あすか、子宮筋腫治療薬の申請取り下げ…欧州で重篤な肝障害
あすか製薬は9月27日、子宮筋腫治療薬「CDB-2914」(一般名・ウリプリスタル)の承認申請を取り下げると発表した。同社は2019年12月に申請を行ったが、欧州で使用患者に重篤な肝障害が発生。欧州では適応症を限定する形で承認が維持されているが、各国での承認・販売状況などを踏まえ、国内での承認取得は困難と判断した。申請取り下げに伴い、21年7~9月期決算に特別損失として67億9200万円を計上する。
アステラス、ADC「パドセブ」が日本で承認
アステラス製薬は9月27日、抗体薬物複合体(ADC)「パドセブ点滴静注用」(エンホルツマブ ベドチン)が、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」の適応で日本で承認を取得したと発表した。同薬は米Seagenと共同開発。承認は、白金製剤を含む化学療法やPD-1/ PD-L1阻害薬による治療歴のある局所進行性・転移性尿路上皮がん患者を対象に、エンホルツマブ ベドチンと化学療法を比較したグローバル臨床第3相(P3)試験の結果などに基づく。
リリー RET阻害薬「レットヴィモ」の承認取得
日本イーライリリーは9月27日、RET阻害薬「レットヴィモカプセル」(セルペルカチニブ)の承認を取得したと発表した。適応は「RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。RET融合遺伝子は非小細胞肺がんの約2%でみられ、同適応での承認は国内初。承認の根拠となった国際共同P1/2試験では、未治療例で71.4%、既治療例で55.2%の奏効率を示した。
ファイザー、アトピー性皮膚炎向けJAK阻害薬「サイバインコ」承認
ファイザーは9月27日、アトピー性皮膚炎に対するJAK阻害薬「サイバインコ錠」(アブロシチニブ)の承認を取得したと発表した。中等症から重症の患者を対象に行われた国際共同P3試験では、プラセボと比較して症状や皮膚病変の範囲を改善し、早期にかゆみを改善した。米国や欧州でも申請中。
武田、クローン病患者の複雑痔瘻治療製品「アロフィセル」が承認
武田薬品工業は9月27日、クローン病患者における複雑痔瘻に対する治療製品「アロフィセル注」(ダルバドストロセル)の承認を取得したと発表した。アロフィセルは再生医療等製品で、同種異系脂肪組織由来間葉系幹細胞の懸濁液。炎症部位で局所的に免疫調節作用と抗炎症作用を示す。製造後72時間以内に投与する必要があり、武田は受注生産を行う。
サノフィ、ポンペ病治療薬「ネクスビアザイム」の承認取得
サノフィは9月27日、ポンペ病治療薬「ネクスビアザイム点滴静注用」(アバルグルコシダーゼ アルファ)の承認を取得したと発表した。遅発型ポンペ病患者を対象に既存薬「マイオザイム」と有効性・安全性を比較したP3試験と、マイオザイム投与経験のある乳児型ポンペ病患者を対象に行ったP2試験で良好な結果を得ており、サノフィは乳児型と遅発型の新たな標準治療となる可能性があるとしている。
キッセイ、C5a受容体拮抗薬「タブネオス」の承認取得
キッセイ薬品工業は9月27日、選択的C5a受容体拮抗薬「タブネオスカプセル」(アバコパン)の承認を取得したと発表した。対象疾患は、顕微鏡的多発血管炎と多発血管炎性肉芽腫症。キッセイは2017年、スイスのビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマから日本での独占的開発・販売権を取得。欧米では申請中で、日本が世界初の承認となった。キッセイは同薬の情報提供活動を的確に行うため、今年4月にレアディジーズプロジェクトを立ち上げている。
ファイザー、梅毒治療薬「ステルイズ」承認
ファイザーは9月27日、持続性ペニシリン製剤「ステルイズ水性懸濁筋注シリンジ」(ベンジルペニシリンベンザチン水和物)の承認を取得したと発表した。適応菌種は梅毒トレポネーマ、適応症は梅毒(神経梅毒を除く)。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬として日本感染症教育研究会から要望があり、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討結果を受けて、厚生労働省がファイザーに開発を要請した。早期梅毒に対しては単回投与で治療効果を発揮する。
大原薬品「メグルダーゼ」承認…MTX排泄遅延の解毒薬
大原薬品工業は9月27日、メトトレキサート・ロイコボリン救援療法によるメトトレキサート排泄遅延時の解毒に使用する薬剤として「メグルダーゼ静注用」(グルカルピダーゼ)の承認を取得したと発表した。Variovorax paradoxus(Pseudomonas sp. RS16)株由来のグルタミン酸カルボキシペプチダーゼで、メトトレキサートのカルボキシ末端のグルタミン酸残基を加水分解する。メトトレキサート・ロイコボリン救援療法は急性リンパ性白血病などで行われるが、メトトレキサートの結晶が尿細管に沈着することで腎機能障害が起き、メトトレキサートの排泄遅延が生じることが副作用として知られている。排泄遅延が起こると、組織障害が生じ、早期に治療介入を行わないと死に至る可能性がある。
