第一三共、国内初のがん治療用ウイルス「デリタクト」発売
第一三共は11月1日、がん治療用ウイルス製剤「デリタクト注」(一般名・テセルパツレブ)を発売したと発表した。がん治療用ウイルス製剤の発売は国内初。対象疾患は悪性神経膠腫で、第一三共と東京大医科学研究所が共同開発し、今年6月に再生医療等製品として承認を取得した。製造は委託先のデンカが行い、当面の間は治験実施施設にのみ製品を供給するという。薬価は1mL1瓶143万1918円。ピーク時に12億円の売り上げを見込む。
Meiji、慢性移植片対宿主病に対するROCK2阻害薬の国内P3試験を開始
MeijiSeikaファルマは11月1日、慢性移植片対宿主病治療薬「ME3208」(belumosudil)について、日本で臨床第3相(P3)試験を開始したと発表した。同薬は免疫細胞の分化と細胞の線維化に関与しているリン酸化酵素のROCK2を選択的に阻害する薬剤で、米国では開発元の米カドモン・コーポレーションが今年8月に発売。Meijiは昨年1月、日本とアジアでの開発・販売でカドモンと提携し、両社が出資する合同会社が当該地域での開発・販売権を持っている。
協和キリン イクスフォレスト、アクセリードとRNA構造標的創薬で共同研究契約
イクスフォレストセラピューティクス、アクセリード・ドラッグ・ディスカバリー・パートナーズ(DDP)、協和キリンは11月1日、RNA構造を標的とする複数の医薬品創出に向けた共同研究契約を結んだと発表した。協和キリンとアクセリードDDPが昨年10月から進めている低分子医薬品創出に関する共同研究のうち、RNA構造標的創薬に関する研究にイクスフォレストが参加。イクスフォレストの大規模同時並列解析プラットフォーム群「フォレストテクノロジーズ」を使い、創薬研究を加速する。協和キリンは協業で見出された低分子化合物を独占的に研究開発・販売する権利を持ち、研究成果に応じたマイルストンなどをイクスフォレストに支払う可能性がある。
GSKコンシューマー・ヘルスケア社長に野上氏
グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパンは11月1日、同日付で野上麻理氏が社長に就任したと発表した。シッド・シン前社長は10月31日付で退任した。野上氏はP&Gジャパンを経てアストラゼネカに入社し、日本法人の呼吸器事業本部長など歴任。2018年に武田コンシューマーヘルスケアの社長に就き、直近はアリナミン製薬で副会長を務めた。
あすかとラクオリア、新薬の創出へ新たな共同研究契約
あすか製薬とラクオリア創薬は11月1日、特定のイオンチャネルを標的とした創薬共同研究に関連し、これまでの成果を活用して新薬の創出に取り組む新たな共同研究契約を結んだと発表した。両社は2019年7月から共同研究を進めており、当初の契約で定めた基準を満たす成果を得たことを受け、次の段階の共同研究計画について合意した。今回の契約に伴い、あすかはラクオリアに契約一時金と研究協力金を支払うほか、研究成果に応じたマイルストンや一時金を支払う可能性がある。
ゼリア新薬、業績予想を修正
ゼリア新薬工業は11月1日、2021年4~9月期と2022年3月期の業績予想を修正したと発表した。21年4~9月期の修正後の業績予想は、売上高286億円(従来予想比4億円減)、営業利益26億5000万円(5億5000万円増)。コンシューマーヘルスケア事業が苦戦し、売上高は予想を下回るものの、欧州など海外で医療用医薬品が好調に推移したことで利益は上振れする。通期予想は売上高600億円(従来予想から変更なし)、営業利益53億円(5億円増)を見込む。
JMDC、3500店舗の薬局データを提供開始
JMDCは11月1日、薬局データの提供を始めたと発表した。全国約6万店舗の5%にあたる3500店舗以上のデータが活用可能で、今後、さらに規模を拡大する予定。処方から最短3営業日後にデータを提供可能となるため、速報性に優れているという。JMDCはすでに健康保険組合由来データや医療機関由来データ、電子カルテデータなどを扱っており、薬局データを加えることで国内のほぼ全てのリアルワールドデータが提供できるようになった。
決算
エーザイ(2021年4~9月期、11月1日発表)
売上収益3623億5200万円(14.3%増)、営業利益609億600万円(78.7%増)。抗がん剤「レンビマ」などが大きく伸びたのに加え、抗体薬物複合体「MORAb-202」に関する戦略的提携で米ブリストル・マイヤーズスクイブからの契約一時金496億円を計上し、2ケタの増収。抗てんかん薬「Zonegran」の譲渡益によって大幅な増益となった。好調なグローバルブランドの推移を踏まえ、22年3月期の業績予想は売上高7300億円(従来予想比290億円増)、営業利益780億円(20億円増)に上方修正した。
小野薬品工業(2021年4~9月期、11月1日発表)
売上収益1740億7700万円(前年同期比15.7%増)、営業利益581億7100万円(11.0%増)。免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」は、非小細胞肺がん一次治療や食道がん二次治療で使用を伸ばして14.3%の増収。このほか、この1年で慢性心不全や慢性腎臓病に適応拡大したSGLT2阻害薬「フォシーガ」が前年同期比49.3%増の156億円を売り上げ、増収増益に寄与した。22年3月期の業績予想(売上収益3450億円、営業利益1030億円)は据え置いた。
塩野義製薬(2021年4~9月期、11月1日発表)
売上収益1450億8500万円(前年同期比2.3%減)、営業利益426億6400万円(26.8%減)。欧米で抗菌薬セフィデロコルが好調だったものの、ロイヤリティ収入の減少が響いた。新型コロナウイルス感染症治療薬・ワクチンで開発費用が膨らみ、営業利益は2ケタの減益。22年3月期の通期業績予想は、売上収益を2940億円(従来予想比40億円増)に上方修正。営業利益は900億円で従来予想から変更はない。
あすか製薬ホールディングス(2021年4~9月期、11月1日発表)
売上高284億7700万円、営業利益26億5700万円。持株会社化によって前年同期からの増減は開示していないが、単純比較では売上高3.9%増、営業利益36.5%増。子宮筋腫治療薬「レルミナ」などが増収に寄与した。同ウリプリスタルの申請取り下げ・開発中止に伴う特別損失として68億8200万円を計上し、最終利益は27億9600万円の赤字となった。22年3月期の業績予想(売上高545億円、営業利益35億円、純損失26億円)は据え置いた。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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