富士フイルム「アビガン」で新たなP3開始、発症早期のコロナ患者対象に
富士フイルム富山化学は4月21日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(一般名・ファビピラビル)について、新型コロナウイルス感染症に対する有効性・安全性を検証する新たな臨床第3相(P3)試験を始めたと発表した。対象は、基礎疾患や肥満といった重症化リスク因子を持つ発症早期(発熱などの症状発現から72時間以内)の50歳以上の患者。重症化した患者の割合を主要評価項目として、有効性を検証する。
同社は昨年、非重篤な肺炎のある新型コロナ患者を対象としたP3試験で主要評価項目を達成し、新型コロナへの適応拡大を申請。厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は昨年12月、「現時点のデータから有効性を明確に判断するのは困難」とし、承認の可否の判断を見送った。昨年行ったP3試験では、特に発症早期の患者で症状改善を早める効果が示唆されたという。
小野薬品「エドルミズ」を発売…国内初のがん悪液質治療薬
小野薬品工業は4月21日、国内初のがん悪液質治療薬「エドルミズ錠」(アナモレリン塩酸塩)を発売したと発表した。がん悪液質は、がんに伴う体重減少や食欲不振を特徴とする代謝異常症候群。同薬はグレリン様作用薬で、受容体に結合することで体重、筋肉量、食欲、代謝を調整する複数の経路を刺激する。対象となるのは、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんに伴うがん悪液質。薬価は50mg1錠246.40円で、ピーク時の売上高予想は38億円。
アストラゼネカ「カルケンス」発売、血液がんに参入
アストラゼネカは4月21日、第二世代のBTK阻害薬「カルケンスカプセル」(アカラブルチニブ)を発売したと発表した。適応は「再発または難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」で、同社にとっては初の血液がん領域の製品となる。薬価は100mg1カプセル1万5202.20円。ピーク時に26億円の売り上げを予想している。
鳥居、HAE発作抑制薬「オラデオ」23日発売
鳥居薬品は4月21日、遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作抑制薬「オラデオカプセル」(ベロトラルスタット塩酸塩)を同23日に発売すると発表した。同薬はブラジキニン産生酵素を特異的に抑制することで、HAEの急性発作の発症を抑制する。国内では、創製元の米バイオクリスト・ファーマシューティカルズとの契約に基づき、オーファンパシフィックが申請して承認を取得。鳥居は2019年11月にバイオクリストとライセンス契約を結び、国内での独占的販売権を取得した。薬価は150mg1カプセル7万4228.20円で、ピーク時の売上高予測は67億円。
杏林、間質性膀胱炎治療薬「ジムソ」発売
キョーリン製薬ホールディングス(HD)は4月21日、子会社の杏林製薬が間質性膀胱炎治療薬「ジムソ膀胱内注入液」(ジメチルスルホキシド)を発売したと発表した。間質性膀胱炎は、頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱痛を呈する疾患で、2013年の調査によると、国内で治療中の患者は約4500人。薬価は1バイアル1万1210.50円で、ピーク時に7億円の売り上げを見込んでいる。
武田、HAEの早期発見でユビーと協業
武田薬品工業は4月21日、遺伝性血管性浮腫(HAE)の早期発見を目指し、Ubie(ユビー)との協業を開始したと発表した。ユビーが提供する生活者向けサービス「AI受診相談ユビー」でHAEを含む血管性浮腫に関連する症状が入力された場合、武田のHAE情報サイトへのリンクを表示。医療機関向けの「AI問診ユビー」でも、患者が問診で関連する症状を回答すると、医師の確認画面にHAEを含む血管性浮腫に関する詳しい情報を表示する。
GSK「ヌーカラ」の自己注射が保険適用
グラクソ・スミスクラインは4月21日、気管支喘息治療薬の抗IL-5抗体「ヌーカラ」(メポリズマブ)が診療報酬の在宅自己注射指導管理料の対象となり、同日付で在宅自己注射が保険適用になったと発表した。対象はシリンジ製剤とペン製剤で、医師が必要と判断すれば、事前の説明とトレーニングを受けた上で自己注射が可能となる。
モジュラス 日産化学と戦略提携、創薬後期プログラムの開発加速
モジュラスと日産化学は4月21日、低分子医薬品の創製を目的とした戦略的提携を結んだと発表した。モジュラスが持つ複数の創薬後期プログラムについて、日産化学が原薬開発・製造の技術・ノウハウを提供するとともに、開発費用を一部負担し、開発を加速させる。モジュラスは、対象化合物から将来得る利益の一部を日産化学に分配する。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
・キョーリン製薬ホールディングス(杏林製薬/キョーリンリメディオ)
・小野薬品工業
・武田薬品工業