千寿製薬、ルセンティスバイオシミラーの承認取得…国内初
千寿製薬は9月27日、眼科用VEGF阻害薬「ルセンティス」のバイオシミラー「ラニビズマブBS硝子体内注射用キット『センジュ』」の承認を取得したと発表した。ルセンティスのバイオシミラーは国内初。キッズウェル・バイオと共同開発した。12月ごろの発売を見込んでいる。
あすか、武田からレルゴリクス配合剤を導入
あすか製薬は9月27日、GmRH受容体拮抗薬レルゴリクスとエストラジオール、酢酸ノルエチンドロンの配合剤について、子宮筋腫を対象とした日本での独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を武田薬品工業と結んだと発表した。あすかは、権利取得の対価として売り上げに応じたロイヤリティを支払う。レルゴリクス単剤は、「レルミナ」の製品名で「子宮筋腫に基づく諸症状の改善」を対象に2019年1月から販売されている。
MICIN、東大・東北大と過敏性腸症候群患者向け治療用アプリを開発
MICIN(マイシン)は9月27日、東京大、東北大と、過敏性腸症候群患者の症状を緩和する治療用アプリの開発に向け、共同研究を始めたと発表した。認知行動療法の技法の一つである曝露療法(不安の原因になる刺激に段階的に触れることで不安を解消していく方法)を用い、症状のセルフコントロールを促す。
ノバルティス「エンレスト」高血圧症への適応拡大が承認
ノバルティスファーマは9月27日、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬「エンレスト錠」(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)について、高血圧症への適応拡大の承認を取得したと発表した。同薬は慢性心不全治療薬として昨年6月に承認。慢性心不全では世界115カ国以上で承認されている一方、高血圧症の承認はロシア、中国に続く3カ国目。
「イムブルビカ」GVHDに適応拡大
ヤンセンファーマは9月27日、抗がん剤「イムブルビカカプセル」(イブルチニブ)について、「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(GVHD)」への適応拡大の承認を取得したと発表した。成人と12歳以上の小児が対象。同薬はBTK阻害薬。慢性リンパ性白血病などの適応で承認されている。
アッヴィ「リンヴォック」に30mg製剤を追加
アッヴィは9月27日、JAK阻害薬「リンヴォック錠」(ウパダシチニブ水和物)の30mg製剤が承認されたと発表した。リンヴォックにはこれまで7.5mg製剤と15mg製剤があったが、今年8月に承認されたアトピー性皮膚炎の適応では、患者の状態に応じて1回30mgを投与できるとされている。
「ヒュミラ」潰瘍性大腸炎の高用量が承認、小児適応も
アッヴィとエーザイ、EAファーマは9月27日、抗TNFα抗体「ヒュミラ」(アダリムマブ)について、潰瘍性大腸炎の成人に対する高用量と、同疾患に対する小児適応の承認を取得したと発表した。成人患者の寛解維持療法では従来、40mgを隔週で投与していたが、今回の承認によって40mg毎週または80mg隔週の投与も可能になる。小児の潰瘍性大腸炎患者にとっては、在宅自己注射が可能な初めての薬剤となり、利便性の向上や通院の負担軽減が期待される。
「コセンティクス」小児適応の承認取得
ノバルティスファーマは9月27日、抗IL-17A抗体「コセンティクス」(セクキヌマブ)が乾癬(尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬)に対する小児適応の承認を取得したと発表した。小児向けの用法・用量に対応した75mg製剤もあわせて承認された。小児の乾癬に使用可能な生物学的製剤は国内初。
「オプジーボ」古典的ホジキンリンパ腫の小児適応が承認
小野薬品工業は9月27日、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体「オプジーボ」(ニボルマブ)について、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する小児の用法・用量の追加が承認されたと発表した。承認は、国立がん研究センターで行われた医師主導治験の結果に基づく。通常、小児には1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注する。
「リツキサン」全身性強皮症への適応拡大が承認
全薬工業と中外製薬は9月27日、抗CD20抗体「リツキサン点滴静注」(リツキシマブ)について、全身性強皮症に対する適応拡大の承認を取得したと発表した。全身性強皮症は、皮膚や内臓が硬くなる変化を特徴とし、慢性に経過する疾患。臨床開発は、日本医療研究開発機構の難治性疾患実用化研究事業による医師主導治験として行われた。