コロナ抗体カクテル「ロナプリーブ」発症抑制の適応追加
中外製薬は11月5日、中外製薬の新型コロナウイルス感染症治療薬「ロナプリーブ」(一般名・カシリビマブ/イムデビマブ)について、濃厚接触者や無症状感染者の発症抑制の適応追加が特例承認されたと発表した。あわせて、従来の静脈内投与に加えて皮下注射による投与も承認された。同薬は抗体カクテル製剤で、今年7月に軽症から中等症の患者に対する治療薬として特例承認を取得した。
アンジェスの新型コロナワクチン、臨床試験で効果示せず
アンジェスは11月5日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、国内で行った3つの臨床試験で期待する効果が得られなかったと発表した。細胞性免疫の上昇はある程度確認できたものの、液性免疫の誘導は一部の被験者でしか認められなかった。安全性に問題はなかったという。同社は、有効性の向上を狙って今年8月から高用量製剤の臨床第1/2相(P1/2)試験を行っており、「今後は高用量製剤の開発に注力していく」としている。
メディパルHD、CVCが医療ITベンチャーに出資
メディパルホールディングス(HD)は11月5日、コーポレートベンチャーキャピタルファンド「MEDIPAL Innovation投資事業有限責任組合」が医療ITベンチャーのHoloeyes(東京都港区)に出資したと発表した。Holoeyesは、三次元空間で手術前のシミュレーションや手術中のナビゲーションに利用できるソフトウェアなどを手掛けており、調達した資金は販売費用や運転資金に充てる。
シミックHDが中期計画、25年9月期に売上高1000億円
シミックHDは11月5日、2022年9月期~25年9月期の中期計画を発表した。新規ヘルスケア事業の創出や、研究開発から販売までの総合的支援の強化などを通じ、最終年度に売上高1000億円(21年9月期は858億円)、営業利益70億円(同49億円)を目指す。
GHIT Fund、マラリアなどのワクチン・治療薬開発に7.5億円投資
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は11月4日、結核、マラリア、シャーガス病の診断薬・ワクチン・治療薬開発6件に総額約7億5000万円を投資すると発表した。投資するのは、▽妊娠マラリアワクチンの臨床開発(愛媛大など)▽シャーガス病治療薬のヒット化合物探索(武田薬品工業など)▽同(第一三共など)▽マラリア由来E3リガーゼの同定と検証(ファイメクスなど)――など。GHIT Fundでは現在63件のプロジェクトが進行中で、これまでの累積投資金額は約269億円となった。
決算
富士製薬工業(2021年9月期、11月5日発表)
売上高339億9000万円(前期比0.6%増)、営業利益33億4900万円(6.7%増)。ホルモン剤などが伸び、P3試験が集中した前期から研究開発費が減少したことで、増収増益となった。22年9月期は、売上高359億6600万円(10.2%増)、営業利益34億9000万円(4.2%増)を予想。今年9月に承認された天然型黄体ホルモン製剤「エフメノカプセル」の売り上げ貢献に加え、後発医薬品のホルモン剤やタイ子会社によるCMO事業の拡大を見込む。
ツムラ(2021年4~9月期、11月5日発表)
売上高634億1600万円(前年同期比11.4%増)、営業利益116億8400万円(7.0%増)。主力の「大建中湯」などを中心に国内の医療用漢方製剤が伸びたほか、海外での原料生薬販売も好調だった。10月29日に22年3月期業績予想の上方修正を発表しており、売上高1275億円、営業利益211億円を見込む。
持田製薬(2021年4~9月期、11月5日発表)
売上高540億900万円(前年同期比4.6%増)、営業利益61億3100万円(15.2%減)。潰瘍性大腸炎治療薬「リアルダ」(20%増)などが伸びたが、研究開発費がかさみ、利益を押し下げた。医薬品関連事業の業績が計画を上回って推移していることを踏まえ、22年3月期の業績予想は売上高1065億円(従来予想比50億円増)、営業利益100億円(20億円増)に上方修正した。
旭化成(2021年4~9月期、11月5日発表)
医薬・医療事業の売上高は853億円(前年同期比14.8%増)、営業利益136億円(25.3%増)。骨粗鬆症治療薬「テリボン」(30.1%増)や関節リウマチ治療薬「ケブザラ」(45.8%増)などが伸びた。同事業の22年3月期の業績予想は、売上高1760億円、営業利益236億円。売上高予想は期初から30億円引き上げた一方、営業利益予想は9億円引き下げた。