長生堂製薬に31日間の業務停止命令
徳島県は10月11日、承認書と異なる方法で医薬品の製造を行ったなどとして、長生堂製薬に医薬品医療機器等法に基づく業務停止命令を出したと発表した。停止の期間は、同社の製造販売業務と本社工場の製造業務が31日間(10月12日~11月11日)、第二工場の製造業務が29日間(10月12日~11月9日)、川内工場の製造業務が18日間(10月12日~29日)。県が今年5~6月に行った立入検査では、検査した574品目中233品目に不備があり、このうち44品目で承認書と異なる製造が行われていた。県によると、不備があった品目はいずれも製品規格に適合しており、現時点で健康被害の報告はないという。同社は「処分を重く受け止め、再発防止に向けて社内体制の見直しを含めた抜本的な改善を行う」としている。
「ロナプリーブ」予防と無症状感染者への適応拡大を申請、皮下投与の追加も
中外製薬は10月11日、新型コロナウイルス感染症に対する抗体カクテル療法「ロナプリーブ」(一般名・カシリビマブ/イムデビマブ)について、予防と無症状感染者に対する治療への適応拡大を申請したと発表した。皮下投与の用法追加も申請しており、特例承認の適用を求めている。海外で行われた臨床第3相(P3)試験では、家庭内の濃厚接触者の症候性感染リスクを81%低減。無症候性感染者が症候性に進行するリスクも31%減らした。同薬は今年7月、軽症から中等症の患者に対する治療薬として点滴による投与が特例承認されている。
大日本住友 小児先天性無胸腺症に対する再生医療「RETHYMIC」が承認
大日本住友製薬は10月11日、米国で再生医療製品「RETHYMIC(リサイミック)」の承認を取得したと発表した。子会社エンジバント・セラピューティクスが開発した他家培養胸腺組織で、適応は「小児先天性無胸腺症の免疫再構築」。生涯に1回だけ投与する。同適応での治療法の承認は米国初で、米FDA(食品医薬品局)からブレークスルーセラピー指定を受けている。2019年4月に申請した際には、FDAからCMCに関する指摘を受け、承認が見送られたが、今年4月に再申請を行っていた。大日本住友にとっては初の再生医療製品となる。
アステラス PTPシートにバイオマスプラスチックを採用、世界初
アステラス製薬は10月11日、医薬品の一次包装であるPTPシートに植物由来のバイオマスプラスチックを採用すると発表した。原料の50%にサトウキビ由来のポリエチレンを使用。今年度中に下痢型過敏性腸症候群治療薬「イリボー錠」で採用を開始し、今後、ほかの製品でも切り替えを検討する。医薬品包材用PTPシートにバイオマスプラスチックを採用するのは世界初という。
ノボ GLP-1受容体作動薬療法受ける患者の特徴など評価、データベース研究を開始
ノボ ノルディスクファーマは10月11日、日本糖尿病学会、国立国際医療研究センターと、日本人2型糖尿病患者に対するGLP-1受容体作動薬療法についての後ろ向きデータベース調査研究を共同で始めたと発表した。診療録直結型全国糖尿病データベースに収集された2015年12月~21年3月までのデータを活用し、GLP-1受容体作動薬療法を受ける患者の臨床的特徴や血糖コントロールについて評価する。
共和薬品 生活習慣改善の習慣化へ実証実験
共和薬品工業は10月8日、デジタルヘルス技術を活用した健康促進プログラム「健やか安らかライフチャレンジ」の実証実験を鳥取市と始めると発表した。来月開始する実証実験では、ユーザーはスマートウォッチを装着し、エーテンラボが運営するデジタルピアサポートアプリ「みんチャレ」(5人1組で続ける「習慣化アプリ」)上でヘルスケアデータを共有。運動や食事、睡眠などの改善に向けた試みをチャットで発信しあうことで、生活習慣の改善行動の習慣化を目指す。
3Hと聖マリ、ePROと電子カルテの連携の運用へ
3Hクリニカルトライアルと聖マリアンナ医科大は10月11日、ePRO(電子患者報告アウトカム)と電子カルテをシステム連携し、電子カルテからがん患者の日常の健康情報を確認できるダッシュボードの運用を開始したと発表した。がん患者が日常で感じている自覚症状や服薬などの情報を診察時に確認でき、適切な治療方針が検討可能になると期待される。