中外のコロナ向け抗体カクテル療法、日本政府が調達で合意
中外製薬は5月10日、新型コロナウイルス感染症を対象に開発している抗体カクテル療法casirivimab/imdevimabについて、日本政府が調達することで合意したと発表した。承認された場合、2021年分を政府が確保する。同薬は新型コロナウイルスに対する2つの中和抗体を組み合わせたもので、中外は昨年12月、国内での開発・販売権をスイス・ロシュから取得。今年3月から日本人を対象とする臨床第1相(P1)試験を行っている。
モデルナのコロナワクチン、武田が国内P1/2試験の結果をPMDAに提出
武田薬品工業は5月10日、申請中の新型コロナウイルスワクチン「TAK-919」について、国内で健康成人200人を対象に行ったP1/2試験の結果を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表した。TAK-919は米モデルナが開発し、日本では供給を請け負う武田が今年3月に申請。国内試験では、これまで報告されている免疫反応と同様の結果が示され、安全性・忍容性でも問題なかったという。同ワクチンは日本に5000万回分が供給されることになっている。
CureApp アルコール依存症治療用アプリの臨床試験開始
CureAppは5月10日、開発中のアルコール依存症治療用アプリについて、岡山市立総合医療センター岡山市立市民病院で臨床試験を行うと発表した。アルコール依存症治療を行う専門医療機関は少なく、治療を受けている患者は一部にとどまっている。同社は、アプリを用いることで専門医療機関以外でも治療できるようになることを目指す。
ヤンセンと大鵬 掌蹠膿疱症の患者理解に向け、医師向けVRコンテンツを提供
ヤンセンファーマと大鵬薬品工業は5月10日、医師向けに掌蹠膿疱症に関するVR(バーチャルリアリティ)コンテンツを今月から提供すると発表した。コンテンツは、仕事と家庭を両立する女性が掌蹠膿疱症を発症してからの10年間を追体験するもの。生活上の困難やつらさを再現し、患者への理解を深めてもらう。
持田 21年3月期の業績予想を上方修正
持田製薬は5月10日、2021年3月期の業績予想を上方修正したと発表した。修正後の予想は、売上高1029億円(従来予想比9億円増)、営業利益120億円(20億円増)。医薬品の売上高が予想を上回ったほか、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したことで販管費が減少し、売り上げ、利益とも前回予想を上回る。
決算
塩野義製薬(2021年3月期、5月10日発表)
売上収益2971億7700万円(前期比10.9%減)、営業利益1174億3800万円(10.1%減)。国内医療用医薬品売上収益は前期比10.9%減の947億円で、新型コロナウイルスの感染予防対策で感染症治療薬が振るわなかった上、コロナによる受診抑制や薬価改定が響いた。ロイヤリティー収入は13.3%減の1446億円。2022年3月期は、売上収益2900億円(2.4%減)、営業利益900億円(23.4%減)と3期連続の減収減益を見込む。
富士製薬工業(2020年10月~21年3月期、5月7日発表)
売上高172億7700万円(前年同期比2.2%増)、営業利益26億8600万円(54.8%増)。婦人科領域が好調だったことに加え、営業活動の自粛で経費が減少したことや、研究開発費の計上が下期にずれ込んだことなどで、売り上げ、利益とも計画を上回った。2021年9月期の業績予想は、従来予想(売上高347億200万円、営業利益28億5700万円)を据え置いた。