武田、税務費用630億円を引当計上…シャイアー関連で
武田薬品工業は8月2日、2019年に買収したシャイアーに関連し、21年4~6月期決算に税務費用約630億円を引当計上すると発表した。6日までに決算短信の修正を東証に提出する予定で、21年度通期業績予想も見直す可能性がある。引当計上するのは、シャイアーが買収申し出の取り下げに関する違約金として米アッヴィから受け取った16億3500万ドルに対する課税分とその未払い利息。シャイアーは18年11月にアイルランド歳入庁から課税通知を受け、武田が異議申し立てを行っていたが、アイルランド税務不服審査委員会が歳入庁の見解を支持する裁定を出した。武田は「アイルランド裁判所への控訴を含め、可能なあらゆる法的手段で異議を申し立てる」としている。
中外 血液検体のがん遺伝子パネル検査を発売
中外製薬は8月2日、血液検体を使ったがん遺伝子パネル検査「FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル」を発売し、エスアールエルによる検査の受託を開始したと発表した。今月1日に保険償還された。同検査は、324のがん関連遺伝子を解析でき、複数の分子標的薬のコンパニオン診断機能を持つ。がん組織の採取が難しい患者でも検査が可能になると期待される。
ヴィアトリス、アステラスから「セレコックス」「リピトール」を承継
ヴィアトリス製薬は8月2日、同1日付でアステラス製薬から疼痛治療薬「セレコックス錠」(一般名・セレコキシブ)と高脂血症治療薬「リピトール錠」(アトルバスタチンカルシウム水和物)の製造販売承認を承継し、販売が移管されたと発表した。いずれも、販売移管に先立ってアステラスとの共同販促活動を終了しており、今後はヴィアトリスが単独で販売・情報提供活動を行う。
ユーシービージャパン「シムジア」自己注射の患者をLINEでサポート
ユーシービージャパンは8月2日、乾癬治療薬「シムジア」(セルトリズマブ ペゴル)について、自己注射よる治療を行っている患者を対象に、LINEを使った投薬サポートサービスを開始したと発表した。投薬日時のリマインドや、自己注射の手順をチェックできる機能を提供。服薬アドヒアランスの向上につなげる。
田辺三菱 山口にCMC研究棟が完成…生産との連携強化
田辺三菱製薬は8月2日、子会社・田辺三菱製薬工場の小野田事業所(山口県山陽小野田市)で建設を進めていたCMC機能の新研究棟が完成したと発表した。今年10月には、大阪にある田辺三菱のCMC研究機能を小野田事業所に移転。新研究棟を拠点に、小野田事業所の生産機能との連携を強化し、効率的な医薬品の安定供給を目指す。新規モダリティの早期実現に向けた研究開発や、生産コスト、消費エネルギーの削減などにつながる技術開発も行う。総工費は約40億円。
アストラゼネカ、紙の添付文書の同梱を段階的に終了…「シナジス」「ファセンラ」から
アストラゼネカは8月2日、同社が製造販売を行う製品について、紙の添付文書の同梱を段階的に終了し、電子化対応を始めると発表した。今月1日に施行された薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の一部改正に伴う対応。8月包装分の「シナジス」「ファセンラ」から開始し、来年中に全製品に広げる。対象製品では、電子添付文書にアクセスできるバーコ―ドを外箱や容器に印字する。
エーザイ「フィコンパ」中国で単剤療法と小児適応が承認
エーザイは8月2日、抗てんかん薬「フィコンパ」(ペランパネル)について、中国で部分てんかんに対する単剤療法と小児への適応拡大の承認を取得したと発表した。これにより、4歳以上の患者に単剤と併用の両方で使用できるようになった。同薬はエーザイの筑波研究所で創製。各国で経口剤が承認されており、注射剤の開発も進めている。
生化学 台湾で単回投与の関節機能改善剤を発売
生化学工業は8月2日、関節機能改善剤「雅節一針劑型関節内注射剤」(英語名・ハイリンク)を台湾で発売したと発表した。ハイリンクは、同社独自の架橋技術を使って創製した架橋ヒアルロン酸ゲルを主成分とした単回投与製剤。台湾ではすでに複数回投与の製剤を販売しており、単回製剤の追加によって市場でのさらなるプレゼンスの強化を目指す。