協和キリン アトピー性皮膚炎治療薬「KHK4083」で米アムジェンと提携
協和キリンは6月1日、開発中のアトピー性皮膚炎治療薬「KHK4083」について、米アムジェンと共同開発・販売に関する契約を結んだと発表した。開発と製造、日本以外での販売をアムジェンが主導し、日本では協和キリンが単独で販売を担当。米国では両社でコ・プロモーションを行う。協和キリンは一時金4億ドル(約438億円)と最大8億5000万ドルのマイルストン、販売ロイヤリティを受け取るほか、日本以外での開発費と米国での販売費を折半。日本以外での売り上げはアムジェンに計上される。同薬は協和キリンが創製した抗OX40抗体。活性化T細胞を選択的に減少させることが確認されている。今後、臨床第3相(P3)試験を開始する予定。
日医工 新たに52品目が供給遅延…半数は「製造再開に時間」
日医工は6月1日、富山第一工場で製造する製品の品質評価を行った結果、新たに52品目で供給に遅れが出る見込みだと明らかにした。うち26品目は、製造再開が在庫消尽に間に合わないため供給制限または欠品となるとしており、出荷再開は今月~今年12月を予定。残りの26品目については「長期にわたり製造再開まで時間を要する」とし、在庫が尽きた時点で供給停止となる。同社は4月にも同工場で製造する164品目で供給に遅れが出る可能性があると発表している。
政府「ワクチン開発・生産体制強化戦略」を閣議決定
政府は6月1日、国産ワクチンの開発・生産体制強化に向けた国家戦略を閣議決定した。「ワクチンを国内で開発・生産出来る力を持つことは、国民の健康保持への寄与はもとより、外交や安全保障の観点からも極めて重要」とし、▽研究開発拠点の形成▽治験環境の整備▽薬事承認プロセスの迅速化▽ワクチン製造拠点の整備――などを盛り込んだ。緊急時に特別に使用を認める制度の在り方については、年内に方向性を出すとしている。
小林化工 申請に不正の12品目の承認取り消し、薬価削除に
小林化工は6月1日、承認申請資料に改ざんなどの不正があった12製品について、同日付で製造販売承認が取り消され、未発売の「モンテルカスト細粒 4mg『KN』」を除く11品目が薬価基準から削除されたと発表した。同社は「業務改善計画の確実な実行などを通し、法令順守の徹底を図り、再発防止と業務改善に真摯に取り組む」とコメントした。
インサイト FGFR阻害薬「ペマジール」発売
インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンは6月1日、国内初のFGFR阻害薬「ペマジール」(一般名・ペミガチニブ)の販売を開始したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」。1日1回13.5mgを14日間投与したあと7日間休薬するサイクルを繰り返す。薬価は4.5mg1錠2万5631.20円で、ピーク時に7億円の売り上げを見込む。販売は自社で行い、スズケン子会社のエス・ディ・コラボが流通を担当する。
田辺三菱 視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬「ユプリズナ」を発売
田辺三菱製薬は6月1日、抗CD19抗体「ユプリズナ点滴静注」(イネビリズマブ)を発売したと発表した。適応は「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」。CD19陽性B細胞を循環血液中から速やかに除去することで再発を予防する。薬価は100mg10mL1瓶349万5304円で、ピーク時の売上高予測は59億円。現在、重症筋無力症とIgG4関連疾患でホライゾン・セラピューティクス(アイルランド)とグローバルP3試験を進めている。米国では視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬として昨年6月に承認された。
Heartseed、重症心不全向け再生医療の世界展開でデンマーク・ノボとライセンス
心筋再生医療を手掛けるHeartseed(ハートシード)は6月1日、開発中の他家 iPS 細胞由来心筋球「HS-001」について、デンマーク・ノボ ノルディスクと全世界での独占的技術提携・ライセンス契約を結んだと発表した。契約に基づき、ノボは日本を除く全世界でHS-001を開発、製造、販売する権利を取得。国内ではハートシードが単独で開発を進め、両社で利益とコストを折半する形で事業を展開する。ハートシードは、一時金5500万ドル(約60億円)を含め、最大で5億9800万ドルを受け取るほか、海外の年間売上高に応じたロイヤリティを受領する。
TXP Medical、急性期治験の患者リクルーティング支援を開始
TXP Medicalは6月1日、急性期治験の患者リクルーティングを支援するサービスの提供を始めたと発表した。同社は救急外来に特化した患者情報記録・管理システム「NEXT Stage ER」を展開。同システムのアプリに救急隊が患者情報を入力すると、システムが治験対象患者の適合性を判断し、医師や看護師に通知。スクリーニング漏れを防ぎ、治験を迅速化する。
シオノギファーマ、千代田化工と合弁設立へ…連続生産を事業化
シオノギファーマは5月31日、千代田化工建設と合弁会社の設立検討に向けた基本契約を結んだと発表した。両社は昨年9月、医薬品原薬・中間体の連続生産技術の開発で協業を開始。合弁によって開発を加速させ、連続生産技術を活用した受託開発製造の事業化を目指す。合弁設立に向けた協議には藤本化学製品も参画の意向を示しているほか、横河電機とも中間体の連続生産技術の開発について協議を進めている。
大原薬品 レバミピド錠、日医工との専売契約解除…自社販売を開始
大原薬品工業は5月31日、同社が製造販売元となっている胃炎・胃潰瘍治療薬「レバミピド錠 100 ㎎『EMEC』」について、日医工グループとの専売契約を解除し、6月1日から自社チャネルでも販売を行うと発表した。大原薬品は「昨今の状況から判断し、製造販売元としての責務をしっかりと果たすため」としている。製造所も追加し、安定供給体制を強化する。