鵬は対価としてオプションフィーを支払うほか、今後の開発の進捗に応じたマイルストンを支払う予定。
ブリストル 経口TYK2阻害薬、乾癬治療薬として国内申請
ブリストル・マイヤーズスクイブは11月30日、経口TYK2阻害薬デュークラバシチニブについて、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を対象に国内で申請を行ったと発表した。TYK2はJAKファミリーの分子で、炎症性サイトカインの受容体に結合し、シグナルを伝達する役割を持つ。承認されれば国内初のTYK2阻害薬となる。米国と欧州でも今月、申請を行った。
エーザイとFNCT 認知症領域で提携
エーザイは11月30日、認知症との共生・予防に向け、FCNT(神奈川県大和市)と業務提携したと発表した。FCNTが開発・製造し、来年2月以降にNTTドコモから発売予定の「らくらくスマートフォン F-52B」に、エーザイの認知機能のセルフチェックツール「のうKNOW(ノウノウ)」を搭載。認知症予防に向けた健康課題の把握やリスク予測などに関する新たなソリューションを共同で開発する。
抗がん剤「ジフォルタ」の副作用軽減、「ロイコボリン」に用法・用量追加
ムンディファーマは11月30日、再発・難治性の末梢性T細胞リンパ腫治療薬の葉酸代謝拮抗薬「ジフォルタ注射液」(プララトレキサート)による副作用に対して、ファイザーの抗葉酸代謝拮抗薬「ロイコボリン錠5mg」(ホリナートカルシウム)の用法・用量の追加が承認されたと発表した。ジフォルタには代表的な副作用として口内炎があり、治療継続の妨げとなることがある。ムンディは医療現場からの要望を受け、ジフォルタによる副作用の軽減を目的としたロイコボリンの投与に関するP2試験を実施。同試験の結果に基づき、ファイザーが承認を取得した。
シオノギファーマ、来年4月にナガセ医薬品を吸収合併
塩野義製薬は11月30日、CDMO子会社のシオノギファーマが、来年4月1日をめどに同社子会社のナガセ医薬品を吸収合併すると発表した。シオノギファーマは昨年10月、高薬理活性医薬品の注射製剤を中心に製造受託事業を展開するナガセ医薬品を完全子会社化。吸収合併により、受託製造の拡大と連続生産技術による新たな医薬品製造プラットフォームの実現を目指す。
メディパルとJAL ドローンによる医薬品物流網構築へ共同検討
メディパルホールディングス(HD)は11月30日、ドローンを活用した医薬品物流網の構築に向け、日本航空(JAL)と共同検討を開始したと発表した。両社は今年10月、兵庫県でドローンによる医薬品の拠点間輸送に関する実証実験に成功。今後、両社で検討を進め、地域のニーズに合わせた、有事にも対応可能な物流網の構築を目指す。